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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2021/09/15 現在/As of 2021/09/15 |
開講科目名 /Course |
現代社会1(社会科学概論1)/MODERN SOCIETY1(INTRODUCTION TO SOCIAL SCIENCE 1) |
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開講所属 /Course Offered by |
大学全カリ総合科目/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2021年度/2021 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
月4/Mon 4 |
開講区分 /semester offered |
春学期/Spring |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
1,2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
嶋津 格 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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嶋津 格 | 総合政策学科/POLICY STUDIES |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
この授業で学生諸君が身につけるはずのことは、これから政治?法?経済?社会に関する様々な問題(社会科学が扱う対象)にぶつかりながら成長してゆくための暫定的な(思想的)「海図」に当たるものを身につけることである。この海図はどこまでいっても不完全なものだし、様々な経験と学習によって今後どんどん修正されてゆくものだが、色々な学習と経験によって修正される元になる出発点での海図に当たるものは、やはり不可欠である。私の場合、これは同時に私の思想遍歴を語る、という側面ももっている。なお、ここで身につけるはずのものの中には、一見魅力的に見えるが単純に信じてしまうと実際には致命的であるかもしれない、様々な「イデオロギー」に対する耐性も含まれる。正しいように見える革命思想、世直し、単純な市場信仰、民主主義万能論、歴史発展法則主義、過激平等主義(≒identity politics)???これらは、この「海図」が示す、避けるべき暗礁、その他危険地帯である。多くの思想は、それらがなければ人類が経験せずに済んだ大規模な悲劇を、人間世界にもたらす原因にもなったからである。この目的のため、革命理論、自由主義、保守主義などを代表する何人かの思想家たちの考え方の概略を学生諸君が理解できるように、授業を進めるつもりである。個々の思想の概略で満足できない諸君は、具体的思想の本体に挑戦してみてほしい。 | ||||||||||
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
コロナ対策の意味もあって、授業は教室での対面講義の形式で行うが、授業に出ない学生諸君も授業を聴くことができるように、授業時に録音をしてmanaba上に音声ファイルをアップする。当面のルールとして、学籍番号が奇数の学生は奇数回に、偶数の学生は偶数回に出席することにしてほしい。新型コロナが収束するなど状況が変われば出席のルールも変更する。それについては、manabaを通して連絡するので、注意していてほしい。また、manabaの「個別指導」を利用すると、学生と教員のプライベートな対話が可能になる。2020年度も多くの学生がこのルートを通して様々な質問やコメントをくれたし、私はそのほとんどに対して回答した。そしてその応答を、個人情報を削除して、manabaの掲示板にアップして、他の学生にも読めるようにした。今年の授業についても、同じ試みをしたい 。 | ||||||||||
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
この授業ではテキストとなる1冊の本を指定していないので、簡単な事前の予習は難しいかもしれない。もちろん、各思想家の著書などは読書リストとして事前に挙げるので、熱心な学生はそれに目を通すとよい。また事後には、授業を聴いて考えたことを、質問やコメントとして上記の「個別指導」に書いてみよう。また掲示板にアップする、他の学生がした質問などとそれに対する嶋津の回答を読むことも、参考になると思う。質問が授業の内容から外れてもかまわないので、ラジオのリスナーからの葉書、みたいなノリの質問も、くれるとうれしいです。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
2019年度までの試験は、ケルゼン、マルクス、ポパー、ハイエク、ロールズなどが書いた文章(和訳文)と、それら思想家について書かれた文章を並べて、それらを書いた人は誰か、それらは誰の思想を解説した文章か、を選択式で選ぶ方式をとっていた(択一式試験、100%)。2021年度もできればこの方式に戻したいと考えている。しかし、COVID-19対応で一斉試験が難しい場合には、2020年度と同じように、期末レポート(100%)にする可能性もある。manabaでの連絡に注意してほしい。もちろん、意欲のある学生は授業で扱う思想家が書いた元の本を読むのがよい。しかしそれができなくとも、よく私の授業を聴いていれば、大体誰の文章かがわかるように話しているつもりである。それぞれの思想家は、論じているテーマと内容が相互にまったく異なるから、ポイントをつかんでしまえば、誰の文章か、誰について書かれている文章か、を間違えることはほとんどなくなると思う。まあ、キーワード集もmanabaにあげるので、それを利用して、択一式試験で高い点を取る学生も毎年いるようである。この種の記憶力は私にはないので、感心させられるところではある。 | ||||||||||
関連科目 /Related Subjects |
法思想史、法哲学、法社会学 | ||||||||||
備考 /Notes |
参考文献リストなどは、manabaに挙げるので、注意して見るようにしてほしい。 | ||||||||||
到達目標 /Learning Goal |
現代社会に関する学問分野について、副題に示したテーマをもとに、21世紀型市民にふさわしい概括的な知識を習得し、今後の複雑な国内および国際情勢に対処していく方法について、論理的かつ創造的思考を持って対応できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | ケルゼン1(法実証主義) | 法とは人間が意志によって作るものでそれに尽きる、とする法理論について。 | 以下、事前?事後学習で読むべき文献については、その都度manabaにアップする。 |
2 | ケルゼン2(民主主義論) | 価値相対主義と結びつけられる民主主義論。 | |
3 | マルクス1(歴史哲学) | ヘーゲルを「逆立ち」させ、唯物論の立場に立つ歴史哲学。 | |
4 | マルクス2(搾取論) | 労働価値説に基づいて論証される資本家の搾取。経済学的必然としての階級革命。 | |
5 | ポパー1(科学哲学) | 科学的法則の証明不可能性。反証の試みとそれを生き残った仮説の集まりとしての科学。 | |
6 | ポパー2(開かれた社会論) | プラトン、ヘーゲル、マルクスを「知」の幻想に基づく全体主義として批判する自由社会論。 | |
7 | ハイエク(ウィーン学派の経済学) | 近代経済学の源泉の一つであるウィーン学派。主観的価値論。発見過程としての競争論。 | |
8 | ハイエク(理性の傲慢を批判する思想史) | 人間理性への過信として説明される近代合理主義。擁護される進化論的理解。 | |
9 | ハイエク(隷従への道理論と自由の擁護) | 当時物議をかもし多くの経済学者を敵に回したが、今も古びない社会主義批判。 | |
10 | マクロ経済学的発想(ケインズ、スティグリッツなど)について | 個人の活動だけでは解決できない不況の場合に国家の経済政策が必要だとする反ハイエクの立場について | |
11 | ロールズ(『正義論』と後期ロールズ) | 思想の世界を大きく変えた『正義論』とその前提。後期には現代の価値的分裂を扱う。 | |
12 | クカタス(自由の群島) | ロールズを先に進めて価値的に相容れない人々が共存するための醒めた国家?社会を論じる。 | |
13 | オークショット(イギリス保守主義) | 理論に対する不信と伝統への信頼を述べる英国保守主義の代表。ここでは「合理主義」は否定的言葉。 | |
14 | ファインバーグ(古き米国のリベラリズム) | 現在の米国リベラリズムが平等に執着するのに対して個人の尊厳を中心にした米国における古典的な自由主義の理論。 |