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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2023/08/29 現在/As of 2023/08/29 |
開講科目名 /Course |
総合科学特殊研究(科学技術と社会b)/SPECIAL TOPICS ON INTEGRATED ARTS AND SCIENCES: TECHNOLOGY AND SOCIETY (b) |
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開講所属 /Course Offered by |
国際教養学部言語文化学科/INTERNATIONAL LIBERAL ARTS INTERDISCIPLINARY STUDIES |
ターム?学期 /Term?Semester |
2023年度/2023 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
水2/Wed 2 |
開講区分 /semester offered |
秋学期/Fall |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
1,2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
野澤 聡 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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野澤 聡 | 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
この講義では、科学技術と社会との関わりを示す代表的な事例を検討することによって、科学技術が内包する問題点と可能性を学ぶことを目的とする。また、こうした学びを通じて、知識や常識に疑問をもって挑戦する批判的思考(critical thinking)を鍛えることも併せて目的とする。 現在の私たちの日常生活は、高度な科学技術に大きく依存しているにもかかわらず、科学技術があまりにも巧妙に社会に埋め込まれているために、科学技術のことを意識することはほとんどなく、科学技術が私たち人間とは無関係に存在していると思いがちである。けれども、科学技術はわれわれ人間によって形成された文化の一つにほかならず、人間社会とつねに相互作用しながら変化し続けているのである。 科学技術と社会との関係を考えようとすると、多くの要素が複雑に絡み合っていることが分かる。こうした複雑な問題に取り組むためには、教科書的な知識を鵜呑みにするだけでは不十分であり、既存の知識や常識に疑問をもって挑戦する批判的思考(critical thinking)が不可欠になる。そうした批判的思考を養う機会として、授業内容へのフィードバックや期末レポートの作成などを活用することが求められる。 (下記の項目も参照) |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
?対面授業とともに、Zoomによる遠隔授業と授業録画によるオンデマンド配信もおこなう ?授業に関する告知、資料の公開、授業に関する質問の受付、授業へのフィードバックおよび期末レポートの提出などは、manabaを通じて行う ?批判的思考の基礎固めとして、授業に関連した文章を要約する課題を出題する (学期を通じて3題出題し、文章の内容を授業内で解説する。事前?事後学修、および評価方法の項目も参照) ?批判的思考を錬成するために、上記の要約を出発点として、各自でテーマを設定して文献調査などをおこない、期末レポートを作成する (期末レポートへの取り組み方は、第1回の講義で説明する。評価方法の項目も参照) ?いまや社会インフラであるPCやインターネットについてのスキル向上を図るために、Zoom、manabaなどのオンラインツールを積極的に活用した授業運営をおこなう ?研究や学業の倫理を理解して遵守することを求める(期末レポートでの剽窃(コピペ)や学生間の写し合いなどの不正行為には、厳しく対処する) |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
?配布資料やノートを見直したり、授業動画を視聴するなどして、授業で取り上げた事柄に関する理解と問題意識を深めるとともに、manabaに授業へのフィードバックをおこなう(毎回30分から1時間程度) ?授業で出題する文章の要約課題に取り組む(学期を通じて3題:1題につき6-12時間程度) ?上記の要約を出発点として、各自でテーマを設定して文献調査などをおこない、期末レポートを作成する(20-30時間程度) |
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テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
「授業の目的?内容」に記載した内容に基づいて、下記の項目に対する到達度評価をおこなう: ①科学技術と社会との関わりの事例が書かれた文献を正確に読み解くことができる ②科学技術と社会との関わりについて、具体的事例を通じて自身の考えを合理的に述べることができる ③授業内で説明した形式に沿って期末レポートを作成することができる ④科学技術と社会との関わりについて、自分とは異なる考え方や価値観があることを知り、自身の考えを批判的に検討しつつ述べることができる 成績評価の対象は、文章の要約と文献調査から構成される期末レポート、および、授業へのフィードバックや質問内容である。 成績評価基準については、第1回の授業で具体的に説明する。 なお、期末レポートでの剽窃(コピペ)や学生間の写し合いなどの不正行為には、厳しく対処する。 (補足) 期末レポートで求めている様式や評価基準の確認が不十分のためにF評価になる事例が目立つ。 授業内や授業資料で丁寧に説明しているので、きちんと確認したうえで期末レポートを作成してほしい。 |
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関連科目 /Related Subjects |
科学史I,II 文化としての科学a,b 科学技術基礎論I,II 全学総合講座(大学における教養教育) 全学総合講座(社会の中の科学) |
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備考 /Notes |
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到達目標 /Learning Goal |
「総合科学研究科目群」の他科目では触れることが難しい分野や領域にわたって人文?社会?自然科学を総合的に研究分析し、見解を提示できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | イントロダクション、科学技術と社会との関係を学ぶ意義について | 講義全体の構成や履修する際の注意点、および成績評価基準を説明するとともに、科学技術と社会との関係を学ぶ意義について考える | |
2 | AI(人工知能)とは何か | 近年急速に普及が進むAI(人工知能)の原理と登場の背景と現状について、いくつかの重要な事例を通じて検討する。 | |
3 | AIの可能性と課題 | AIには大きな期待が寄せられると同時に深刻な問題も提起されている。AIを巡る楽観論と悲観論について、いくつかの事例を通じて検討する。 | |
4 | AI時代の倫理を考える | ロボットやAIが本格的に普及しつつある時代の倫理について、第2-3回の授業で取り上げた事例を振り返りながら考える。 | |
5 | 知的財産と科学技術 | 青色発光ダイオード特許訴訟などいくつかの代表的事例を取り上げて、知的財産と科学技術との関わりについて考える。 | |
6 | 製造物責任と科学技術 | 雪印集団食中毒事件などいくつかの代表的事例を取り上げて、製造物責任と科学技術との関わりを考える。 | |
7 | 巨大科学技術と社会 | チェルノブイリ原発事故を事例として、巨大科学技術と社会との関係を考える。 | |
8 | 科学技術と社会的責任 | スペースシャトル「チャレンジャー」号爆発事故を事例として、科学技術の社会的責任について考える。 | |
9 | 能力と性差について | 能力と性差に関する論点を整理つつ、近年の研究成果を踏まえて制作されたドキュメンタリー番組を鑑賞する。 | |
10 | 性差を捉え直す | 第9回の内容を振り返りつつ、近年の研究動向を補足しながら性差のあり方を考える。 | |
11 | サイエンスコミュニケーションとは何か | これまで授業で取り上げた事例を振り返りつつ、サイエンスコミュニケーションという視点で問題を捉え直す。 | |
12 | 専門家と市民との関係:「市民科学」をキーワードとして | 20世紀末から「市民科学」をキーワードとして科学のあり方を見直す動きが始まっている。「市民科学」を歴史的な視点で再検討した論文の紹介を通じて、専門家と市民との関係を考える。 | |
13 | 研究不正を考える | 研究活動が巨大化するにつれて研究を巡る不正が社会問題化している。2000年代初頭に起きた事件を事例として、研究不正について考える。 | |
14 | 科学技術と倫理 | 科学技術の発展は新たな倫理的問題を提起し続けている。授業で取り上げた事例を振り返りつつ、科学技術と倫理との関係を考える。 |