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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2022/03/28 現在/As of 2022/03/28 |
開講科目名 /Course |
ドイツ語教育演習/SEMINAR IN GERMAN EDUCATION |
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開講所属 /Course Offered by |
大学院/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2022年度/2022 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
月4/Mon 4 |
開講区分 /semester offered |
通年/Yearlong |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
山路 朝彦 |
科目区分 /Course Group |
大学院科目 専攻科目 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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山路 朝彦 | ドイツ語学科/GERMAN |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
「授業におけるドイツ語テクストの読解 - 方法論的?教授法的考察 (Deutsche Texte im Unterricht – Methodisch-didaktische Überlegungen)」 この授業は、外国語学研究科博士前期課程のCPが示す「外国語教育分野における研究能力」を高めつつ、DPが示す「外国語教育分野における適切な問題設定を行いつつ必要な先行研究の成果やデータを収集?分析できる能力」を身につけることを目的とする。 外国語学習の四技能の内で、聞く?話すに対して読む?書くは非コミュニケーション的とされ、さらに書くは表出であるのに対して読むは受動的であると一般的に考えられている。しかし、書き手の意図、書かれた情報を理解していく読解プロセスは、優れて読み手が能動的にかかわる認知プロセスである。 この演習の受講者は、学習者の読解プロセス、学習者の効率的な読解を可能とする読解ストラテジーについて考察し、その認知メカニズムを理解するとともに、それらを学習者自身が活性化して、自ら駆使し、さらにより高いレベルに進んでいけるようサポートする授業を立案?設計できるようになることを目的とする。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
「事前?事後学修の内容」にあるように、「読み」をめぐる各事象について参考文献を読み進化させた自らの考えをプレゼンテーションする、また、学期の後半では、自ら作成した教案、分析表、課題等をプレゼンテーションし、受講者全員で相互に評価し合う。 学期の前半?後半ともに、プレゼンのレジュメはあらかじめ提出してもらい、不明な点についてコメントをつけて返却する。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
演習の授業であるので、「授業の内容」にあるように、前半の授業ではテーマとなる事象について自分なりの考察を行い、また事前にプリントで配布する参考文献を読み、理解を深めてくること(2時間)。 学期の後半では下に掲げる「テキスト1,2」の中のテクスト例をつかって自分なりの教案、分析表、課題等を作成してくること(同2時間)。 授業の後は、授業の中の相互の検討を踏まえて、教案等をより完成度の高いものとして整えること(2時間)。 |
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テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
授業中のプレゼンテーションで20%、他の参加者のプレゼンテーションへの理解度?改善提案30%、自らのプレゼンテーションへの振り返り、自己のプレゼンテーション内容の改善50%で評価する。 | ||||||||||
備考 /Notes |
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関連科目 /Related Subjects |
履修系統図でこの「ドイツ語教育演習」と並行して置かれている「ドイツ語教育研究」において、第二言語習得論の応用としての「第三言語習得」について学んでいる。そこでは当然「読み」のメカニズムについても取り扱っているので、同時またはこの演習の後に受講してもらいたい。 | ||||||||||
到達目標 /Learning Goal |
自分の研究に関連する文献を理解し、修士論文のテーマを決定して執筆できるようにする |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | 導入 | こちらで提示する授業の目的設定と方法を検討し、必要ならば「修正」する。 | |
2 | 講読授業の現状、講読授業のコンセプト | 現行の学部の「講読」授業のシラバスを集め、その授業の「方法と目的」を分類する。 | |
3 | インターアクションのためのテクスト講読、口頭でのコミュニケーション | 受動的な講読授業をインターアクションにつなぐ方法を考える。 講読を口頭でのコミュニケーションにつなぐ様々な教場での「問い」について相互に提案し合い、検討する。 |
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4 | 記述でのコミュニケーション | 講読授業を活性化させるために、講読内容を表出させるための「課題」(ホームワーク)を相互に提案し合い、検討する。 | |
5 | 読者 | 「学習者」はどのような「読者」としてテクストに向かい合っているのか、学習者の読書行為(目的、関心、読み方等)を分析する。 | |
6 | テクスト | 現行の学部の講読授業のシラバスを基に、扱われているテクストの種類(Textsorten) を分類し、それそれの種ごとの教授法を分析する。 |
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7 | 理解 | 事実伝達文(Sachtext)を例に、読者はどのように個々の文の理解と全体の文意の理解を関連させているか(hermeneutisches Verstehen、解釈学的理解)について考察する。 | |
8 | 読むこと | 「読む」と言う行為を行う時、認知学的にはどのようなメカニズムが働いているのか理解する。「類推」と「検証」のメカニズムに関する参考文献を配布する。 | |
9 | 読むストラテジー | テクストをより効率的に理解するための多様なストラテジーを理解する。参考文献を配布する。 | |
10 | テクストの特徴 | いく種類かのSachtextを分析し、その中で事実がどのように伝達されているか分析する。特に中心となる事実と詳細説明との配列、全体構成に注目して分析する。 | |
11 | 章立て | 章立てされたSachtextを分析し、その構成をチャート化するとともに、テクストの理解への有効性を確認する。また、各章に小見出しをつける課題を作成してみる。 | |
12 | テクスト分析 | 学習者にテクストを分析させる課題を作成できるようにする。 | |
13 | 分析の枠組み | 学習者にテクストを分析させる課題において、より的確かつ効率的に作業できるために与える枠組みを提案できるようにする。 | |
14 | 講読授業の組み立て | 1コマの講読授業の構成(授業計画)を相互に比較しながら、より良い授業計画を作成できるようにする。 | |
15 | 学習目的の明示 | 学習者が学習目的を明確に理解し、かつ関心を持つように提示することができるようにする。 | |
16 | 学習の前提の明示 | 学習者がすでに備えている知識を活性化させるとともに、テクスト内容に関する関連知識を講読の前に与える課題が作成できるようにする。 | |
17 | 学習内容の明示 | それぞれに授業の最初にどのようなテクストを使い、その内容ばかりではなくどのような理解の手法(ストラテジー)を学ぶのかを明示することができるようにする。 | |
18 | 進度の設計 | 一学期の授業を想定し、その間にどう言うテクストを配列するか、進度を考慮した授業計画を立てることができるようにする。 | |
19 | 授業の開始 | 学習者の関心を集め、作業にスムーズに入れるような課題の提示、目的の説明、作業過程の明確な指示等を的確に行えるような授業の導入部が組み立てられるようにする。 | |
20 | 集団の条件への配慮 | 学習者の年齢、学習目的、目標言語への習熟度、集団の親和度など、配慮すべき諸要素をリスト化して比較しあい、適切な配慮のあり方を理解できるようにする。 | |
21 | 教材作成 | 任意のテクストを選び、自ら教材を作成し、学習者間のインターアクションを喚起することができるようにする。 | |
22 | 教材分析?教材選択 | 複数のテクストの中から想定した学習者に適したテクストを選択するための分析方法を身に着け、選択できるようにする。 | |
23 | 練習問題の作成 | 学習者がテクストの内容をどの程度理解したかを測定するための問題が作成できるようにする。 | |
24 | 学習形態の編成 | 学習者に対して、事前の先行知識の付与?活性化、読み、学習者相互での確認などの学習形態の編成ができるようにする。 | |
25 | 理解度を高める練習 | 学習者が課題を通して自己の理解度を認識し、さらに読みを進化させていくように指導できるようにする。 | |
26 | 読書スタイルを発展させる練習、全体把握のための練習、類推による読解の練習 | 学習者が日常で様々なテクストに触れるとき、テクストの媒体(メディア)、周りの状況、テクストに付随している写真?キャプション、見出し等の周辺情報を活用できるための課題を開発できるようにする。 | |
27 | 多読のための練習 | 学習者が速読?多読できるようなテクストを選択し、提供するとともに読みへの関心を喚起できるようにする。 | |
28 | 精読のための練習 | 学習者が難解なテクスト、論理的把握が必要なテクストを精緻に読み込むことができるように補助することができるようにする。 |