シラバス参照/View Syllabus |
科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2023/08/29 現在/As of 2023/08/29 |
開講科目名 /Course |
ことばと思想1(マイノリティ言語の言語学)/LANGUAGE AND THOUGHT1(LINGUISTICS OF MINORITY LANGUAGE) |
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開講所属 /Course Offered by |
大学全カリ総合科目/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2023年度/2023 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
金1/Fri 1 |
開講区分 /semester offered |
春学期/Spring |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
1,2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
浅山 佳郎 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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浅山 佳郎 | 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
ディプロマ方針のための学位の裏付けとなる能力のうち,知識と技能としては,少数派言語という問題を通して社会に関する教養と異文化に関する知識および理解を身に付けること,思考力等の能力としては,言語の危機という問題を通して問題解決に必要な情報や知識を複眼的、論理的に分析する能力を獲得すること,社会的責任としては,言語の維持という問題を通して主体的に考え行動するができることを授業の目的とする。 カリキュラム方針としては,人間形成にとって必須と考えられる教養の学際的学修のうち,「ことばと思想」分野にあって,倫理観および文化の多様性を考える教養を養成するための授業である。全学共通授業科目のカリキュラム編成?実施方針としては,人間に関する概括的な知識の理解、およびさまざまな言語に関する知識の理解を目標とする。 具体的には以下のような内容をあつかう。 言語学のさまざまな分野のうち,本年度は特に少数派言語と言語の危機および消滅の問題を取り上げて考えたい。それによって,言語とはどういう「問題」なのか,言語を学的対象とするとはどういう「営為」なのか,といった,よりおおきな視点から考えることができるようにしたい。 テキストは使用しない。ただし本年度まで本学の語学教育研究所に客員研究員として滞在されている曲木威古氏が中国における少数派言語話者であるので,氏をお招きして氏の母語である彝語をケーススタディとして問題を考えたい。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
授業前に"manaba"を通じて課題が提示されるので,その課題に指示される調査または考察を準備したうえで授業に臨むことが求められる。 各回の授業は,まず担当教員の浅山または浅山とゲスト講師である曲木威古氏による各回のトピックに関する概説から始まる。その後,その説明に関する講師と参加者間の質疑応答を行う。つぎに,事前に提示されてある調査または考察課題について,クラス内で小グループを形成して議論をおこなう。その議論を経たうえで,当該課題について小レポートを提出するが求められる。なおこのレポートは"respon"によって行う。 提出されたレポートは次回の授業中で "respon" による質問への回答と同時にフィードバックされる。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
事前には,"manaba" で出題される毎回の課題に関する調査または考察を行うことが要求される。おおよそ2時間程度を見積もられたい。 事後には,授業であつかった問題について講義内容などを確認するとともに,他の参加者の解答を参考に再考し,授業内容に関する質問を "respon" で行うことが奨励される。やはりおよそ2時間程度を見積もられたい。 |
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テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
(1)期末レポート(40%): (2)授業内小レポート(40%):毎回の授業内小レポートを,適合性(課題に対して適合する内容の議論となっているか)と独自性(課題に対する自分なりの議論となっているか),および論理性(議論が単なる一点の主張ではなく根拠などを持つ展開となっているか)の3点から評価する。3点が相応に実現されていれば,A(10点)とし,未達成の項目があれば,B(7点)とする。なお未提出は0点とする。レポート全体の総計得点を40%相当に換算する。 (3)授業活動の積極性(20%):毎回の質問を1回につき4点として20点の上限まで加算し,20%相当とする。 |
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関連科目 /Related Subjects |
これ以前または以後の履修として,各学部ごとの科目はここでは触れないが,全カリ科目としては,以下のような科目がある。 歴史と文化1(国境を越えて移動する民),歴史と文化1(文化人類学a/b),ことばと思想1(応用言語学),ことばと思想2(日本語教育専門講読),歴史と文化1(異文化共存の模索),ことばと思想2(年少者日本語教育),ことばと思想2(日本語教育のための社会言語学) |
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備考 /Notes |
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到達目標 /Learning Goal |
ことばと思想に関する学問分野について、副題に示したテーマをもとに、21世紀型市民にふさわしい概括的な知識を習得し、今後の複雑な国内および国際情勢に対処していく方法について、論理的かつ創造的思考を持って対応できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | 言語学における”危機的言語”論の概説 | 言語とは何か,言語の研究とは何か,”危機的言語” の研究とは何かについて概説する。本授業全体への見通しをつけられるようにする。 | 事前学習としては,シラバスをよく読んでおくこと,事後学習としては,授業内容を確認し必要に応じて質問を提出することが求められる。 |
2 | 少数派言語,危機に瀕する言語とは何か |
世界全体の各種の言語における「少数派言語」を概観する。「少数派言語」と「言語の危機」の概念が分かり,言語の多様性について見解を持てるようにする。 | 「詳細情報」の「事前?事後学修の内容」に記述してあるので省略する。以下同様。 |
3 | 言語が消滅の危機を迎える理由 | 言語が消滅することの意味とその具体例およびその危機と消滅の原因を理解する。「言語の消滅」を把握するための見解を持てるようにする。 | |
4 | 消滅のへの過程 | 言語が消滅する危機を迎える際の過程,とくに突発的転覆(Tip)と漸次的減少(Attrition)を理解する。具体的な言語例へのこうした概念の適用考察ができるようにする。 | |
5 | 彝語とはどんな言語か | ゲスト講師である彝族の文化人類学者曲目威古氏による情報の提供に基づいて彝語という言語について理解する。中国の少数言語の例について見解を持てるようにする。 | |
6 | 彝語をめぐる社会的な状況 | ゲスト講師である曲目威古氏による情報の提供に基づいて,彝族社会における彝語の社会的使用およびその教育について理解する。少数派言語の教育について自身の見解を持てるようにする。 | |
7 | 少数派言語としての彝語 | ゲスト講師である曲目威古氏による情報の提供に基づいて,社会的な言語環境中における彝語の少数派言語としての位置について理解し,少数派言語の直面する問題につじて見解を持てるようにする。 | |
8 | 言語の消滅によって何が失われるか |
言語が消滅することによって何が失われるかという問題について,文化的損失と科学的損失という点から理解する。言語についての生態学的な視点を形成できるようにする。 | |
9 | 少数派言語に対して私たちに何ができるか | 危機的な言語に対する言語の維持,消滅した言語に対する言語の復活という方策について,具体例に基づき理解する。この問題に対する主体的な対応行動を考えることができるようにする。 | |
10 | 言語消失に伴う損失概念の彝語への適用 | ゲスト講師である曲目威古氏による情報の提供に基づいて,彝語の減少に伴う文化的損失の可能性の問題を考える。言語と異文化への積極的関与姿勢を獲得できるようにする。 | |
11 | 言語維持の概念の彝語への適用 | ゲスト講師である曲目威古氏による情報の提供に基づいて,彝語の現状に対してどのような維持方策がありうるか考える。言語の維持への積極的関与姿勢を獲得できるようにする。 | |
12 | 私たちの周囲の少数派言語 | 日本語の周囲における少数派言語または消滅言語についての情報を獲得する。ここまで学んだ内容を自身の社会および言語について適用できるようにする。 | |
13 | 少数派言語と世界の未来 | 少数派言語の維持による言語の多様性の確保が世界の未来のあり様についてどのような意味を持つか考える。少数派言語の問題を通して自分なりの言語観を形成できるようにする。 | |
14 | まとめ | 少数派言語と言語の危機という問題と少数派言語の例としての彝語についての議論をまとめ,生態学的な言語観を形成する。 | 事前学習としては,これまでの授業内容を振り返り不明確な部分を把握しておくこと,事後学習としては,期末レポートに向けた課題への考察を行うことが求められる。 |