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シラバス参照/View Syllabus

授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2023/08/29 現在/As of 2023/08/29

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
労働法a/LABOUR LAW a
開講所属
/Course Offered by
法学部法律学科/LAW LAW
ターム?学期
/Term?Semester
2023年度/2023 Academic Year  春学期/SPRING SEMESTER
曜限
/Day, Period
金1/Fri 1
開講区分
/semester offered
春学期/Spring
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
2,3,4
主担当教員
/Main Instructor
石井 保雄

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
石井 保雄 法律学科/LAW
授業の目的?内容
/Course Objectives
 この講義では人(権利?義務の主体)の「労働者」としての生活関係=労働関係をめぐり、どのような法的問題が提起されるのか、またトラブルや紛争の解決のあり方について考えたい。すなわち労働法とは、人が「労働者」としての社会生活を送ること、つまり誰か「使用者」に雇われて、その指揮?命令にしたがって働き(労務提供)、これに対する報酬=賃金を得る(民法623条、労契法6条)という有償労働を規制対象としている。具体的には労働法は、労使のあいだの紛争やトラブルの解決を図ったり、その予防を目的とする法分野である。君たちは、どんな職業に就くか選ぶことはできても、働かないという選択肢を持つ人=親が遺した家作があるから、食うに困らないなどという人は、たとえいても、ごく少数であろう。つまり、だれかに雇われなければならない。それが普通の人の生活のあり様であろう。

 講義科目名としては「労働法」となっている。しかし具体的には労基法をはじめとする「労働保護法」「個別的労使関係法」を中心に検討する。時間的制約ということに加えて、最近の労働に関わる立法動向や裁判例の多くは、上記法分野に関わるものが多いということも、保護法を中心とすることの理由である。ただし労働条件設定に関する役割の重要性を考慮し、労働協約に関連させて労働組合法にも、多少は言及したい。

 春学期は、労働=雇用関係、すなわち労働契約の成立から始まり、その展開、そして終了(解雇?退職)にいたる過程に対し、関係する立法はいかなる規制を行ない、また人が「労働者」として働くにあたり、その労働条件や待遇内容は、どのような仕組みのもとに決められるのかということを理解することが課題である。
授業の形式?方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
 通常の教室での対面方式の講義を基本とする。講義はやはり「ライブ」だと考えているからだ。ただしCOVID-19の感染状況によっては、「遠隔授業」方式を取らざるをえないかもしれない。その場合は、ZOOMを利用して、ライブ配信方法で講義する。そのような場合は、あらかじめアナウンスする。オンデマンド配信型をとることはない。

 当日の授業内容については、授業形態がどのようなものになるかに関係なく、前日にはレジュメと資料をmanabaを利用して、配信する。ただし公開期間は1週間程度とする。対面授業であっても、紙媒体のものを教室で配布することはしない。

  受講者はレジュメをプリント?アウトし、講義を受講し、それに各自が重要と思われることを書き込んだり、調べたことなどを補充するなどして、オリジナルなノートを作るようにしてほしい。

 講義内容の理解度を確認するために、レポート(A4サイズの用紙を想定して、1000~1400字程度)の提出を4回ほど予定している。また学期末には、定期試験も実施するが、成績評価にあたり重視したい。レポートについてのコメントは、提出日ないし翌週に口頭ないし文書で示しい。期末試験についても、試験終了後に、コメントを文書で示したい。

事前?事後学修の内容
/Before After Study
 テキストの指定された箇所(ページ)について、事前に読んで、各自、確認し、記述内容を把握ておいてほしい(1時間)。また授業を受講した後には、配布されたレジュメと参考裁判例(『労働判例百選』またはその他のものから適宜選択し、該当ページを公開予定)の事実?判旨を精読、自分なりに、その論点と裁判所の判断内容を検討することが大切である(3時間)。このような作業を通じて、講義内容の理解を「一歩前に」進めることができるかと思う。
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
トピック労働法
著者
/Author name
山田省三&石井保雄〔編〕
出版社
/Publisher
信山社
ISBN
/ISBN
978-4-7972-8751-6
その他(任意)
/other
同書は2020年4月に刊行したものであるが、今年の3月末に第2版を刊行する予定である。
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/???名
/Title
   講義のなかで、適宜指示する。
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等2
/References2
書籍名/???名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/???名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
 先に言及したように、原則3回に1回の割合=2週間おきに課題レポートを出題する.。全部で4回を予定している。その提出回数(いうまでもなく、全回提出するのが原則)に加えて、学期末試験の記述内容如何を総合的に考慮して、成績評価をする。1回につき、課題レポートの分量は、A4サイズで、文字数1000~1400字程度を想定している。受講者の講義理解度は、自ずとレポートの内容に反映されていると考える。評価にあたっては、結論の如何というよりも、論点を適確に捉えて、論理的な議論がなされているかどうかを重視する。またインターネット上の情報をそのまま書き写したものは、自ずと低評価となろう。レポートについてのコメントは、提出日ないし翌週に口頭ないし文書で示したい。

 最終的な成績評価については、レポート(40%)と期末試験(60%)の割合で、総合的に評価する。
 
関連科目
/Related Subjects
 法律学は受講科目の積み重ねを通じて、より深い内容が可能となるものである。労働法学については、とくに憲法における基本的人権論の理解を前提としている。そして、春学期の講義内容は、労働基準法のみならず、労働契約法が主要な対象領域となる。そのために民法とくに、総則と債権各論、とくに契約法、とくに雇用契約について、すでに受講したり、する予定であることがのぞましい。
 
備考
/Notes
 労働法も、体系的な理解が求められる法律学の1科目として、春学期に続いて、秋学期の受講を期待したい。開講科目について、体系性のない、つまみ食い的な受講科目の選択をしないように望みたい。
到達目標
/Learning Goal
労働法に関する事例、学説?判例を正確に解釈し、個別の事象について見解を示すことができるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前?事後学修の内容
/Before After Study
1 「労働法」とは何か 労働法とはいかなる学問か、とくに近代市民法とくらべたときの相違点を明らかにする。
2 労働関係と法的規整――民法上の「契約の自由」原則との比較的考察 同じく相手方の指示命令のもとに労務提供を行なう契約類型であっても、労働法上の「労働契約」と民法上の「雇用契約」とがいかなる点でことなるものなのかを理解する。
3 労働憲章と職業平等の確保――労基法上の差別禁止 労基法上の差別禁止とその具体的な内容を理解する。
4 労働の場における男女雇用平等の実現――男女雇用均等法 男女雇用機会均等法にいたる経緯と同法における規定内容を理解し、職場における平等都は何かを理解する。
5 職場におけるハラスメントと法的対応 近時日本で大きな社会問題となっているセクシュアル?ハラスメントや「パワー?ハラスメント」という和製英語で表わされている職場いじめ?いやがらせの内容を知り、その法的対応のあり方を理解する。
6 労働「契約」関係の成立――募集?採用?試用期間 労働契約関係のいわば「入り口」である募集に対する応募にはじまり、採用内定から試用=「お試し」期間にいたる、わが国企業の採用過程において、いかなる問題が提起され、法的にどのように捉えるのかを理解する。
7 就業規則――使用者が決める職場のルール 人が「労働者」として働くとき、その労働条件や待遇内容は、どのように決められているのか。現実には、使用者の作成?変更する就業規則である。それに対する、法的規定はどうなっているかを検討する。
8 労働協約――労働条件の集団的規整の実現 労働条件や待遇内容を労働組合の活動を通じて規整すべき「労働協約」とは何かを理解する。
9 労働「契約」関係における権利と義務 労働「契約」関係が継続する過程で、労使双方が相手方に対して有する権利と義務とは何か、それらをめぐってどのような問題が提起されるのかを理解する。
10 人事異動――配転?出向?転籍 企業に入社した労働者は在籍するかぎり、同じ仕事に従事するものではない。企業内や企業間での「異動」が定期的になされるのが日本企業の特徴である。そこでの問題と法的な解決方法を検討する。
11 企業秩序と懲戒―服務規律と職場秩序の維持 企業の協同作業秩序を維持するための制度である懲戒都は何か、どのような問題が提起されるのかを探る。
12 雇用関係の終了(1)解雇――使用者からの一方的契約終了の意思表示 使用者のイニシアチブにより実行される雇用関係の終了事由である「解雇」について、労働法はどのような規制を行なっているのかを理解する。
13 雇用関係の終了(2)辞職(退職)と定年制――労働者からの自発的雇用の終了 労働者の側からする雇用関係の終了事由である「辞職(退職)」の法的意義を理解する。
14 個別的 労使紛争の解決のための法システムーー労働裁判と労働審判を中心にして―― 労働審判制度などのADRとしての紛争解決制度について理解する。

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