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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2020/09/23 現在/As of 2020/09/23 |
開講科目名 /Course |
歴史と文化2(人間の教養――社会の文化)/HISTORY AND CULTURE2(INDIVIDUAL AND SOCIAL CULTIVATION) |
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開講所属 /Course Offered by |
大学全カリ総合科目/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2020年度/2020 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
水4/Wed 4 |
開講区分 /semester offered |
秋学期/Fall |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
1,2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
高橋 輝曉 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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高橋 輝曉 | ドイツ語学科/GERMAN |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
「大学は学問を通じての人間形成の場である」――この言葉を獨協大学は建学の理念として掲げている。それはこの大学の創設者天野貞祐(1870–1945)の言葉にほかならない。ここにある「人間形成」とは、もともと20世紀初頭の大正時代に「教養」と和訳されたドイツ語 Bildung(ビルドゥング)のことだ。しかも、「教養」概念の源泉を西洋に求めると、古代ローマのラテン語 cultura animi(クルトゥーラ?アニミー)すなわち「心の耕作」にさかのぼれる。この本来「耕作」を意味する cultura が近代の西洋語を通じて日本語に伝わり、「文化」と和訳された。そこで、「人間形成」としての「教養」と「文化」の概念の歴史を繙きつつ、その現代的な意味を考え、獨協大学の建学の理念を21世紀に活かす可能性を探ろう。それはとりもなおさず、獨協大学で学ぶ意味を考えることにもなるはずだ。そのために、まず(1)「人間形成」すなわち「教養」という概念について、そして「文化」という概念について、またこのふたつの概念の相互関係について、その歴史的由来を含めて検討する。続いて(2)「人間形成」あるいは「教養」という訳語のもとになったドイツ語Bildungの意味の歴史的変遷と現代ドイツ語における意味を明らかにする。これらの下準備を踏まえて(3)獨協大学の建学の理念の意味を創立者天野貞祐の思想の解明を通じて考える。最後に(4)獨協大学創立時(1964)から半世紀余りを経て、当時とは多くの点で異なる21世紀の時代状況のなかで、獨協大学の建学の理念をどのように活かせるかについて批判的に検討する。討論を通じた「人間形成」あるいは「教養」を実践することで、自分の意見を述べて議論のできる「21世紀型の市民」になるための人間力を「教養力」として鍛えるのも、本科目の重要な目的のひとつにほかならない。 | ||||||||||
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
A.本授業はZoomにより、リアルタイムで実施する。受講にあたっては、カメラ?マイク付パソコンでオンライン接続する必要がある。 B.下記のテキスト1に記した『人間形成としての教養』から毎回指定の箇所を読んで、その内容について討論する。そのために、初回および最終回(それぞれ「授業計画詳細情報」の該当欄を参照)を除いて、(1)から(2)の順に授業を進める。 (1)当該箇所の論旨とトピックについて、予習のうえ、当番の参加者が発表する。 (2)当該箇所に関する発表者の問題提起に基づいて、提起された問題ごとに、その解決を目指して討論する。 なお、参加者全員が発言することを前提とする。討論において、何の発言もしなければ、下記の【事後学習】における授業記録の作成に支障をきたすので留意されたい。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
初回および最終回(それぞれ「授業計画詳細情報」の該当欄を参照)を除いて下記の通りとする。 【事前学修】 1. 当番に該当する発表者は、発表内容の骨子を記したハンドアウト(A4判1枚程度)を用意して、当該授業に臨む。 2. 参加者は全員が『人間形成としての教養』の指定箇所をあらかじめ熟読し、授業で発言できるように準備しておく。 【事後学修】 毎回の授業について、下記の要領で「授業記録」を作成し、当該授業の翌日24:00までにPorTa IIのレポート機能を用いて提出する, 1.「授業記録」の記入内容は次の通りとなる。 (a)氏名、学籍番号等の教務的必要事項を記す。 (b)授業中の討論の内容からトピックを3つ選んで、それらに関する議論を記録する。 (c)自分が発言したトピックについて、発言内容を記したうえで、授業での討論を経た結果に基づき、補足説明する。 2.「授業記録」の書式については、第1回授業時に説明する。 |
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テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
授業記録(70%)と当番発表(30%)の総合による平常点評価 授業記録および当番発表の評価基準 (1)『人間形成としての教養』の該当箇所に関する読解の適切さ (2)発言内容の独自性と適切さ (3)討論を通じて得られた成果の発展性と適切さ (4)記載内容の根拠が適切に示されているか (5)文章の論理性と適切さ、および正確さ (6)指定の条件を満たしているか |
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関連科目 /Related Subjects |
全学総合講座(獨協学) | ||||||||||
備考 /Notes |
初回の授業において下記を説明するので、1回目に欠席すると、最終的に合格点に達する成果をあげるのが、きわめて困難になる。 1.本科目の趣旨説明 2.受講にあたっての注意 3.論述文の読み方と書き方(「授業記録」の書き方を含む) |
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到達目標 /Learning Goal |
歴史と文化に関する学問分野について、副題に示したテーマをもとに、21世紀型市民としてふさわしい実践的な知識を習得し、今後の複雑な国内および国際情勢に対処していく方法について、論理的かつ創造的思考を持って対応できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | はじめに | 1.本科目の趣旨説明 2.受講にあたっての注意 3.論述文の読み方と書き方(「授業記録」の書き方を含む) |
【事前学修】『人間形成としての教養』の序章(5~8頁)を読む。 【事後学修】「授業記録」を作成して、提出する。 |
2 | 「文化」と「学問」 | 『人間形成としての教養』付論Ⅰの第一節と第二節(189~193頁)に関する当番発表と討論 |
【事前学修】『人間あらかじ形成としての教養』の指定箇所をあらかじめ熟読し、授業で発言できるように準備しておく。 【事後学修】「授業記録」を作成して、提出する。 |
3 | 「教養」と「人間形成」 | 『人間形成としての教養』付論Ⅰの第三節と第四節(193~195頁)に関する当番発表と討論 |
【事前学修】『人間あらかじ形成としての教養』の指定箇所をあらかじめ熟読し、授業で発言できるように準備しておく。 【事後学修】「授業記録」を作成して、提出する。 |
4 | フンボルトの「教養」理念(1)現代の教育機関における教養の場 | 『人間形成としての教養』第一章の第一節(19~23頁)に関する当番発表と討論 | 【事前学修】『人間あらかじ形成としての教養』の指定箇所をあらかじめ熟読し、授業で発言できるように準備しておく。 【事後学修】「授業記録」を作成して、提出する。 |
5 | フンボルトの「教養」理念(2)フンボルトにおける人間形成としての教養の理念 | 『人間形成としての教養』第一章の第二節(23~28頁)に関する当番発表と討論 | 【事前学修】『人間あらかじ形成としての教養』の指定箇所をあらかじめ熟読し、授業で発言できるように準備しておく。 【事後学修】「授業記録」を作成して、提出する。 |
6 | フンボルトの「教養」理念(3)今日と明日の人間形成としての教養 | 『人間形成としての教養』第一章の第三節(28~32頁)に関する当番発表と討論 | 【事前学修】『人間あらかじ形成としての教養』の指定箇所をあらかじめ熟読し、授業で発言できるように準備しておく。 【事後学修】「授業記録」を作成して、提出する。 |
7 | 天野貞祐と教養教育(1)天野貞祐の教育理念と教養と文化 | 『人間形成としての教養』第五章の「はじめに」と第一節(95~100頁)に関する当番発表と討論 | 【事前学修】『人間あらかじ形成としての教養』の指定箇所をあらかじめ熟読し、授業で発言できるように準備しておく。 【事後学修】「授業記録」を作成して、提出する。 |
8 | 天野貞祐と教養教育(2)文化と教養と中庸 | 『人間形成としての教養』第五章の第二節と第三節(100~107頁)の再読と討論 | 【事前学修】『人間あらかじ形成としての教養』の指定箇所をあらかじめ熟読し、授業で発言できるように準備しておく。 【事後学修】「授業記録」を作成して、提出する。 |
9 | 天野貞祐と教養教育(3)教養教育と徳育 | 『人間形成としての教養』第五章の第四節と第五節(107~115頁)に関する当番発表と討論 | 【【事前学修】『人間あらかじ形成としての教養』の指定箇所をあらかじめ熟読し、授業で発言できるように準備しておく。 【事後学修】「授業記録」を作成して、提出する。 |
10 | 天野貞祐と教養教育(4)教養教育と獨協大学 | 『人間形成としての教養』第五章の第六節(116~122頁)に関する当番発表と討論 | 【事前学修】『人間あらかじ形成としての教養』の指定箇所をあらかじめ熟読し、授業で発言できるように準備しておく。 【事後学修】「授業記録」を作成して、提出する。 |
11 | グローバル化と多文化共生の時代におけるハイブリッドな人間像 |
『人間形成としての教養』第八章の第四節と第五節(171~177頁)に関する当番発表と討論 | 【事前学修】『人間あらかじ形成としての教養』の指定箇所をあらかじめ熟読し、授業で発言できるように準備しておく。 【事後学修】「授業記録」を作成して、提出する。 |
12 | 人間形成としての教養と文化との相互形成 | 『人間形成としての教養』第八章の第六節(177~180頁)に関する当番発表と討論 | 【事前学修】『人間形成としての教養』の指定箇所をあらかじめ読み、提起すべき問題を用意。 【事後学修】「事前?事後学修の内容」欄で指定された事項をコメントペーパー用紙に記載して、次の授業の冒頭で提出。 |
13 | 「人間一生の仕事」(天野貞祐)としての教養と文化 | 『人間形成としての教養』第八章の第七節(181~185頁)に関する当番発表と討論 | 【事前学修】『人間あらかじ形成としての教養』の指定箇所をあらかじめ熟読し、授業で発言できるように準備しておく。 【事後学修】「授業記録」を作成して、提出する。 |
14 | 総合討論 | 「人間形成としての教養」に関するコメント文の発表と討論 |
【事前学修】『人間あらかじ形成としての教養』の指定箇所をあらかじめ熟読し、授業で発言できるように準備しておく。 【事後学修】「授業記録」を作成して、提出する。 |