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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2021/08/31 現在/As of 2021/08/31 |
開講科目名 /Course |
外国史概説Ⅰ(言語文化学科用)/INTRODUCTION TO FOREIGN HISTORY I |
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開講所属 /Course Offered by |
大学免許/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2021年度/2021 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
木3/Thu 3 |
開講区分 /semester offered |
秋学期/Fall |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
1,2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
兼田 信一郎 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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兼田 信一郎 | 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
この授業は、中等教育における世界史授業、特に中国前近代史の分野を扱う際に必要となる中国史に関する基礎的知識の修得を通じて、外国史を学ぶ意義、ひいては世界史認識の意義を理解し、さらに現代社会がかかえる諸問題を歴史的な視点から分析できる素養を身につけることを目的とする。なお、2022年度から導入される高校必修科目「歴史総合」や、選択必修科目「日本史探究」「世界史探究」のような課題探求型の歴史授業の教案作成にも対応できる能力の育成にも努める。また、近い将来GDP世界第一位になる可能性が高い中国と接する機会は、あらゆる分野でさらに増えていくと予想される。その際、この国の社会や歴史に関する基礎的知識を身につけておくことは今以上に重要性を帯びてくる。その点からも、この授業では教職以外で中国に関する基礎的知識を学びたいと考える学生の要望にも応えたい。 | ||||||||||
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
授業形態は遠隔授業の形態をとり、毎回①音声資料と、②授業内容を文章化した資料を配信して進める。 ①の音声資料は、各回の②の資料に対する質問への回答?レポートへのコメントを中心とする(30~40分程度)。②の資料はその回の講義内容を文章化したもので、授業内容をすべて口語文化してある。授業時限に合わせて配信するこの2種類の資料を中心に学修を進めてもらうが、中心となるのは②の資料であり、この精読が学修の中心となる。音声資料も文章化した資料もmanabaで配信する。 ②の講義内容資料の末尾に毎回課題を掲載する。毎回の課題内容に沿って小レポート(1200字程度)、または課題問題に対する解答を提出する。小レポートは毎回の②の配信資料の内容に関わるもので、配信資料を精読しまとめる形態である(第1回、第2回の課題のみ例外)。 文章化した配信資料への質問はmanabaの掲示板に投稿してもらい、回答?コメントは次回の①の音声資料で配信する。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
事前には過去の②の配信資料を読み直し、事後には新たな配信資料を精読し、内容を理解した上でレポートを作成する。レポートを作成することが講義内容を復習する事になり、授業内容の学修となる。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
小レポート(80%)は配信資料の内容に準拠して、①要点を的確にまとめているか、②全体の流れを把握できているか、という観点からAA/A/B/Cと4段階で評価する。さらに、各回の授業内容に対する「問い」の内容も評価に加える(20%)。 |
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関連科目 /Related Subjects |
清朝末期から21世紀に至る中国近現代史の科目を履修することが望ましい。 | ||||||||||
備考 /Notes |
テキスト:毎回配信する授業内容を文章化した資料 参考文献:岸本美緒『中国の歴史』(ちくま学芸文庫)筑摩書房、2015年9月 |
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到達目標 /Learning Goal |
中等教育諸学校において、社会および歴史の授業を行う際に必要とされる東洋史?中国史の通史的展開、外国史の学習を通じた世界史教育の意義、異文化理解の複雑性などについて、主体的に解説できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | オリエンテーション | 講義概要、および日本における中国認識の変遷の紹介と中国についてのアンケートを実施する。 | |
2 | 現代中国概況(地誌?現代中国社会の諸問題) | 現代中国の地理的概況と,地誌、経済状況など概観し、さらに、現代中国の抱える社会問題?食糧問題などを考える | |
3 | 中華文明の形成(新石器時代~殷周時代) | 中国文明の発生からその展開としての初期王朝の出現とその特質を概観する。 | |
4 | 最初の社会変動と小農民の登場(春秋戦国時代) | 初期王朝の崩壊による分裂時代の中で進行した社会の変化を資料を通じて垣間見る。 | |
5 | 皇帝支配の成立?周辺諸族との関係(秦漢時代1) | 初めて中国を領土的に統一した秦漢帝国が実現した「皇帝支配」の特質を考える。また漢帝国の勢力圏の拡大を概観し、この時代の周辺諸民族との関係の特質を考察する。 | |
6 | 皇帝支配と郷里社会(秦漢時代2) | 皇帝支配という専制主義がどのような社会的基盤の上に成立したのかを考える。 | |
7 | 中国の分裂と周辺諸族の進出(魏晋南北朝時代) | 漢帝国が崩壊し、新たな社会変動が起こる中での基層社会の変質と国家の実施した新政策の特質を論じ、さらに、多民族化の起点となる周辺諸民族の侵攻と江南における漢民族政権の成立を機に江南社会の変化を論じる。 | |
8 | 中国社会の再統一と東アジア世界の展開(隋時代) | 長期にわたる分裂を克服し再び統一を実現した隋の意義と周辺諸民族に与えた影響を概観する。 | |
9 | 唐帝国の盛衰と周辺諸民族(1)ー律令制支配のt特質ー |
隋に代った唐帝国の「国際性」とそれを支えた「律令制的支配」の特質を考える。 | |
10 | 唐帝国の盛衰と周辺諸民族(2)ー律令制の崩壊と社会の変質ー | 「律令制的支配」の変質崩壊と8世紀後半以降の社会変質を中心に唐衰亡を概観する。 | |
11 | 宋代以降の中国社会(宋~元) | 「唐宋変革期」を経て大きく変貌した宋代以降の特徴と周辺諸民族の新動向を概観する。 | |
12 | 明?清帝国と東アジア世界 | 再び中国を統一した漢人政権の明と最後の専制王朝である清に見られる特徴を通じて伝統中国社会の特質を考える。 | |
13 | 歴史研究と歴史教育のあいだー「歴史的思考力を養う」とは?- | 新たに高校歴史の必修科目となる「歴史総合」が導入された背景とこの科目で育成を求められる「歴史的思考力」とは何かを通じて今後の歴史教育のあり方について考える。 | |
14 | まとめー中国前近代史から見る中国社会の特質ー | 13回のまとめを行い、改めて中国社会の特質を考える。 |