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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2023/08/29 現在/As of 2023/08/29 |
開講科目名 /Course |
交流文化論(トランスナショナル文化特殊講義(移民?難民と日本社会))/STUDIES IN TOURISM AND TRANSNATIONAL |
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開講所属 /Course Offered by |
外国語学部/FOREIGN LANGUAGES |
ターム?学期 /Term?Semester |
2023年度/2023 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
火4/Tue 4 |
開講区分 /semester offered |
秋学期/Fall |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
高橋 雄一郎 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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高橋 雄一郎 | 交流文化学科/TOURISM AND TRANSNATIONAL STUDIES |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
「日本は単一民族国家だ」という人がいますが、果たしてそうでしょうか。一つの民族だけで構成されている社会は実際にはどこにもないと思います。多民族化?多文化化?多言語化は世界のあらゆる地域で進展しています。多様性が尊重され、全ての人が尊厳を持って暮らすことのできる世界の構築に向けて、受講生の皆さんと共にディスカッションしていくことがこの授業の目的です。 日本で一部の難民申請者や非正規滞在者が刑務所のような入管施設に、裁判所の判断も経ず、また期限を定めず収容されていることが、国連人権理事会の特別報告者と恣意的拘禁作業部会から人権問題であるとして指摘されています。2021年にはスリランカ出身のウィシュマ?サンダマリさん(当時33歳)が、収容先の名古屋入管で亡くなるという痛ましい事件も起きています。在留資格(ヴィザ)の期限が切れてしまうオーバーステイなどの理由で入管に摘発された人たちは、ほとんどが自費で帰国しています。しかし、帰国すると迫害を受ける可能性がある難民申請者や、同居家族がいるなど生活の基盤が日本にある人の中には、何とか帰国を拒もうとする人たちも一定数存在します。今年6月、改正入管法が国会で成立しましたが、難民申請を3回以上繰り返した人をノン?ルフールマン原則の適用から外すなど、人権を無視した強制送還が増えることが危惧されます。 この授業では日本社会で、日本国籍を持たない「外国人」であるという理由で、あるいは正規の在留資格を有していないために、また、民族、言語、宗教などの違いから、困難な生活を強いられている人たちの権利について考えます。日本国憲法25条は「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と謳っていますが、「健康で文化的な生活」は、日本国籍を持たない人たちも含め、日本社会で生活するすべての人に保障されるべきだ、と私は考えています。最近、ネット上のコメント欄などを見ると、排外主義やゼノフォビア(外国人嫌悪)的な書込みが多く、とても悲しくなります。誰一人排除されない社会を目指して、一緒に勉強していきましょう。 テクストには、本人のちょっとしたミスから在留資格を失い、入管に収容されてしまう主人公と日本人のパートナーを描いた、中島京子さんの小説『やさしい猫』(2021)を使います。フィクションですが、リサーチには入管問題を専門に扱う弁護士たちが全面的に協力しているので、裁判の場面などとてもリアルです。今年6月にドラマ化され、テレビで放映されたので、一部、動画も視聴していきたいと思います。小説は教科書として購入できるようDuoに発注しておきます。 順番として、1.ウィシュマさん死亡事件、2.『やさしい猫』、3.改正入管法を取り上げます。残りの授業時間は、受講生の皆さんの関心も踏まえ、移民難民と日本社会に関連するその他の話題についてディスカッションしていきます。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
資料の配付、連絡、課題の提出などに、manabaを使います。掲示に注意してください。初回の授業に向けて読んでいただく資料や、提出する課題もありますから、履修登録をした方は、必ずmanabaを確認してください。 また、授業のフェイスブック?グループに毎週投稿することも、この授業の履修要件です。フェイスブックについては初回の授業で詳しく説明するので、初めての方もご安心ください。 希望する学生には、エスニック?コミニュティーを訪問したり、学外のイヴェントやセミナーに参加するなど、教室の外での活動や、フィールドワークを薦めています。品川の入管収容施設での面会支援も考えています。 授業ではディスカッションが中心になりますので積極的な参加をお願いします。 なお、次ページの授業計画(毎週のスケジュール)は昨年のままになっています。今年の予定は授業で詳しくお話しします。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
テクストをしっかりと予習し、背景となる歴史や社会状況を調べ、問題点や質問事項を整理して授業に臨んでください。授業後はフェイスブックを利用して教室でのディスカッションを続けていきます。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
1. 学期末に提出するポートフォリオ(50%)⇒ポートフォリオとは何か、作成の方法などは授業で説明します。初めての方も心配無用です。 2. 毎週フェイスブックに投稿する授業フィードバック(50%)⇒こちらも授業で説明します。初めての方も心配無用です。 |
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関連科目 /Related Subjects |
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備考 /Notes |
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到達目標 /Learning Goal |
交流文化に関する各種分野について特定の専門知識を習得し、分析のうえ見解を提示できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | イントロダクション | ワタシタチハニンゲンダ | |
2 | 移民 | 移民?難民の定義、世界の動向 | |
3 | 労働者 | 労働者として働き、生活可能な社会を | |
4 | 定住 | 在留資格と定住者の権利 | |
5 | 教育 | 多様な教育をすべての子どもに保障する | |
6 | 貧困 | 貧困の再生産を止めるために | |
7 | 多様性 | 出身文化と継承文化 | |
8 | 言語 | 多言語社会をめざして | |
9 | 国籍 | 複数国籍の容認を | |
10 | 差別 | ヘイトスピーチの根絶を | |
11 | 難民 | 難民が認定され、安心して申請できる国を目指して | |
12 | 非正規移民 | アムネスティの実施可能性を探る | |
13 | 収容 | 不必要な収容を廃止へ | |
14 | まとめ | マジョリティーが変わることから出発しよう |