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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2020/09/23 現在/As of 2020/09/23 |
開講科目名 /Course |
法哲学/LEGAL PHILOSOPHY |
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開講所属 /Course Offered by |
法学部法律学科/LAW LAW |
ターム?学期 /Term?Semester |
2020年度/2020 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
月3/Mon 3 |
開講区分 /semester offered |
秋学期/Fall |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
嶋津 格 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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嶋津 格 | 総合政策学科/POLICY STUDIES |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
もし諸君が、何かをすべきだとか、すべきでないと誰かに主張するとしよう。もし相手が「どうしてですか」と尋ねると、普通法律家は「法がそうなっているからです」と答える。法の権威を借りるわけだが、これが一定の正確さでできないと、法律学を学んだとはいえない。では次に、「なぜ法はそうなっているのですか」とか「そんな法はおかしくありませんか」とか尋ねられた場合はどうだろうか。この種の問に一定の水準で自分なりに答えられないと、あなたは、法律を知っているだけの二流の人物とみなされる危険がある。このような法の根拠を、徹底して考えようとするところに法哲学の存在意義がある。もちろん、この種の問には確定的な既存の回答は用意されていないから、最後は学生諸君が自分で答を考えねばならない。そのきっかけを与え、諸君が今後その種の思考を自分なりに発展させていく準備をすることが、本授業の目的である。 | ||||||||||
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
遠隔授業のため、毎回授業の音声ファイル(100分)を私のHomePageにアップする。学生諸君は、ストリーミングもしくはdown load(1回35メガほど)して、それを聴いてほしい。授業ページのURLとpasswordについては、履修者が確定した時点でPorTaⅡを通して連絡する。 内容としては、基本的にテキスト1の欄に挙げた私の著書に従って授業する。法概念論、正義論、実践的諸問題、といった内容で、一応の法哲学的テーマをカバーしていると思う。ただ、このテキストが出版された後に書いた論文については、ホームページにアップして学生諸君にダウンロードしてもらうことになる。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
テキストの各回の該当部分を事前に読んでおくことが望ましい。授業に関連しないことでもよいので、質問や意見をemailで嶋津に書いてみよう(メールは任意だが、できれば全体で1回くらいはメールをくれるとうれしい。ラジオ番組への「お便り」といったノリでも可)。メアドは:k17010@dokkyo.ac.jp メールは加点の方向でのみ期末の成績で考慮する場合がある。減点の対象とすることは決してしない。他の諸君にも関心がありそうなメールについては、質問者の名前を伏せて授業の中で紹介するとともに、そこで回答する。質問メールには名前を書くこと。 |
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テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
期末に課すレポートによる。レポートの書き方については、後にPorTaⅡ(およびHomePage)を通して指示する。 | ||||||||||
関連科目 /Related Subjects |
法思想史 | ||||||||||
備考 /Notes |
参考文献:多くある法哲学教科書のリストと簡単な解説は、第一回目の授業で使用する法哲学入門のファイル(HomePageからdown loadできます)の末尾に挙げてあるので、他の法哲学者の議論も読んでみたい諸君は、それを参照のこと。 | ||||||||||
到達目標 /Learning Goal |
「法とは何か」について、哲学的考察の意義を正確に解釈し、個別の事象について見解を示すことができるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | 法哲学入門 法における「事実」 |
哲学とは何かを含む簡単な入門。 ハートの法概念論 |
ファイルをダウンロード テキスト2節 |
2 | 法の権威 | 法の権威の源泉を憲法や立法権に見る見方を批判して、私法中心的な法概念を展開。 | テキスト3節 ファイルをダウンロード |
3 | 法の認識とイデオロギー | 法概念論が大きなイデオロギーとしての意義を帯びていること。その中でどの立場をとるべきか。 | テキスト5節 |
4 | 司法改革論――〈正しさ〉を語る | 司法改革を基本的に擁護する議論を提示しているが、反論はもちろんありうる。 | ファイルをダウンロード テキスト6節、18節 |
5 | 正義論の経緯 | 日本で正義論が不活発だった理由。その後ロールズの登場などにより、現在の活況となる。 | テキスト7節 |
6 | 平等論 | 平等論の出発点としての法の前の平等。その後米国の人種問題の判例の推移をたどって。 | テキスト9節 |
7 | ユートピア論 | モア、エンゲルス、ノージックという3人のユートピア論を比較しながら考える。 | テキスト11節 |
8 | リバタリアニズム論 | 私はノージックの主著を翻訳することで日本でのリバタリアニズム隆盛の一端を担ったが???。 | テキスト12節 |
9 | 民主主義論 | 民主主義は常に正しいわけでも成功するわけでもない。ではその限界条件はどこにあるのか。 | テキスト13節 |
10 | 秩序論 | 秩序の希少性という概念を導きの糸にして、日本の近代化などを考える。 | テキスト14節 |
11 | 生命倫理基礎論 | そもそも倫理問題とは、正解発見問題なのか合意達成問題なのか、というメタ問題を考える。 | テキスト15節 |
12 | 題材としての「慰安婦」論 | 錯綜する慰安婦論だが、事実の認定と価値的評価のレベルを区別しながら整理できるだろうか。 | テキスト17節 |
13 | 尊厳死論 | 我が国でも安楽死は問題になりそうに思われる。その導入としての尊厳死論。 | ファイルをダウンロード |
14 | 事実認定論 | 民事裁判における事実認定とはどんな作業なのか。哲学の認識論は関連があるのか。 | ファイルをダウンロード |