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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2020/09/23 現在/As of 2020/09/23 |
開講科目名 /Course |
歴史と文化2(日韓比較文化論a)/HISTORY AND CULTURE2(COMPARATIVE CULTURES: JAPAN AND KOREA(A)) |
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開講所属 /Course Offered by |
大学全カリ総合科目/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2020年度/2020 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
月5/Mon 5 |
開講区分 /semester offered |
秋学期/Fall |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
青木 義幸 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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青木 義幸 | 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
多様なメディアを通じて韓国社会に関する情報に触れる機会が多くなっている。しかし、表層的な情報では「なぜ韓国の人々はこのように考えるのか/行動するのか?」という人々の考えの枠組み(文化)を理解することは難しい。 その一つの要因は、日本と韓国の文化には表層的に似ているものがあるため、自分たちが無意識のうちに内面化しているものの見方を韓国に当てはめてしまうためである。この他者を自分の枠組みでのみ理解するというアプローチの問題点は、他者の行為を自らが内面化している善し悪しの基準(規範)で評価してしまうということにある。本講義は、自分たちの常識や文化を相対的に認識するとともに、韓国社会や文化を理解する方法として、「他者の合理性」とよばれる内在的な論理を読み取る手法を用いるアプローチを学んでいく。 また、ある地域の文化は、国家制度、地域の歴史性、その時々の感情などが相俟って構築されているため、それぞれの制度的?歴史的文脈の中で理解する必要がある。例えば、なぜキャッスレス決裁を韓国の人々が一般的に受けいれるようになったのかを理解するためには、その考え方を構築してきた政策や社会の変化を踏まえなければならない。よって、この授業では、現代韓国の文化(食文化?デジタル文化?政治文化)の表層的な違いや特徴を見るのではなく、韓国に生きる人々の考えや行動を制約する「文化」を国家の制度や歴史が作り上げてきたものとして理解していく。 授業の後半では、現代韓国のジェンダー文化について学んでいく。ジェンダーとは性差に基づいた集団間の関係性を指す一方で、ある社会に存在しているジェンダー観はある集団(例えば女性や男性)がどのように行動すべきという規範を強要するものでもある。韓国おけるジェンダー文化と女性の葛藤や闘いについて、文学作品(『82年生まれ キム?ジヨン』)を通じて考えていく。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
【授業の形式】 講義は初回講義を除いて、基本的にZOOMを用いて行う。ZOOM会議URLは、URLの漏洩をさけるため初回講義で配布するガイダンス資料に記載されているメールアドレスに初回の課題を提出した学生にのみ配布する。よって、受講希望者はPortaⅡにアップロードされるガイダンス資料をよく読み、必ずメールで担当教員と連絡を取って下さい。 【履修上の注意】 本講義は、学生が自主的に配布テキストを読み込み、自ら考え、疑問を持つことが前提となります。 授業では、購読テキスト、もしくは課題について、毎回学生に自分の考えや考察に関する発表を行ってもらい、不思議だと思ったことや疑問点を論じてもらいます。最終評価は、授業での発表だけでなく、自分たちの解釈?理解?考えを論じた小レポート(2本)及び、一つのテーマを選択して作成する最終レポートによって評価します。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
毎回配布する課題テキストを読了するとともに、講義中の質問及びリアクションペーパー作成の準備してくること。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
授業に対する積極的参加度(25%), 小レポート(25%), 期末レポート(50%) レポート評価はレポート提出者数に対して以下の比率での相対評価で行う。 AA(90点以上)5%, A(80~89点)10%, B (70~79点)25%, C(60~69点)25%, F(59点以下)35% |
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関連科目 /Related Subjects |
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備考 /Notes |
テキストは適宣プリントを配布する。 | ||||||||||
到達目標 /Learning Goal |
歴史と文化に関する学問分野について、副題に示したテーマをもとに、21世紀型市民としてふさわしい実践的な知識を習得し、今後の複雑な国内および国際情勢に対処していく方法について、論理的かつ創造的思考を持って対応できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | 総合ガイダンス | 授業の進め方及び課題テキストの概要について説明を行う。 | |
2 | 文化とは何か? | 何が文化を創り出しているかについて考える。特に規範の持つ権力について学習するとともに、「他者の合理性」という文化研究のキー概念を理解する。 | |
3 | 他者の合理性としての文化 | 自らの文化が構築する「常識」とは異なる現象や行動を、理解できないものと片付けるのではなく、その現象や行為の理由や動機を見つけ出す方法について学ぶ。 | |
4 | 食文化(冷麺の中の歴史) | 朝鮮半島で食される現代の冷麺をテーマとし、それらがなぜ今のような形で食されるようになっているのかを考える。 | |
5 | キャッシュレス文化 (政策と文化) | 日本とは異なり、韓国ではキャッシュレス決裁が文化といえる程に定着している。政策がいかに文化を構築するかを示す事例として韓国のキャッシュレス文化の進展について学ぶ。 | |
6 | 社会運動という文化(記憶と文化) | 韓国は日本と比較して社会運動が政治や社会問題の解決に大きな役割を果たす事が多い。なぜ、人々の社会運動に対する考え方が異なるのかを運動の記憶という側面から学ぶ。 | |
7 | 韓国の女性運動 | 韓国における女性運動の変遷を民主化運動を含む社会運動全体との関わりの中でどのように発展してきたのかを学ぶ。 | |
8 | 女性のいない民主主義 |
ジェンダーを巡る国家や社会の権力関係について考える。 | |
9 | 文学から見る韓国のジェンダー(社会の中の女性) |
『82年生まれキムジヨン』のモチーフとなっている女性達の生きた時代背景及び社会状況の違いについて学習する。 | |
10 | 文学から見る韓国のジェンダー(韓国のジェンダー規範) | 『82年生まれキムジヨン』で描かれている女性に対する社会認識や隠れた暴力と韓国の女性達がどのように闘ってきたのか、どのように文化を変えることができたのかを考える。 | |
11 | 軍隊文化(徴兵制) | 兵役を実際に経験する男性の経験だけでなく、徴兵というものが作り出す文化について考える。 | |
12 | 映像からみる兵役の経験と記憶 (軍事文化とジェンダー表象) | イ?チャンドン監督の『ペパーミントキャンディー』における軍事文化、ジェンダー、日常生活の表象を分析する。 | |
13 | 民主化運動と女性 | 『韓国の軍事文化とジェンダー』において論じられている一人の女性活動家の語りを通じて、ジェンダー問題の輻輳性について考える。 | |
14 | まとめ及びフィードバック | 授業で扱われたテーマを他者の合理性として再解釈し、文化研究の方法論について学習する。 |