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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2022/08/26 現在/As of 2022/08/26 |
開講科目名 /Course |
国際NPO論a/INTERNATIONAL NPO(A) |
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開講所属 /Course Offered by |
経済学部国際環境経済学科/ECONOMICS ECONOMICS ON SUSTAINABILITY |
ターム?学期 /Term?Semester |
2022年度/2022 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
金5/Fri 5 |
開講区分 /semester offered |
春学期/Spring |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
長瀬 理英 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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長瀬 理英 | 国際環境経済学科/ECONOMICS ON SUSTAINABILITY |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
学科専門科目として、持続可能な発展のための国際社会システムの構築を探り、国際的な政治社会?経済社会?市民社会の相互依存関係において問題を捉える能力を身につける。特に、国際的なNPO(Non-Profit Organization:非営利組織) )またはNGO(Non-Governmental Organization:非政府組織)について、その主な活動形態―①要支援者への直接支援と②政府の政策や企業の方針への働きかけ(アドボカシー)―から見ていく。 具体的な事例は主に、①人道支援(自然災害および紛争)、②開発協力および③ソーシャルビジネスの分野からとりあげる。 各分野のNPO活動に関するドキュメンタリーなどの映像を見ることで現場の実相に近づき、当事者にとってどのような効果や影響が生じているかについて理解できる。 国際NPOが果たしている意義?役割およびその変化について、具体的な文脈から理解するとともに、「Non/非」の視点から批判的に検討していく。NPOが抱えるディレンマについて、自分がNPOメンバーであればどうするか考えることを通じて複眼的な見方が身につく。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
対面形式を基本とするが、オンライン形式およびオンデマンド形式を含めた3選択肢の中から各自の事情に合わせて選択できる。講義形式により、実際に現場で起きている事実を紹介するとともに、その事実を評価するためにいくつかの原則/原理および理論を紹介する。いくつかある(べき)選択肢のうち、どれが正しい解答というものはない。受講生ひとりひとりが、映像を含めた教材を踏まえて自分の頭で考え、自分だったらどうするか、それはなぜかについて明確に、論理的に考えることを促す。可能な範囲で、Zoomの投票機能を通じて設問する。 グループ討論により、毎回の授業で出される課題について意見交換する。 各受講生はグループ討論を踏まえ、manabaのレポート機能を通じて自分なりの回答を提出する。講師は同レポート機能を通じて各回答にフィードバック(コメント)するとともに、次回授業内で全体的なコメントを行う。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
上記「授業の形式?方法」に沿って、討論に参加できるよう予習しておくこと(約1時間)。復習をしながら毎回の授業課題に回答する(約2時間)。復習や課題への取り組みを通じて理解できないことがあれば、質問できるようにしておくこと(約1時間)。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
平常点:60%(毎回授業の課題への回答)、期末レポート:40%(授業で扱った課題の延長として複数の課題からひとつを選んで回答) 評価基準は主として、①設問に対する応答が適切かどうか、②適切な形式が採用され、論理的ならびに説得力のある文章が展開されているかどうか、③批判的な考察を含め、十分に思考?判断がなされているかが中心となる。 |
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関連科目 /Related Subjects |
国際NPO論b | ||||||||||
備考 /Notes |
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到達目標 /Learning Goal |
国際NPO(非営利組織)に関する専門知識を習得し、国際的なNPOの事業や活動等について分析のうえ、見解を提示できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | イントロダクション/オリエンテーション | 目的と概要の説明。NPOとは何か。政府、営利企業との比較。 | 「非/Non」の積極的な意味、意義を中心に復習のこと。課題に回答すること。 |
2 | 国際NPOとは何か | 国際的に活動するNPOの存在意義。国際機関、多国籍企業との比較。事例紹介::核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN) | ノーベル平和賞を受賞したICANが数人の若者によって運営されていることを中心に振り返ること。課題回答。 |
3 | 人道支援の実際(1):自然災害とNPO | ハイチ大地震(2010年)からみる外部支援の実際と災害の原因。国際NPOの活動とその課題/ディレンマ | ハイチ大地震の概要を事前に知っておくこと。国際NPO中心の支援になぜ問題が生じるか理解すること。課題回答。 |
4 | 人道支援の実際(2):紛争とNPO | ルワンダ虐殺(1994年)からみる外部支援の実際と紛争の原因。国内外のNPOが果たした役割と課題/ディレンマ。 | ルワンダ虐殺の概要について事前に調べること。人道支援のディレンマがなぜ生じたのか、それは要支援者にとってどのような状況をもたらしたかについて理解すること。課題回答。 |
5 | 人道支援の実際(3):各アクターの取り組み比較と効果?影響 | 人道支援で直面したディレンマについて主に「人道支援原則」ならびに「トロッコ問題」から分析。 | 「人道支援原則」、「トロッコ問題」についてそれぞれ理解したうえで、ディレンマ状況にあてはめ、自分がNPOの一員であればどちらの選択肢をとるか長所?短所を比較しながら考えること。課題回答。 |
6 | 人道支援の実際(4):国際NPOの取り組みに関する評価 | 人道支援のディレンマを克服する活動を行っている国際NPOの紹介。 | 事例で挙げる国際NPOがディレンマをどのように克服しているのか理解すること。課題回答。 |
7 | 開発協力の実際(1):大メコン圏地域経済協力プログラムと流域住民の暮らし | 大メコン圏地域経済協力とは何か。様々なステークホルダー(利害関係者)、特にカンボジア?トンレサップ湖周辺の地域住民に焦点を当てる。 | 大メコン圏経済協力とは何か、日本政府?企業を含む外部のアクターとメコン川流域に暮らす地域住民の状況について理解すること。課題回答。 |
8 | 開発協力の実際(2):各アクター/ステークホルダーの現況と課題 | トンレサップ湖周辺の様々なステークホルダーの現状と問題点。近くを通る南部経済回廊の目的と期待される効果?影響。 | トンレサップ湖周辺住民の生業と現在の課題、南部経済回廊の目的と効果?影響について理解すること。課題回答。 |
9 | 開発協力の実際(3):取り組み比較と効果?影響 | 南部経済回廊が各ステークホルダーに及ぼす影響について予測してみる。 | 前2回の授業内容を踏まえ、南部経済回廊がトンレサップ湖周辺の住民に及ぼす効果?影響について論理力?想像力を働かせて予測してみる。課題回答。 |
10 | 開発協力の実際(4):国際NGO/NPOの取り組み | 国際NPOが果たす役割と存在意義。トンレサップ湖零細漁民に対する支援と限界 | トンレサップ湖の零細漁民への直接的支援およびアドボカシーがなぜ必要か、どこに限界があるのか、それはなぜかについて理解すること。課題回答。 |
11 | ソーシャルビジネスの実際(1):フェアトレードの意義 | エチオピアにおけるコーヒーのフェアトレードを事例からみた、その目的と意義、効果。 | 自分で購入できるフェアトレード?コーヒーについて大別して2種類あり、自分だったらどちらを買うか考えること。課題回答。 |
12 | ソーシャルビジネスの実際(2):フェアトレードの仕組みとディレンマ | フェアトレードの仕組み。伝統的な相互関係と市場化を通じた企業化の比較、ディレンマ。 | 伝統的なフェアトレードと最近の市場志向的フェアトレードの歴史とそれぞれの長所?短所を比較すること。課題回答。 |
13 | ソーシャルビジネスの実際(3):マイクロファイナンスの意義と課題 | バングラデシュのグラミン銀行の事例からみたマイクロファイナンスの目的、効果、ディレンマ。 | マイクロファイナンスの目的、意義、効果および課題について理解すること。課題回答。 |
14 | ソーシャルビジネスの実際(4):NPOの意義と役割 | NPOがディレンマの克服に果たす役割。米国におけるコーヒーフェアトレードの現況。国際NPOのBRACの事例。 | フェアトレードおよびマイクロファイナンスのディレンマについて理解し、自分が国際NPOの一員であればどのような選択をするか考えてみること。課題回答。 |