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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2022/03/28 現在/As of 2022/03/28 |
開講科目名 /Course |
国際経済研究(国際貿易論)/INTERNATIONAL ECONOMY(INTERNATIONAL TRADE) |
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開講所属 /Course Offered by |
大学院/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2022年度/2022 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
火3/Tue 3 |
開講区分 /semester offered |
通年/Yearlong |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
米山 昌幸 |
科目区分 /Course Group |
大学院科目 講義科目 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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米山 昌幸 | 国際環境経済学科/ECONOMICS ON SUSTAINABILITY |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
国際貿易理論をテキストに沿って体系的に修得する。具体的には、国際貿易モデルの基礎、リカード?モデル、特殊的要素モデル、ヘクシャー=オリーン=サムエルソン?モデル、貿易均衡、国際間の生産要素移動、完全競争下の貿易政策理論、戦略的貿易政策、独占的競争モデル、GATT/WTO、地域貿易協定、貿易と環境などについて学ぶ。 貿易パターンや貿易利益、貿易政策の効果について理論的な理解を深めて、現実の貿易問題を考える際に、貿易理論を援用して考察できるようになることを目指す。 授業内容およびテキストについては、受講者の既習状況を聞いて決めるが、以下のようなテキストと授業計画を予定している。受講に際してはミクロ経済学的基礎を修得していることが望ましい。 この授業は、経済学研究科博士前期課程DPに掲げる学位の能力の裏付けとなる「能力」1?2を養成することを目的とする。経済学研究科博士前期課程CPに記載されている経済分野の講義科目として、履修系統図では経済科目群の「国際経済研究」として置かれ、経済分野における研究能力および高度な業務能力を養成する。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
この授業は基本的に対面授業で行うが、コロナの状況によってはオンライン授業(ライブ配信授業またはオンデマンド授業)を併用するハイフレックス授業で行う。ハイフレックス授業に関しては、manabaのコースニュースにお知らせする。 | ||||||||||
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
毎回報告者は必ずレジュメを準備して報告すること。また授業後にはコメントを受けて、レポート課題に取り組み、参考文献を調べたり、発展的な研究につなげること。28週の授業期間の事前学修2時間?事後学修2時間、その他8時間の計120時間の授業外学修を基本とする。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
授業での報告と質疑応答70%とレポート課題30%によって評価する。 | ||||||||||
備考 /Notes |
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関連科目 /Related Subjects |
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到達目標 /Learning Goal |
国際経済についての修士レベルの知識を修得し,国際経済に関連する諸問題を分析できるようにする. |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | はじめに | 授業方法、成績評価基準について説明し、受講者の既修状況と研究テーマについて聴取し、使用テキストを決定する。 | |
2 | 比較優位の基礎―リカード?モデル(1) | リカード?モデルを用いて、貿易パターンの決定を労働生産性の相対的格差により説明する。労働生産性、労働投入係数を理解し、最も簡単なリカード?モデルである2国2財1要素モデルの設定を理解できるようになる。 | |
3 | 比較優位の基礎―リカード?モデル(2) | リカード?モデルの生産フロンティアを図示できるようになり、図を用いて生産点の決定と貿易パターンの決定を説明できるようになる。 | |
4 | 比較優位と貿易利益(1) | GDP線を用いた生産点の決定を理解し、相対価格によって、生産?貿易パターンがどのように決まるか説明できるようにする。 | |
5 | 比較優位と貿易利益(2) | 最適消費点決定の理論より、貿易開始する前と後の消費点の変化を理解し、社会的無差別曲線を比べて、貿易利益が発生することを説明できるようになる。 | |
6 | 比較優位と自由貿易均衡(1)―オファーカーブ | 相対価格の変化により、貿易三角形がどのように変化するのかを理解し、オッファーカーブを導出することができるようにする。 | |
7 | 比較優位と自由貿易均衡(2)―貿易均衡の存在 | 自国と外国のオッファーカーブを図示して、貿易均衡の相対価格(交易条件)の決定を理解し、貿易均衡の存在について説明できるようにする。 | |
8 | ヘクシャー=オリーン?モデル(1)―要素賦存量と比較優位 | 生産フロンティアを導出し、要素賦存量を変化させて、リプチンスキー定理とヘクシャー=オリーン定理を説明できるようにする。 | |
9 | ヘクシャー=オリーン?モデル(2)―貿易自由化と所得分配 | ストルパー=サミュエルソン定理、要素価格均等化命題を理解して、貿易自由化が所得分解に与える効果を説明できるようにする。 | |
10 | 経済成長と貿易 | 経済成長パターンが貿易パターンに与える影響を理解し、経済成長により経済厚生が低下する「窮乏化成長」が起こる可能性を説明できるようにする。 | |
11 | 産業間貿易と産業内貿易 | グルーベル=ロイド指数を理解し、産業間貿易と産業内貿易(水平的産業内貿易と垂直的産業内貿易)の趨勢について理解できるようにする。 | |
12 | 規模の経済性と製品差別化とフラグメンテーション | 水平的産業内貿易は、製品差別化と企業レベルにおける規模の経済から説明されることを理解する。また、垂直的産業内分業はフラグメンテーションによって説明させることを理解する。 | |
13 | 海外直接投資と理論と現状 | 国際資本移動の基本理論であるマクドゥーガル?モデルを理解し、国際資本移動の影響を説明できるようにする。 | |
14 | フラグメンテーションとアウトソーシング | フラグメンテーションの拡大と、企業内取引と市場取引によるアウトソーシングの選択について理論的?実証的に理解できるようにする。 | |
15 | 貿易政策分析の基礎(1)―関税(小国モデル) | 小国モデルを用いて、関税の効果を説明できるようにする。 | |
16 | 貿易政策分析の基礎(2)―関税(大国モデル) | 大国モデルでは、輸入国が関税を賦課すると輸入価格を低下させ、交易条件の改善させることができ、輸入国の貿易利益を最大にできるが、このような最適関税の賦課は正当化できないことを説明できるようになる。 | |
17 | 貿易政策分析の展開(1)―非関税障壁 | 小国モデルを用いて、生産補助金、輸入数量制限、外国が先に輸出枠を設定するような輸出自主規制の効果を説明できるようになる。 | |
18 | 貿易政策分析の展開(2)―有効保護率 | 輸入中間財に対する輸入関税と有効保護率について理解し、タリフ?エスカレーションについて説明できるようにする。 | |
19 | 自由貿易と保護貿易―幼稚産業保護論 | 幼稚産業保護論として保護貿易が正当化される条件を理論的に説明できるようにする。 | |
20 | 独占?寡占市場と貿易(1)―国内独占 | 外国企業が自国市場を独占しているケースを想定し、関税政策により外国企業からレントを奪い取って自国の経済厚生を高めることができることを説明できるようにする。 | |
21 | 独占?寡占市場と貿易(2)―国際複占競争 | 国際複占競争モデルのブランダー=スペンサー?モデルを理解して、戦略的貿易政策を取り上げて、不完全競争のもとでの貿易政策がどのような効果を持つかを理解し、戦略的貿易政策の議論を理解できるようになる。 | |
22 | 貿易交渉とルール(1) | 第2次世界大戦後のGATTの設立からWTOへの改組に至るまでの歴史をたどって、多国間の貿易自由化交渉の経緯と今後の課題について理解する。 | |
23 | 貿易交渉とルール(2) | GATTとWTOは各国の貿易政策に一定のルールを決めることにより、安定的な世界貿易体制の構築してきた。その基本原則を理解し、GATTとWTOの紛争解決手続きの違いについて理解する。 | |
24 | 地域貿易協定?経済統合(1) | 地域貿易協定に関する現状を整理し、自由貿易協定と関税同盟の違い、地域貿易協定に関するルール、由貿易協定の締結に必要不可欠な原産地規則の制度と問題点について理解する。 | |
25 | 地域貿易協定?経済統合(2) | 地域貿易協定の経済効果を理解し、地域貿易協定の締結と拡大が最終的に世界全体の貿易自由化につながるか否かの議論を理解できるようになる。 | |
26 | 貿易と経済開発 | 輸入代替工業化、輸出志向型工業の開発戦略について理解し、貿易自由化が経済成長に与える影響を説明できるようにする。 | |
27 | 貿易と環境 | 貿易が環境破壊をもたらすケースがある。環境破壊を外部不経済として考慮すると、貿易を制限することが、貿易を制限しない場合よりもセカンド?ベストとなる場合があることを理解できるようにする。 | |
28 | 貿易戦争と経済厚生 | 米中貿易戦争を取り上げて理論的に説明する。米国は自国第一主義により保護主義に傾くインセンティブがあるが、米国の貿易措置が中国の報復措置を招き、世界貿易は縮小均衡に陥ることを理解できるようにする。 |