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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2023/08/29 現在/As of 2023/08/29 |
開講科目名 /Course |
倫理学概説Ⅰ_2018年度以前入学者用/INTRODUCTION TO ETHICS I |
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開講所属 /Course Offered by |
大学免許/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2023年度/2023 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
木2/Thu 2 |
開講区分 /semester offered |
春学期/Spring |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
1,2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
木島 泰三 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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木島 泰三 | 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
倫理とは人が人と関わり合う場面で常に暗黙にではあっても前提されている基礎的な信念や知識の集合体と言えるが、この倫理的なものを反省的に考察する学問が倫理学である。現代の倫理学は、少なくとも日本においては西洋倫理学をベースにする研究が主であり、その起源は古代以来の西洋哲学の中にある。本科目では古代から、19世紀末までの倫理学史を学び、またその中で倫理学における現代まで続く重要な諸問題も同時に考えていく。本科目の履修によって、古代からの倫理学史と倫理学的諸問題の知識を獲得する一方、思考力、判断力、表現力の向上も目指す。なお、秋学期の同一教員による「ことばと思想1(倫理学概説Ⅱ)」の受講は必須ではないが、より深い理解のために両方を受講することを推奨する。 | ||||||||||
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
1回目から対面で行う。進行は講義中心に進め、適宜資料を紹介していく。期末には講義内容を確認する小テストと、講義内容に関連する主題を論ずるレポートを課す。レポートに関してはmanabaの講評欄またはコメント欄を用いてコメントを返信する。小テストについても、必要に応じて同じ場でコメント等を行う場合がある。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
各回の講義内容を次回までに整理し、理解不足の点をなくしておくことを求める(必要があれば適宜質問を受け付ける)。また、まとまった資料や文献を配布した場合はその精読を求める(以上、事前と事後各2時間程度)。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
期末確認テストと期末レポートにもとづき評価する。配分割合は確認テスト30%、期末レポート70%とする。 確認テストは講義内容の理解と参加態度(平常点)の目安とする。レポートは講義内容の理解(これも平常点の目安にする)と、内容の論理性を評価の対象とする。これにより、到達目標としての、本講義内容に関連する「21世紀型市民にふさわしい概括的な知識」および「今後の複雑な国内および国際情勢に対処しうる」ものとしての「論理的かつ創造的思考」の基盤となる、自分の思考を論理的に表現できる能力の習得度の評価につなげる。 |
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関連科目 /Related Subjects |
ことばと思想1(倫理学概説Ⅱ) | ||||||||||
備考 /Notes |
テキスト?参考文献:授業時に適宜指示 | ||||||||||
到達目標 /Learning Goal |
中等教育諸学校において、社会および公民の授業を行う際に必要とされる倫理学の全般的知識、社会や人生における基礎的?基本的な事柄に関する考え方を生徒に理解させるための言語表現力を習得し、倫理を説くことができるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | イントロダクション | 教員の自己紹介、講義内容の概観、講義の進め方や単位取得の条件などの説明。 | |
2 | 倫理学とは何か?/ソフィストとソクラテス | 「倫理学とは何か?」の定義をまずは明らかにし、その後西洋倫理学の始まりとされるソクラテスの「よく生きること」の思想を見ていく。 | |
3 | 「ポリス的動物」の倫理学(その1) | アテナイ期と言われるギリシャ哲学の全盛期はポリス(都市国家)のよき市民たることが人間の理想と目された。この時期の代表的哲学者であるプラトンとアリストテレスの倫理思想をこの回では見ていく。 | |
4 | 「ポリス的動物」の倫理学(その2)/コスモポリタン(世界市民)の倫理学 | 前回に引き続きアテナイ期の倫理思想を見た後、ポリス中心の政治体制の解体後であるヘレニズム期の「コスモポリタン」の倫理思想を、ストア派とエピクロス派という対照的な学派に沿って見ていく。 | |
5 | キリスト教思想全般と、中世および宗教改革期の倫理思想 | ローマ時代に広まったキリスト教は、従来のギリシャ的な思想とは異質な価値観をヨーロッパ世界にもたらした。この回ではキリスト教思想の基本、中世のキリスト教倫理、宗教改革期の倫理思想、を順に見ていく。 | |
6 | ホッブズの道徳論と国家論(その1) | 中世的価値観の解体の後に、独自の人間観に基づき、道徳と国家の基礎を再確立しようとしたのがホッブズであり、この回と次回ではその思想を特にその道徳論を中心に見ていく。 | |
7 | ホッブズの道徳論と国家論(その2)/ロックの道徳論と国家論 | 前回に続きホッブズの道徳論を見た後、ホッブズの思想を様々な点で伝統思想と調和させようとし、かつまたその強権的な要素を中和しようとしたロックの試みを見ていく。 | |
8 | 18世紀イギリス道徳思想 | 18世紀イギリス道徳思想は、道徳の基礎を人間本性に置くというホッブズの課題を引き継ぎつつ、ホッブズ的人間観の克服をも課題とした。その思想をシャフツベリからヒューム、スミス、リードまで追う。 | |
9 | 18世紀フランス啓蒙期の倫理思想とルソーの倫理思想 | 絶対王政下のフランスでは自由主義的なイギリス思想に学ぶ気風から啓蒙思想が盛んになり、後のフランス革命に繋がる。この回は主要な啓蒙主義の倫理思想と、それらとは一線を画するルソーの倫理思想を見ていく。 | |
10 | カントの道徳形而上学 | 理論哲学において大睦合理論とイギリス経験論を総合したとされるカントは、現代に続く義務論倫理学の基礎を築いた人物としても倫理学史において極めて重要な人物であり、この回はその倫理思想を見ていく。 | |
11 | ヘーゲルの国家論とその影響 | 「ドイツ観念論」の代表者ヘーゲルは、カント倫理学の中の様々な分裂を統合するために「国家」に依拠するという独自の思想を打ち出し、後世に大きな影響を与えた。この回はその思想と影響を見ていく。 | |
12 | ベンサムとミルの功利主義 | カントにやや遅れてイギリスで活躍したベンサムは、イギリス道徳思想の系譜を継ぐ一方、現代英語圏の倫理学の基盤である功利主義の創始者である。この回ではベンサムとその後のミルの古典的功利主義を学ぶ。 | |
13 | ニーチェの『善悪の彼岸』 | 19世紀末、「神は死んだ」と宣言し従来のすべての価値の転覆を図ったニーチェの倫理思想を、従来の倫理学のいわば総決算と位置づけて見ていく。 | |
14 | 20世紀以降の倫理思想のそれ以前との関わり | 最終回では、(秋学期「倫理学概説Ⅱ」のテーマとなる)現代倫理思想を、今期学んだそれ以前の倫理思想との関連から概観する。 |