シラバス参照/View Syllabus |
科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2023/08/29 現在/As of 2023/08/29 |
開講科目名 /Course |
ことばと思想2(日本文学作品研究d)/LANGUAGE AND THOUGHT2(STUDY OF JAPANESE LITERARY WORKS (D)) |
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開講所属 /Course Offered by |
大学全カリ総合科目/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2023年度/2023 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
月2/Mon 2 |
開講区分 /semester offered |
春学期/Spring |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
1,2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
浅山 佳郎 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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浅山 佳郎 | 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
(学部ポリシーとの関係) 学位授与方針と関わる能力としては,日本語と日本文化,中国語と中国文化に関する「知」に基づき、言語と文化の接触という課題について、主体的に考える問題解決能力の養成を目標とする。カリキュラムの編成?実施方針としては,日本と日本文化に関する総合的理解のうち,他言語他文化との接触というより応用的な課題をあつかう。 (授業の具体的な目的と内容) 日本人が古典中国語で著述した紀行文を読解する。読解テキストは細川潤次郎(1834-1923,幕末から明治期の学者,教育者)の『日光紀游』を使用する。この紀行は細川が文久元年(1861)に,日光に遊んだ時のエッセイである。 いわゆる「漢文」と呼ばれる作品であるが,日本の風景や風俗を「漢文」という他言語によって記述することの意味,作用,機序などを考える。具体的には以下の3点である。 (1)漢文を言語的なレベルで正確に読解できるようにする(どんな”意味”か) (2)記述された内容を事実的なレベルで確認できるようにする(それは”何処”か) (3)漢文作品を文学的なレベルで解釈できるようにする(なぜこの”表現”か) これによって,日本とは何であるか,漢字文化圏としての中国とは何であるか,言語や文化の接触とは何であるかについての知見を得るとともに考察を深化させられたい。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
(各回の授業形式および方法について) 発表担当者による読解演習の形式をとる。毎回2~3ページ(文字数で400~500文字)を読解していく予定である。担当者は,事前に指導に基づいて担当個所を読解し,その資料をワード文書で準備することが求められる。なおその資料は,担当の2日前までにmanabaで提出すること。 授業時には準備した資料に基づいて発表するが,その際には,テキストの読解だけでなく,その担当個所に関して,クラスの参加者と意見を交換できるような言語と文化の比較に関する「鑑賞」を指摘し,クラスでの議論に資するような内容にすることが求められる。この「鑑賞」に関して,教員から意見交換課題が提示されるので,受講者全員は合わせてその準備もされたい。 発表資料に対する教員からのコメントは,授業中に口頭で行われるとともに,必要に応じてmanabaに文書資料の形式で提示する予定である。授業中の意見交換についての教員からのコメントも同様である。 発表者以外の履修者も,当然ながらテキストを読解してから参加することが要求される。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
毎回予習として,テキストの当該箇所を読むことが求められる。さらに発表担当者は,精読したうえで,読解用の資料を作成しておくことも求められる。 テキストの事前読解と意見交換課題への考察に通常毎回2時間の予習が必要となり,教員からのコメントを確認する復習に毎回1時間を必要とする。なお発表担当者は担当時に,発表準備のためにさらに時間が必要となる(おおよその目安として,発表が2回あるとして,各回に6時間程度を見込まれたい)。 |
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テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
(1)期末レポート(40%);授業内容に基づいて,日本漢文による紀行文の鑑賞についてレポートの提出を求める。評価はユニークさ(具体的な作品内の記述について,独自の鑑賞のポイントを形成しているか),論理性(言語学的または文学的または歴史学的などの学的な議論として説得性があるか),実証性(議論に対してその根拠となる資料やデータが提示されているか)の3点による。3点が十分に達成されていれば,S(10点),不十分でも3点が実現されていれば,A(9点),一部に未達成の項目がある場合は,B(8点),3点の一部が全く欠如している場合は,C(7点)という4段階で評価し,40点に換算する。なお未提出は0点とする。 (2)平常点(40%);授業内での担当発表を,2段階,Good(準備が詳細であった,10点),Average(準備が読解を可能とするだけのレベルであった,7点)で評価し,複数回がある場合は平均したうえで,40点満点に換算し,評価に算入する。 (3)授業活動の積極性(20%);授業内での「鑑賞」の意見交換での積極性(発言したか否か)を,20点を上限として評価に算入する。 |
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関連科目 /Related Subjects |
この授業より前に履修していることが望ましい科目 日本研究概論Ⅰ?Ⅱ;言語文化学科科目(全カリ科目) この授業と前後して履修することが望ましい科目 日本文学論中世Ⅰ?Ⅱ;言語文化学科科目(全カリ科目) 日本特殊研究;言語文化学科科目 |
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備考 /Notes |
本来,文献は読めないことが前提となる。それを「読める」ようにすることが,「文献学」または「古典学」である。それに挑戦しようと考える学生諸君の参加を期待する。 |
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到達目標 /Learning Goal |
ことばと思想に関する学問分野について、副題に示したテーマをもとに、21世紀型市民としてふさわしい実践的な知識を習得し、今後の複雑な国内および国際情勢に対処していく方法について、論理的かつ創造的思考を持って対応できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | 漢文紀行文および「日光紀游序」 | 日本漢文の概説および『日光紀游』と細川潤次郎について講義するとともに,漢文を読むための参考図書類を紹介する。 | 事前にシラバスと「序文」を読んでおくこと(3時間)。 事後には参考図書類の使用可能性について各自確認すること(1時間)。 |
2 | 『日光紀游』1丁表~2丁裏 | 江戸から栗橋までの読解と鑑賞 なお担当教員による発表法についての提示と説明を行う。 |
事前にテキストの当該箇所を読んでおくこと(2時間)。 事後には発表方法の確認をすること(2時間)。 |
3 | 『日光紀游』3丁表~4丁表 | 栗橋から野木までの往路の読解と鑑賞 |
「詳細情報」の「事前事後学修の内容」に書いてある通りなので省略。以下同様。。 |
4 | 『日光紀游』4丁裏~5丁裏 | 真間田から徳次郎までの往路の読解と鑑賞 |
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5 | 『日光紀游』6丁表~7丁表 | 徳次郎から大沢までの往路の読解と鑑賞 |
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6 | 『日光紀游』7丁裏~8丁裏 | 大沢から善如寺谷までの往路の読解と鑑賞 |
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7 | 『日光紀游』9丁表~10丁表 | 東照宮参拝から二荒山神社渡御祭観覧前半までの読解と鑑賞 |
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8 | 『日光紀游』10丁裏~11丁裏 | 二荒山神社渡御祭観覧後半からいろは坂入口までの読解と鑑賞 |
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9 | 『日光紀游』12丁表~13丁表 | 女人堂から中禅寺湖までの往路の読解と鑑賞 |
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10 | 『日光紀游』13丁裏~14丁裏 | 中禅寺湖から湯ノ湖までの往路の読解と鑑賞 |
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11 | 『日光紀游』15丁表~16丁表 | 奥日光温泉めぐりの読解と鑑賞 |
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12 | 『日光紀游』16丁裏~17丁裏 | 奥日光からいろは坂入口までの帰路の読解と鑑賞 |
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13 | 『日光紀游』18丁表~19丁表 | いろは坂入口から慈雲寺までの帰路の読解と鑑賞 |
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14 | 『日光紀游』19丁裏~21丁表 | 日光から千住までの帰路の読解と鑑賞 |