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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2020/09/23 現在/As of 2020/09/23 |
開講科目名 /Course |
歴史と文化1(日本における世間学)/HISTORY AND CULTURE1(SOCIAL STUDIES IN JAPAN) |
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開講所属 /Course Offered by |
大学全カリ総合科目/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2020年度/2020 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
火1/Tue 1 |
開講区分 /semester offered |
秋学期/Fall |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
1,2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
林 英一 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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林 英一 | 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
「今日は何を着て学校へ行こうか、この恰好で変に思われないだろうか」と考えたことはないだろうか。日本人はとかく「主体」的にではなく、「まわりの目」によって行動が、良くも悪くも規制される傾向にある。我々が感じるその目が「世間」であり、日本独特のものと言われている。現代は、ネットの発達で人と人との繋がり方が旧来と大きく変わり、そのため世の中の仕組みも変化しているといえる。しかしそれでもなお「世間」が無くなることはない。なぜだろうか。本講座では、我々をとりまく「世間」の構造を捉え、「主体」である「私」を「世間」の中でどのように位置づけ、どのように生きるのかを考える礎になればと思っている。 | ||||||||||
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
oomによるパワーポイント中心のライブ形式の講義を予定している。参加(招待)URLは、PorTaⅡに授業前日にアップする。そのURLをクリックすれば参加できるようになっている。授業はクラウド上に当日を含め3日間、録画保存しておくので(URLは授業後PorTaⅡにアップする)、通信の不具合などで参加できなかった人は後に見ることができる。授業ではパワーポイント(プリント)に書かれた内容の説明をプリントに書き込むことで、理解を深めることを期待する。さらには出席票の裏にはその日の授業の質問やコメントを書いてもらい、翌週にレスポンスする。これがこの回の復習となるだけではなく、多角的な視点で「世間」という問題を考えることに繋がる。「世間」の構造は複雑であり、当初はかなり難しいと感じるだろうが、伏線は回を追うごとに回収されるので、きちんと理解を深めるならば、次第に「世間」の構図が見えてくる。また4回以上欠席した場合には単位を出さない場合がある。 | ||||||||||
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
配布したプリントを精読し、授業の準備と復習で理解を深めること。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
期末試験(100%)を行なわず、期末レポートでAA、A、B、Cの4段階の評価を行う。 | ||||||||||
関連科目 /Related Subjects |
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備考 /Notes |
テキスト:全回分のプリントを授業開始日前にポルタ上にアップするので、ダウンロードすること 参考文献:授業開始前にポルタ上にアップ。 |
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到達目標 /Learning Goal |
歴史と文化に関する学問分野について、副題に示したテーマをもとに、21世紀型市民にふさわしい概括的な知識を習得し、今後の複雑な国内および国際情勢に対処していく方法について、論理的かつ創造的思考を持って対応できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | ガイダンス | 「世間」とは何かという問題提起と、本講座の概説を行なう。また授業の進め方、期末レポートについて説明する。 | |
2 | 私と「ウチ」 | 日本では歴史的に「個」は「家」に埋没していた。このような「個」と外部との関係性から、「私」という「個」の主体がどこにあるのかについてみる。 | |
3 | 「ウチ」の可変性と同質性 | 「ウチ」という言葉が示す範囲の曖昧性と内向性から、「ウチ」というものがどのようなものであるかをみる。 | |
4 | 「ウチ」なる世界と「ソト」なる世界の関係 | 「ウチ」の内向的な性格は、中心と反対側に周縁化された世界を生じ、さらにその周りに「ソト」の世界を作り出す。それらの関係について説明する。 | |
5 | 「世間」とは何か | 社会心理学者の井上忠司、「世間学」を提唱した中世ドイツ研究者の阿部謹也が提示した「世間」を示し、さらに江戸時代の日記などから、「世間」の中の「ウチ」についてみる。 | |
6 | 日本における公共性の問題 | 日本における「公共」の意味と「個」の位置づけについて「世間」という視座から説明する。 | |
7 | 世間の排他性と無責任性 | 「ウチ」は中心から傾斜的であり、非同調的な物は周縁化され排除される。周縁化されないように見栄をはったり、中心によりそったりする。そこに準拠集団としての「世間」との関係をもとめる。 | |
8 | 「長幼の序」でなりたつ世間 | 儒学思想をもとにした「長幼の序」によって作り出された人間関係が「世間」の中では重要な意味を持つことについて説明する。 | |
9 | 祭祀組織構造を概念としての「世間」から読み解く | 「ウチ」と「ソト」、そして主体としての「ウチ」も含む「ソト」との関係性を祭祀組織から読み解く。 | |
10 | 「恥」の文化 | 日本を「恥」の文化としたのはアメリカの文化人類学者ベネディクトであるが、「恥」の構造とそれが「世間」の特質によって説明できることをみる。 | |
11 | 「社会」と「世間」 | 「社会」と「世間」には違いがあるが、「社会」も「世間」感覚によって維持されていることを説明する。 | |
12 | 「分」をわきまえる―戦前までの意識 | 戦前までに形成されたヒエラルキーを長幼の序の観念に基づき、「分」をどのようにわきまえていたのか具体的にみる。 | |
13 | 戦後における「分」の意識 | 戦後の民主主義の時代になりながらも、「お上」意識が残る、現在の「分」意識についてみる。 | |
14 | 現代の「世間」的世界 | メディアやSNSの発達により、「ウチ」と「ソト」の観念的領域が曖昧になり、それに伴い「世間」も薄くなるように思えるが、実は現代において「世間」は強まりをみせている。その背景について説明する。 |