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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2022/03/28 現在/As of 2022/03/28 |
開講科目名 /Course |
ドイツ文学研究/STUDIES IN GERMAN LITERATURE |
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開講所属 /Course Offered by |
大学院/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2022年度/2022 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
月4/Mon 4 |
開講区分 /semester offered |
通年/Yearlong |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
工藤 達也 |
科目区分 /Course Group |
大学院科目 専攻科目 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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工藤 達也 | ドイツ語学科/GERMAN |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
ヴァルター?ベンヤミンの文芸批評は近現代文学を包括する視点を前提としている。17世紀バロック演劇、18世紀ロマン派、そして高度資本主義社会のモデルネ、ついには彼にとっての同時代であった20世紀アヴァンギャルドに至るまで、ベンヤミンはドイツ語圏に限定されることなく空間的にも、勿論歴史的にも、壮大な文学史の見取り図を彼の批評活動に足跡として遺した。 この文学研究では、批評の対象である作家のテクストにできる限り原文で触れつつ、ベンヤミンの批評文と併せて、読んでいくつもりである。 文学的というよりも、もっと堅苦しい哲学的?思想的なことも、ベンヤミンについて語る以上はせざるえないので、了解されたい。 この講義を通して語学?文学?文化?外国語教育分野における研究能力を高め、また高度な言語運用能力と国際感覚を養うこととする(CP)。また深遠な思想的原典テクストを理解を通し、多様な異文化の理解するための寛容的態度を形成し、国際標準に足る人格形成を目指す(DP)。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
原典講読形式の対面授業を行う。ドイツ語原文を日本語に訳し、テクストの理解度を教員が吟味し、またテクストのコンテクストを支える背景について説明しその都度参考資料は指示する。内容理解のために口頭で意見を聞くなどの対話形式を採用する。また質問があればManabaなどで受け付け、回答する。 コロナ状況下で出席が困難な場合はオンデマンドでその日の授業の録画を提供するなどして工夫する。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
ドイツ語原文テクストを意味内容をあらかじめ予習検討し発表、それを授業中教員が評価し間違いがあれば訂正する。授業後に学生は自習で再検討し質問があれば次回の授業で行う。事前準備としてはテクスト訳出だけでも2時間くらいは最低準備としてかかる。事後についてはレポートを課して成果を測る。その際、テクストの引用の正確さのみならず、専門的研究レベルの高度なリタラシーとして修士論文という成果に至るまでの準備として、論理性と根拠の明示も基準とする。文章力と読解力は切り離して評価できないが、それぞれ50%を基準として均等し平常点と評価する。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
上記にある通り、授業時に発表をしてもらい、それを平常点として評価。また年度の終わりには論文形式のレポートを書いてもらい、期末点として評価(60%)。平常点(40%)と期末点を総合的に考慮して成績をつける。 | ||||||||||
備考 /Notes |
テキスト?参考文献:Walter Benjamin: Gesammelte Schriften, Suhrkamp, 1974 (Ed. Tiedemann u. a..) ベンヤミンのテクストはコピーを配布する。 翻訳も参照されたい。例:浅井他:『ベンヤミン?コレクション』(ちくま)など。」 |
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関連科目 /Related Subjects |
ドイツ文学演習 | ||||||||||
到達目標 /Learning Goal |
ドイツ文学関連の文献を理解し、批評できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | 『ゲーテの親和力』(1)ーゲーテと神話 | テクスト講読と検討:ゲーテ研究の今日的状況 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
2 | 『ゲーテの親和力』(2)ーゲーテの老境 | テクスト講読と検討:ゲーテの後期と晩年 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
3 | 『ゲーテの親和力』(3)ー文学における「救済」 | テクスト講読と検討:文学における神話的なものとベンヤミンによる批判 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
4 | 初期ロマン派(1)ー近代文学と批評 | テクスト講読と検討:芸術批評の歴史概略 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
5 | 初期ロマン派(2)ー内省と文学 | テクスト講読と検討:ロマン派における反省概念について解説 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
6 | 初期ロマン派(3)ー近代文学と神秘主義 | テクスト講読と検討:ベンヤミンとメシアニズムの説明 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
7 | バロック(1)ー世俗化と権力 | テクスト講読と検討:バロック芸術と世俗化の問題 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
8 | バロック(2)ー星座としての歴史 | テクスト講読と検討:ベンヤミン『認識批判的序論』の解題 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
9 | 古代悲劇と近代悲劇(1)ー古代と近代 | テクスト講読と検討:ギリシャ悲劇受容の問題点と「哀悼劇」の概念 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
10 | 古代悲劇と近代悲劇(2)ー近代悲劇の概念 | テクスト講読と検討:ギリシャ悲劇受容の問題点と「哀悼劇」の概念の補説 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
11 | シンボルとアレゴリー(1)ーイメージとテクスト | テクスト講読と検討:象徴概念における美と総体性と無限の問題 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
12 | シンボルとアレゴリー(2)ー総体と断片 | テクスト講読と検討:寓意とテクストの連関 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
13 | プルーストとシュルレアリスム(1)ーアヴァンギャルドとベンヤミン | テクスト講読と検討:ベンヤミンと前衛の関わりについて | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
14 | プルーストとシュルレアリスム(2)ーロマニストとしてのベンヤミン | テクスト講読と検討:ベンヤミンの翻訳概念について補説 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
15 | ボードレールと『パッサージュ論』(1)ー群衆と詩人 | テクスト講読と検討:群衆と都市の匿名性に関する社会学的考察 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
16 | ボードレールと『パッサージュ論』(2)ー資本主義と夢 | テクスト講読と検討:消費社会の原型のパリ19世紀 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
17 | ボードレールと『パッサージュ論』(3)ーブランキとボードレール | テクスト講読と検討:革命とブルジョア社会の「廃墟」について | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
18 | カフカ(1)-ショーレムとベンヤミン | テクスト講読と検討:ベンヤミンのユダヤ神秘主義への接近とカフカ解釈 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
19 | カフカ(2)ーカフカと母権的なもの | テクスト講読と検討:ベンヤミンのバッハオーフェン論とカフカ論の比較 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
20 | カフカ(3)-テクストと身ぶり | テクスト講読と検討:テクストの展開と身振りによる意味の逸脱と「脱構築」 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
21 | ブレヒト(1)ー叙事的演劇 | テクスト講読と検討:ベンヤミン『叙事的演劇とは何か]』読解 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
22 | ブレヒト(2)ー叙事的演劇の批評性 | テクスト講読と検討:ベンヤミン『叙事的演劇とは何か]』読解と補説 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
23 | ブレヒト(3)ー製作者と作家 | テクスト講読と検討:叙事的演劇の意義と「作家」に関するベンヤミンの見解 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
24 | 複製芸術と文学(1)ー技術と芸術 | テクスト講読と検討:「アウラの崩壊」について『複製技術時代における芸術作品』読解 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
25 | 複製芸術と文学(2)ーベンヤミンの映画論 | テクスト講読と検討:芸術の触覚的受容者としての「集団」概念 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
26 | 物語論(1)ー口承文学の危機 | テクスト講読と検討:口承文学と文字の文学の対比(ベンヤミン以外の論考を参考に) | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
27 | 物語論(2)ー「経験」と現代 | テクスト講読と検討:ジャーナリズムに対するベンヤミンの見解 | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |
28 | 物語論(3)ー「媒質』としての言語と文学 | テクスト講読と検討:ベンヤミンの言語哲学から物語を考察する | 最低2時間程度の文献読解の予習。次回までに今回の復習としてのプロトコル。 |