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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2023/08/29 現在/As of 2023/08/29 |
開講科目名 /Course |
総合科学特殊研究(思想と文化)/SPECIAL TOPICS ON INTEGRATED ARTS AND SCIENCES: THOUGHT AND CULTURE |
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開講所属 /Course Offered by |
国際教養学部言語文化学科/INTERNATIONAL LIBERAL ARTS INTERDISCIPLINARY STUDIES |
ターム?学期 /Term?Semester |
2023年度/2023 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
金4/Fri 4 |
開講区分 /semester offered |
秋学期/Fall |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
木島 泰三 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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木島 泰三 | 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
本講義のテーマは「決定論的人間観の歴史と現在」である。「自由意志と決定論」は古来からの哲学の主題とされてきたが、このような問いにおいて検討されてきた「決定論」とは「(人間に関する)因果的決定論」という、決定論の一形態に過ぎない。これに対して本講義では「生物学的決定論」その他の雑多な形態の「決定論」や、「決定論」の隣接概念である「運命論」をも視野に入れた上で、「決定論」の問題を哲学と科学史をベースにした幅広い観点から解明した上で、現代の我々を不安にさせている「遺伝子による決定論」と「脳による決定論」という問題に取り組み、他科目では触れることが難しい分野や領域にわたって人文?社会?自然科学を総合的に研究分析しうる視座の獲得を目指す。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
1回目から対面で行う。進行はおおむねテキストに沿って進めていく。毎回講義後にmanabaでの課題提出を求める。期末には講義内容を踏まえた主題を論ずるレポートを課す。課題およびレポートに関してはmanabaを通じて講評やコメントを返信し、双方向的な学びの場とする。 | ||||||||||
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
事前:教科書の該当箇所を中心に、内容理解に関わる部分を読んでおくこと(2時間程度) 事後:manabaで課題提出を行う。課題は講義内容さえ踏まえていれば大して時間をかけず、ストレスなく対応できるものににする予定である。ただしそれ以外にも授業の内容を振り返り、理解不足のないようにしておくことを求める(全部で2時間程度)。なお、必要に応じ適宜質問を受け付ける。質問は提出課題に添える形で構わない。なお、提出課題に理解不足等があれば適宜manabaの講評欄やコメント欄から指摘する(質問への回答も同じ方法で行う)。 |
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テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
各回の課題と期末レポートにもとづき評価する。配分割合は各回課題40%、期末レポート60%とする。評価は期末に、課題とレポートを総合的に評価して確定させる。 各回の課題は参加態度(平常点)と講義内容の理解の目安とする。レポートは講義内容の理解、内容の論理性、そして探究の意欲性?積極性を評価の対象とする。これにより、到達目標としての、本講義内容に関連する「他科目では触れることが難しい分野や領域にわたって人文?社会?自然科学を総合的に研究分析し、見解を提示できる」という目標の達成度を評価する。 |
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関連科目 /Related Subjects |
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備考 /Notes |
テキスト以外の参考文献は授業時に適宜指示する | ||||||||||
到達目標 /Learning Goal |
「総合科学研究科目群」の他科目では触れることが難しい分野や領域にわたって人文?社会?自然科学を総合的に研究分析し、見解を提示できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | イントロダクション | 教員の自己紹介、講義内容の概観、講義の進め方や単位取得の条件などの説明。 | 講義後manabaからの課題提出を求める(初回はアンケートとする) |
2 | 「決定論」とはどのような思想か? | 「決定論(determinism)」という思想やその定義を明確にした上で、決定論をめぐる諸問題を確認していく | 講義後manabaからの課題提出を求める |
3 | 西洋における目的論的自然観の盛衰 | 決定論の問題を考えるためには、近代科学がそれ以前の「目的論的自然観」を退けて成立したという思想史的な認識が不可欠であり、ここではそれを概観する |
講義後manabaからの課題提出を求める |
4 | 決定論と運命論(1):決定論と運命論の違い | 「決定論」と「運命論(fatalism)」との大きな相違は、後者が何らかの目的論的自然観を前提するのに対し、前者は必ずしもそれを前提しないという点にある。この回ではその違いを様々な観点から明確化する。 | 講義後manabaからの課題提出を求める |
5 | 決定論と運命論(2):運命論の歴史 | 前回に引き続き決定論と運命論の相違を明確化し、また運命論の歴史を一瞥する。 | 講義後manabaからの課題提出を求める |
6 | 近代科学と目的論的自然観の共存の試み | 近代科学の成立後、自然の根底における非目的論的な物理過程と、生命現象に認められる明らかに目的論的に説明される現象とをどのように関連付けるかは大きな課題だった。ここではその様々な取り組みを概観する。 | 講義後manabaからの課題提出を求める |
7 | ダーウィンによる目的論の「排斥/自然化」 (1):自然選択説の基本的な考え方 | ダーウィンの登場によって自然界に存在する見かけ上の目的論を真の目的論に訴えずに説明できるようになった。ここではその論理を詳しく見ていく。 | 講義後manabaからの課題提出を求める |
8 | ダーウィンによる目的論の「排斥/自然化」 (2):自然選択説を理解するときの注意点とその意義 | 前回に引き続きダーウィンの考え方を追いかけ、そこに認められる「自然化された目的論」が「自然化された運命論」という新たな思想を胚胎することを示唆する。 | 講義後manabaからの課題提出を求める |
9 | 一九世紀の非ダーウィン的進化論/進化論登場以降の決定論の諸形態 | この回では「自然化された運命論」の検討に先立ち、ダーウィン進化論がたどった皮肉な運命と、進化論の普及後に流行した「生物学的決定論」に代表される新たな決定論の諸形態を概観する。 | 講義後manabaからの課題提出を求める |
10 | 我々は遺伝子の操り人形か?(1):「利己的な遺伝子」という考え方 | この回と次の回では、現代進化論の歴史とそこから生まれた「利己的な遺伝子」という考え方について学ぶ。 | 講義後manabaからの課題提出を求める |
11 | 我々は遺伝子の操り人形か?(2):「自然化された運命論」としての利己的な遺伝子説 | 「利己的な遺伝子」の考え方は「自然化された運命論」の可能性を開く。ではそれはどの程度の支配力を我々に及ぼすか?これがこの回の主題である。 | 講義後manabaからの課題提出を求める |
12 | 我々は脳の操り人形か? | 「自然化された運命論」はまた「脳の無意識的過程による我々の支配」という形態をとりうる。この回ではその可能性を検討した上で、「運命論への恐怖」それ自体の進化論的な考察にまで踏み込む。 | 講義後manabaからの課題提出を求める |
13 | 決定論を再考する | 「運命論への無根拠な恐怖」を乗り越えた上で、なお残る決定論の問題をこの回では検討する。 | 講義後manabaからの課題提出を求める |
14 | 自然主義的人間観を再考する | 我々の問題の核心が「自然主義的人間観の問題」にあったことを確認した上で、自然主義的人間観の今後を展望する。 | 講義後manabaからの課題提出を求める |