シラバス参照/View Syllabus |
科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2022/08/26 現在/As of 2022/08/26 |
開講科目名 /Course |
日本経済論b/JAPANESE ECONOMY b |
---|---|
開講所属 /Course Offered by |
法学部国際関係法学科/LAW INTERNATIONAL LEGAL STUDIES |
ターム?学期 /Term?Semester |
2022年度/2022 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
金3/Fri 3 |
開講区分 /semester offered |
秋学期/Fall |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
梅溪 健児 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
---|---|
梅溪 健児 | 経済学科/ECONOMICS |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
本講義は、経済学部の学位授与方針(DP)が示す「現実社会に発生する多種多様な諸問題を広く経済学の視点から分析し、経済学、経営学?情報または環境学の専門知識を修得して問題解決を図ることを通じて自己を発展させ、社会に貢献する能力」の養成を目指すものである。 そのため、現代の日本経済が直面している経済構造の変化とそれへの対応を具体的な分野ごとに切り分けながら、企業と公共部門の視点に立って解明していく。具体的には、輸出主導の成長段階から現在の債権国へ至る対外取引の動き、急速な円高の下で進展したグローバル化、バブル崩壊後の長期停滞と財政赤字の拡大、高齢者対策から全世代型への転換を目指す社会保障を取り上げる。これらに関して、データを的確に読み解き、制度と政策が経済社会に与える因果関係のメカニズムを明らかにし、日本経済が持続的に成長していくために過去の経験から学ぶべきことについて受講生がそれぞれの見解を構築できるようになることを目的とする。 カリキュラムにおいて本講義は学科専門科目における入門的な位置づけであることから、受講生が経済政策、金融、財政、社会保障、労働、産業、都市、国際経済などの学修を今後深めていくための基礎的素養が磨かれるように講義内容を工夫していく。 |
||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
対面授業を基本とするが、コロナ禍の状況に応じて、オンライン講義も活用する。 講義は、教科書の該当部分に加え、問題の所在とこれまでの推移を示すデータ図表、問題の背景を形作る制度と政策の枠組み、経済学者の基本的見解、可能なものについては英語資料を取りまとめた教材に基づいて進める。講義中は受講生の発言を積極的に求める。また、関係する評論や政府の報告書は必要に応じて紹介する。日常的に報道される経済ニュースには関心を持っていただきたい。 質問に対する回答、小テストの解説は授業中に行うことを基本とするが、内容に応じてmanabaに掲載する。 |
||||||||||
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
事前学修としては、教科書の該当部分と事前に配布する講義資料の予習が必要である。とくに図表が正しく理解できているかは、講義中に説明を求める。また、講義で用いる専門用語は事前に調べておくことが必須である。(2時間) 事後学修としては、manabaに配布した講義資料と教科書を対応させながら復習し、両者の関係を理解する。また、過去との比較を行いながら、変化の量的な大きさを認識しておくことが本講義の理解を深めることから、講義で示したデータ出所からダウンロードし生データを加工して実践力を磨くことが求められる。英語の資料を配布している場合には、読解し英文の表現を理解することが重要である。(2時間) |
||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
|
||||||||||
テキスト2 /Textbooks2 |
|
||||||||||
テキスト3 /Textbooks3 |
|
||||||||||
参考文献等1 /References1 |
|
||||||||||
参考文献等2 /References2 |
|
||||||||||
参考文献等3 /References3 |
|
||||||||||
評価方法 /Evaluation |
期末試験(60%):日本経済の成長と停滞にかかわる経済理論と経済構造の変化について、選択式の問題を中心としながら、あわせて記述式の問題も補完的に出題する。すべての講義を通して全体的なストーリーが正確に理解できているかを確認することが出題のポイントとなる。 小テスト(40%):講義を3等分し節目に2回実施する(20%×2)。テスト実施回までの講義内容が復習できているかを確認するために、選択式の問題を出題する。テスト後の講義において、解答を解説する。 コロナ禍の状況により試験の実施が困難な場合は、評価方法を変更する。 |
||||||||||
関連科目 /Related Subjects |
経済政策論b、金融システム論b、地方財政論b、日本経済史b | ||||||||||
備考 /Notes |
|||||||||||
到達目標 /Learning Goal |
日本経済論の基本、日本経済論の各項目を正確に解釈し、個別の事象について見解を示すことができるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
---|---|---|---|
1 | 戦後の経済成長と産業構造の転換(総論) | 日本経済は、高度経済成長の中で重厚長大型の産業構造を構築したが、グローバル化の進展に合わせて軽薄短小化、そして知識集約化を目指した。経済成長と産業構造の長期的な転換を学ぶ。(教科書第5章、以下同じ) | |
2 | 国際収支の発展段階 | 国際収支は初期の貿易赤字からやがて大きな貿易黒字を計上した。貿易摩擦が高まる中で海外投資が増加を続け、今では債権国となり所得収支の大幅な黒字が定着した。こうした変化を経済学に即して理解する。(第7章) | |
3 | 円高と日本経済 | 戦後1ドル360円だった為替レートは1985年のプラザ合意を経て1ドル100円を割り込む円高を経験した。円高が日本経済に与えた影響、購買力平価の意味などを理論と現実を踏まえながら学ぶ。(第8章) | |
4 | 日本経済のグローバル化 | 円高の定着に伴い海外直接投資が増大し、現地生産が広がった。そして世界的なサプライチェーンの下で分業体制が築かれた。他方、貿易と投資の自由化を目指す経済連携の取組みも活発化したことを学ぶ。(第9章) | |
5 | これからの日本企業経営 | かつては長期継続的な取引とメイン?バンク制が経営に貢献した。現在は株式市場を重視した企業統治、ステークホルダー、技術革新を担うベンチャー?キャピタルが重要であることを学ぶ。(第5章) | |
6 | バブルと金融政策 | 80年代半ばから進行した円高への対応と内需拡大の取組みの中でバブルが発生し、資産価格が高騰した。バブル発生と崩壊のメカニズムとバブルに伴う資源配分の歪みについて学ぶ。(第11章) | |
7 | デフレと金融政策 | 主要国の中で唯一日本だけがデフレを経験し、デフレ脱却を目指す金融政策運営は日本が最先端を行くことになった。非伝統的と呼ばれる金融政策が多くの施策を繰り出して今日に至っていることを学ぶ。(第11章) | |
8 | 景気循環の特徴 | 輸出主導や内需主導などの要因で景気回復は進み、景気はやがて後退局面を迎えるという循環をたどる。長い循環があれば短い循環もあり、戦後日本の景気循環を踏まえて実施されてきた政策運営を学ぶ。(第3章) | |
9 | 財政出動の経済効果 | 景気後退リスクに対処するために景気刺激策が発動される。公共事業の追加という直接的な内需刺激が行われると同時に、回復の道筋を示す成長戦略が実行される。財政出動が果たす役割を学ぶ。(第10章) | |
10 | 財政健全化の展望 | バブル崩壊後の経済停滞に加え高齢化に伴う社会保障費の増大により財政は構造的に大幅な赤字に陥った。財政健全化に向けた取組みや議論、消費税率引上げなどの政策課題を学ぶ。(第10章) | |
11 | 全世代型を目指す社会保障 | 社会保障は自助?共助?公助のバランスをとりながら中福祉中負担の原則の下で拡充されてきた。現在は人口減少、働き手やライフステージの多様化を踏まえて全世代型社会保障が重要であることを学ぶ。(第13章) | |
12 | 持続可能な社会保障 | 社会保障は負担と給付のバランスがとれることによって国民生活の持続的な保障が可能となる。具体的には担い手、保険料率、公費負担割合、給付対象、給付水準などの制度設計が重要になることを学ぶ。(第10章) | |
13 | 経済政策と経済成長 | 政策運営については、官から民へ、改革なくして成長なし、コンクリートから人へ、働き方改革、分配と成長の好循環などのメッセージが掲げられてきた。それらについて特徴と役割を理解する。(第10章) | |
14 | 企業と公共部門の新しい課題(まとめ) | 日本経済の持続的な成長のために求められることとして、ESG(環境?社会?企業統治)投資、多様性のある経済社会への取組み、経済の長期ビジョンに基づく合意形成について学ぶ。 |