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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2023/08/29 現在/As of 2023/08/29 |
開講科目名 /Course |
国際NPO論a/INTERNATIONAL NPO(A) |
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開講所属 /Course Offered by |
経済学部国際環境経済学科/ECONOMICS ECONOMICS ON SUSTAINABILITY |
ターム?学期 /Term?Semester |
2023年度/2023 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
金5/Fri 5 |
開講区分 /semester offered |
春学期/Spring |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
長瀬 理英 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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長瀬 理英 | 国際環境経済学科/ECONOMICS ON SUSTAINABILITY |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
学位授与方針(DP)に関する能力として、持続可能な発展のための国際社会システムの構築を探り、国際的な政治社会?経済社会?市民社会の相互依存関係において問題を捉える能力を身につける。教育課程の編成?実施方針(CP)にしたがって、環境に対する責任と正しい認識に基づき、持続可能な社会の実現を目指して、地域社会や国際社会に貢献できる実践的な人材を育成する。特に、国際的なNPO(Non-Profit Organization:非営利組織) )またはNGO(Non-Governmental Organization:非政府組織)について、その主な活動形態―①要支援者への直接支援と②政府の政策や企業の方針への働きかけ(アドボカシー)―から理解を深め、国際NPOが実際に直面している問題について自分事としてどのように解決していくか、論理的で説得力のある主張が展開できるようにする。 具体的な事例は主に、①人道支援(自然災害および紛争)、②開発協力および③ソーシャルビジネスの分野からとりあげる。 各分野のNPO活動に関するドキュメンタリーなどの映像を見ることで現場の実相に近づき、当事者にとってどのような効果や影響が生じているかについて理解できる。 国際NPOが果たしている意義?役割およびその変化について、具体的な文脈から理解するとともに、「Non/非」の視点から批判的に検討していく。NPOが抱えるディレンマについて、自分がNPOメンバーであればどうするか考えることを通じて複眼的な見方が身につく。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
対面形式とオンデマンド形式とを交互に組み合わせたブレンド形式とする。オンデマンド形式では講義を通じ資料について理解し、動画を視聴し課題に回答する。対面形式では課題回答に加え、講義を通じて提供される追加的知識を踏まえ、グループ討論を行う。対面形式に参加できない事情がある場合には、事前に届ければオンライン参加も可能だが、録画配信はしない。オンデマンド形式の授業にはオンライン参加も可能で、録画配信する。 オンデマンド形式の授業で課題を出し、manabaのレポート機能を通じて各受講生が提出する。実際に現場で起きている事実を紹介するとともに、その事実を評価するためにいくつかの原則/原理および理論を紹介する。いくつかある(べき)選択肢のうち、どれが正しい解答というものはない。受講生ひとりひとりが、映像を含めた教材を踏まえて自分の頭で考え、自分だったらどうするか、それはなぜかについて明確に、論理的に考えることを促す。講師は同レポート機能を通じて各回答にフィードバック(コメント)する。 対面形式の授業では、課題回答に関する全体的なコメントを行い、回答を基礎として、これに新たな知識を加え発展させる形でグループ討論に導く。グループ討論では、正解のない課題について討論することで、考える力を鍛え、議論する力を養う。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
上記「授業の形式?方法」に沿って、資料を読み動画を視聴し課題に回答する(約2.5時間)。資料を読み動画を視聴し、討論に参加できるよう予習しておくこと(約2時間)。復習や課題への取り組みを通じて理解できないことがあれば、質問できるようにしておくこと(約1時間)。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
平常点:70% (課題回答35%、授業参加35%)、期末レポート:30% 課題回答は、5点×7回=35点満点とする。コピーアンドペーストや他人回答の利用は盗用とし不可とする(引用/参考文献を明示すること) 授業参加は、5点×7回=35点満点とする。出席だけでなく、討論での発言を重視する。 期末レポートは、論文形式、論理、設問応答、自分の考えから評価する。コピーアンドペーストや他人回答の利用は盗用とし不可とする(引用/参考文献を明示すること) |
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関連科目 /Related Subjects |
国際NPO論b | ||||||||||
備考 /Notes |
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到達目標 /Learning Goal |
国際NPO(非営利組織)に関する専門知識を習得し、国際的なNPOの事業や活動等について分析のうえ、見解を提示できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | イントロダクション/オリエンテーション:講義<初回のみ対面での講義> | 目的と概要の説明。NPOとは何か。政府、営利企業との比較。国際的に活動するNPOの存在意義。国際機関、多国籍企業との比較。事例紹介::核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN) | 課題:ICANと日本政府の「リアリティ」の違い |
2 | 人道支援の実際(1)自然災害:オンライン/オンデマンド講義 | ハイチ大地震(2010年)からみる外部支援の実際と災害の原因。国際NPOの活動とその課題/ディレンマ |
課題:ディレンマの中でどのような支援をすべきか。 |
3 | 人道支援の実際(2)自然災害:対面演習 | 人道支援のディレンマを克服する活動を行っている国際NPOの紹介。 テーマ:2つの事例に関し、ディレンマ克服の面で優れた点と課題 |
国際NPOのディレンマの原因が何であり、どのように克服しているか理解したうえでよりよい支援について考察を深めること |
4 | 人道支援の実際(3)人為的災害:オンライン/オンデマンド講義 | ルワンダ虐殺(1994年)からみる外部支援の実際と紛争の原因。国内外のNPOが果たした役割と課題/ディレンマ。 | 課題:ディレンマの中で支援を続けるか、やめるか |
5 | 人道支援の実際(4)人為的災害:対面演習 | テーマ:人道支援で直面したディレンマについて主に「人道支援原則」ならびに「トロッコ問題」から分析 | 「人道支援原則」、「トロッコ問題」についてそれぞれ理解したうえで、ディレンマ状況にあてはめる応用力をつけること |
6 | 開発協力の実際(1)大規模経済開発と流域住民の暮らし:オンライン/オンデマンド講義 | 大メコン圏地域経済協力とは何か。様々なステークホルダー(利害関係者)、特にカンボジア?トンレサップ湖周辺の地域住民に焦点を当てる。 | 課題:トンレサップ湖の住民からみて、大メコン圏地域経済協力のプログラムはどのような効果や影響をもたらすか |
7 | 開発協力の実際(2)各アクター?ステークホルダーにもたらす効果?影響の予測:対面演習 | トンレサップ湖周辺の様々なステークホルダーの現状と問題点。近くを通る南部経済回廊の目的と期待される効果?影響。 テーマ:南部経済回廊がさまざまなステークホルダーにもたらす効果?影響の予測 |
トンレサップ湖周辺住民の生業と現在の課題、南部経済回廊の目的と効果?影響、類似プロジェクトの教訓を踏まえて予測すること |
8 | 開発協力の実際(3)オンライン/オンデマンド講義:国際NPOの存在意義と取り組み | 国際NPOが果たす役割と存在意義。トンレサップ湖零細漁民に対する支援と限界 | 課題:大メコン圏(GMS)地域経済協力プログラムにおいて国際NPOが果たしている役割と今後改善/解決すべき課題 |
9 | 開発協力の実際(4)メコン川流域の開発をどのように進めるべきか:対面演習 | 大メコン圏(GMS)地域経済協力プログラムに関する評価 テーマ:これまでの授業をもとに、トンレサップ湖やメコン河流域の開発をどのように進めたらよいか |
既存評価を批判的に(別の視点/角度から)考察すること 開発について学んだことを発展的に応用すること |
10 | ソーシャルビジネスの実際(1)フェアトレードの意義:オンライン/オンデマンド講義 | エチオピアにおけるコーヒーのフェアトレードを事例からみた、その目的と意義、効果。 | 課題:視聴した『おいしいコーヒーの真実』に関する質問 |
11 | ソーシャルビジネスの実際(2)提携型と認証型:対面演習 | フェアトレードの仕組み。伝統的な相互関係と市場化を通じた企業化の比較 テーマ:提携型コーヒー(「ハチドリのひとしずく」)を買うか、認証型コーヒー(小川珈琲店「フェアトレードモカブレンド」)を買うか |
伝統的なフェアトレードと最近の市場志向的フェアトレードの歴史とそれぞれの長所?短所を比較すること。 |
12 | ソーシャルビジネスの実際(3)フェアトレードをめぐるディレンマ:オンライン/オンデマンド講義 | NPOが直面するディレンマ。米国におけるコーヒーフェアトレードの現況からみる市場化の進展。 | 課題:市場化の進展により提携型と認証型はどうなるか |
13 | ソーシャルビジネスの実際(4)マイクロファイナンスの意義と課題:対面演習 | バングラデシュのグラミン銀行の事例からみたマイクロファイナンスの目的、効果、ディレンマ。 テーマ:グラミン銀行にみられるソーシャルビジネスとしてのマイクロファイナンスの長所と短所 |
マイクロファイナンスの目的、意義、効果および課題について理解すること。 |
14 | ソーシャルビジネスの実際(5)課題に取り組む国際NPO:オンライン/オンデマド講義 | 国際NPOであるBRACの「貧困削減のフロンティアへの挑戦」(CFPR)プログラムが課題解決に果たす役割 | 課題:BRACとグラミン銀行の比較 |