シラバス参照/View Syllabus |
科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2020/09/23 現在/As of 2020/09/23 |
開講科目名 /Course |
フランス現代社会各論Ⅱ/STUDIES IN FRENCH CONTEMPORARY SOCIETY II |
---|---|
開講所属 /Course Offered by |
外国語学部フランス語学科/FOREIGN LANGUAGES FRENCH |
ターム?学期 /Term?Semester |
2020年度/2020 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
水4/Wed 4 |
開講区分 /semester offered |
秋学期/Fall |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
福井 憲彦 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
---|---|
福井 憲彦 | フランス語学科/FRENCH |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
少子高齢化が進行する現在の日本では、「技能実習生」などの名目で外国人労働力の導入はすでに実質化しているにもかかわらず、「移民」受容をめぐる課題としてしっかりした検討の対象としては位置づけられていない。政治的亡命や難民受け入れについても、同様である。しかしグローバル化が進行する中では、早晩これらは、問題とせざるを得ない。フランスは19世紀の早くから難民?移民を受け入れてきた。春学期には、19世紀から第一次大戦直後までの諸問題を時期ごとに通観してみた。秋学期には、その後の両大戦間期、ナチ占領下とレジスタンス、そして戦後の政策的移民導入、その後の経済危機による受け入れ停止とそれ以後の問題化について、取り上げる。フランスの場合には、この問題は、植民地支配の問題とも関わっており、ここでは、移民をめぐる諸状況の大きな展開のあり方と、そこに生じた困難で多様な課題について、捉えてみよう。簡単な問題ではないが、フランスがまさに現在直面している政治的?社会的課題の、歴史的由来をしっかり認識することは、将来を考えるためにも、前提になるべきものである。 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
遠隔授業となったので、PorTaのお知らせ欄に毎回の授業日からその回の授業文書(通常はA4のWord文書で4枚くらい、多い時で6枚くらいを想定)を掲載する。皆さんはその文書をダウンロードして保存、画面で読むかプリントアウトするかはどちらでも良いが、掲載は2週間ほどを目処とするので、注意! 最終的には小冊子1冊分くらいの分量になるはずである。それらをしっかり読んで、課題が提出されている回については、次の回までにPorTa のレポート提出機能を使って課題レポートを提出すること。諸君も他の授業の課題対応もあって時間処理が大変と思われるので、対応が過重になるような頻度や内容とはしないつもり。授業形式はPCのオンデマンドとなるわけなので、授業日と授業時間にこだわらなくとも対応可能なわけだが、授業文書の掲載開始日と、レポート提出期限は授業日を措定するので、注意すること。質問などはウェブメールを使って出すように。 | ||||||||||
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
時間管理を、各自でしっかりするようにしてください。他の授業も含めて、PCやスマホの画面を常に見ている状態は望ましくはないので、このようなオンデマンド型の遠隔授業では送付された文書をできるだけプリントアウトして紙媒体にして読むことを勧めます。最終レポートのための保存確保、という観点もありますが、また、つまりは通常の授業であれば授業のレジュメと話のノートを、送付文書で一括して読む形式が取れるわけですから、それを利用して、各自では追加的な情報検索や思考する時間を有効に使用するようにして下さい。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
|
||||||||||
テキスト2 /Textbooks2 |
|
||||||||||
テキスト3 /Textbooks3 |
|
||||||||||
参考文献等1 /References1 |
|
||||||||||
参考文献等2 /References2 |
|
||||||||||
参考文献等3 /References3 |
|
||||||||||
評価方法 /Evaluation |
授業文書で指示された課題についての提出レポートと、最終レポートの総合評価。授業文書を踏まえないレポートについては、評価の対象とはしない(問題をめぐる状況判断や賛否の議論を私からの文書とは異なる形ですることは、もちろん妨げない)。 | ||||||||||
関連科目 /Related Subjects |
|||||||||||
備考 /Notes |
|||||||||||
到達目標 /Learning Goal |
フランスあるいはフランス語圏の現代社会を各論し、特定諸問題に関する専門知識を習得し、分析のうえ見解を提示できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
---|---|---|---|
1 | 導入:第一次大戦後から現在までのフランス政治社会の状況推移について | 移民問題は当然同時代の全体状況との関わりにおいて生じる。移民問題をとらえる大前提として、この時代の全体的な状況について押さえておく | 各自、配付授業文書をしっかりプリントアウトし、特に年表は、この後の授業対応でも参照できるような状態にしておくこと。 |
2 | 19世紀から両大戦間期までの移民問題をめぐる基本的な推移 | 秋学期の授業の理解の前提として、春学期に取り上げたことの基本を押さえる。春学期に履修した人も、しなかった人も、これをしっかり踏まえておくことが必要 | 19世紀の問題状況は、20世紀半ばから現在の問題理解にとって大事な基本的前提なので、しっかりと反芻して頭に入れておくこと |
3 | 1930年代までの亡命者受け入れと排外主義的反発の動き | 同時代のファシズムや共産主義の支配などからの亡命希望者受け入れをめぐる状況 | 授業でのテーマについて資料等を踏まえて考えをめぐらしてみる。それによって、移民の立場と、移民を前にした受け入れ側の立場との、双方の位置に自分を置いて考えてみる。以下同様で、これを毎回すること |
4 | ヴィシー政権とナチ占領時代 | ナチ占領下フランスの政権と排外主義?反ユダヤ主義について | |
5 | レジスタンスと移民?在住外国人 | レジスタンスに参加していたフランス在住外国人や植民地出身者たち | |
6 | 「栄光の30年(1945?74)」と政策的移民導入 | 戦後復興と経済成長において移民労働力の果たした役割と諸問題 | |
7 | アルジェリア独立戦争と移民問題 | 植民地独立と移民、特にアルジェリア独立戦争にともなう混乱と「帰国フランス人」を含む諸問題 | |
8 | 移民たちが抱えた諸問題 | 労働条件や居住?家族生活、文化ギャップ、世代間対立、差別と偏見など | |
9 | 経済危機と移民受け入れ停止 | 言論の暴力を含む移民排斥への暴力と、それへの対抗暴力 | |
10 | 宗教をめぐる諸問題 | ライシテの原則とイスラームをめぐる諸問題 | |
11 | mondialisationと難民?移民問題の激化 | 政治経済や情報だけでなく人の動きも広範囲に大規模化する時代の難民?移民問題を巡って | |
12 | 家族形成と国籍をめぐる諸問題 | いわゆるmariages mixtes と国籍(市民権)をめぐる問題状況 | |
13 | 同化と混淆:文化の新しい可能性? | 外国出身者の成功事例と、多様性がもたらすポジティヴな可能性について | |
14 | 最終レポート |
秋学期授業内容に関するレポート提出 |