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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2022/03/28 現在/As of 2022/03/28 |
開講科目名 /Course |
経済史特殊研究(日本経済史)/HISTORY OF ECONOMICS(JAPANESE ECONOMIC HISTORY) |
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開講所属 /Course Offered by |
大学院/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2022年度/2022 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
木5/Thu 5 |
開講区分 /semester offered |
通年/Yearlong |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
市原 博 |
科目区分 /Course Group |
大学院科目 講義科目 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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市原 博 | 経済学科/ECONOMICS |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
日本の労働関係の歴史研究に関する文献を講読する。日本企業の雇用制度?労使関係は、日本が「経済大国」であった1980年代には、日本企業の強固な国際競争力の要因として高く評価されたが、その後の長期不況の時期には、グローバル化という観点からその不効率性が強調されるようになり、多くの企業でその改革が試みられた。しかし、その試みの多くは所期の成果を容易に挙げることができず、失敗に終わったという評価すら存在する。本講義では、日本の雇用制度?労使関係のあり方を歴史的に検討し、近年の制度改革の取り組みとそれをめぐる議論を相対化して理解することを目的とする。それを通じて、今後進むべき改革の方向性を考えたい。 | ||||||||||
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
テキストを輪読し、質疑応答と議論により理解を深める。関連文献にも目を通し、積極的に意見表明することが必要である。 対面授業を基本とするが、感染状況により、ライブ型オンライン授業を実施することがある。その際にはZoomを利用する |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
テキストと関連文献を事前、事後によく読むこと。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
授業への参加度100% | ||||||||||
備考 /Notes |
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関連科目 /Related Subjects |
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到達目標 /Learning Goal |
経済史についての博士レベルの知識を修得し,各地域?各時代における経済活動を精密に分析できるようにする. |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | ガイダンス | 授業方針の説明と授業計画の作成 | |
2 | 『日本労使関係史』序章 | ゴードン氏の問題意識と研究方法を検討する。 | |
3 | 『同上』第1章「工業労働者の組織化」 | 明治期の労働組合の組織化について検討する。 | |
4 | 『同上』第2章「温情主義と直接的管理」 | 明治期日本企業の労務管理の整備について検討する。 | |
5 | 『同上』第3章『労務管理改革と労働運動』 | 第一次世界大戦期の労働運動の発展と企業側の対応策を検討する。 | |
6 | 『同上』第4章「渡り職工の消滅?」 | 両大戦間期の雇用制度の変化について検討する。 | |
7 | 『同上』第5章「賃金制度の複雑化」 | 両大戦間期の賃金制度の改革について検討する。 | |
8 | 『同上』第6章「企業共同体」 | 両大戦間期の企業―従業員関係の変化について検討する。 | |
9 | 『同上』第7章「長期雇用と賃金統制」 | 第二次世界大戦間期の雇用制度の変化と統制政策の関連を検討する。 | |
10 | 『同上』第8章「産報」 | 第二次世界大戦期の労働者統合政策について検討する。 | |
11 | 『同上』第9章「組合主導の労使関係」 | 敗戦後の労働組合運動の発展と労使関係の変化を検討する。 | |
12 | 『同上』第10章「経営主導の労使関係」 | 1950年代の企業主導の労使関係の再編について検討する。 | |
13 | 『同上』第11章「日本型労使関係のヘゲモニー」 | 1960年代以上の労務管理と労使関係の変化について検討する。 | |
14 | 『同上』第12章「日本型労使関係の終焉?」 | バブル経済崩壊後の雇用制度、労使関係の変容について検討する。 | |
15 | 『同上』総括 | 明治期からバブル経済崩壊後までを見通して、ゴードン氏の見解を総括的に検討する。 | |
16 | 『「就社」社会の誕生』序章 | 菅山氏の問題設定と研究方法を検討する。 | |
17 | 『同上』第1章「大工場労働者と熟練形成」 | 戦前期の工場労働者の能力形成について検討する。 | |
18 | 『同上』第2章「職員層の形成」 | 戦前期大企業のホワイトカラー職員の形成過程を検討する。 | |
19 | 『同上』第3章「新規学卒採用の「制度化」」 | 両大戦間期に形成された新規学卒採用制度について検討する。 | |
20 | 『同上』第4章「学校による就職斡旋とその論理」 | 新規学卒採用を支えた学校による就職斡旋制度の形成過程を検討する。 | |
21 | 『同上』第5章「「日本的」雇用制度の形成」 | 戦時期の労務管理、労使関係の変化を検討する。 | |
22 | 『同上』第6章「「企業民主化」 | 敗戦後の労働組合運動の圧力による企業秩序の変化を検討する。 | |
23 | 『同上』第7章「「企業封鎖的」労働市場の実態」 | 1950年代の労働市場の実態を検討する。 | |
24 | 『同上』第8章「中卒就職の制度化」 | 戦後に形成された中学校による生徒の就職斡旋制度について検討する。 | |
25 | 『同上』第9章「中卒から高卒へ」 | 高卒ブルーカラー労働者の増加が労働市場や雇用制度に与えた影響を検討する。 | |
26 | 『同上』終章 | 明治期から1970年代まで見通して、菅山氏の見解の妥当性を検討する。 | |
27 | テキストの書評の検討 | 検討してきた2冊のテキストに対する書評を読み、検討する。 | |
28 | 総括討論 | 学んだことを確認し、日本の労働史の課題について討論する。 |