シラバス参照/View Syllabus |
科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2023/03/22 現在/As of 2023/03/22 |
開講科目名 /Course |
言語文化論/LANGUAGE AND CULTURE |
---|---|
開講所属 /Course Offered by |
大学院/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2023年度/2023 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
月1/Mon 1 |
開講区分 /semester offered |
通年/Yearlong |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
浅山 佳郎 |
科目区分 /Course Group |
大学院科目 共通科目 |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
---|---|
浅山 佳郎 | 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
(研究科ポリシーとの関係) 研究科の学位授与方針と関わっては,共通科目として,言語と文化の分野において、適切な問題設定をおこなうことができるような基礎的な知見を獲得するための授業である。 (具体的な授業の目的?内容) 言語と文化について,言語サイドからの書籍を読解することで,基礎文献を理解できるようにするとともに,自分なりの知見と視点を形成することを目標とする。 春学期最初の南の『現代日本語文法の輪郭』は,現代日本語について独自のしかし普遍性の高い分析を行っている著者の名著である。文の階層という概念を考える。 次の松本の『言語をめぐる諸問題』は,現代日本の優れた言語学者である著者による言語類型から見る日本語についてのまとまった著作である。類型という問題を考えたい。 春学期最後の本居『うひ山ふみ/鈴野屋問答』は,言語論というよりは初学者への入門心得のような意味合いのものであるが,「日本」という概念の出発点でもある国学を理解するための必読書である。 秋学期最初のサールの『言語行為』は,言語の意味を考える基本文献である。「行為」としての言語という概念を考え,日本語の特性へと議論を進めたい。 ピンカーの『思考する言語』は,本来上中下の三巻であるが,ここでは上と中の2冊をとりあげる。言語学と心理学の接点の問題をあつかうことで,やはり日本語を相対化する。 最後のトマセロの『心とことばの起源を探る』は,進化論的言語学という視点から,言語の発生を考える最良の本である。この前のピンカーとあわせて読解することで,言語に対する基本的な視点を獲得する。 |
||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
(各回の授業形式および方法について) 「輪読」の形式をとる。毎回の授業分の読解を,履修者を指名するので,レジュメを用意して読解内容を発表されたい。担当教員から必要に応じて補足的なコメントが加えられ,その後,提示された読解発表に基づいて,自由な討議を行う。 |
||||||||||
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
全員が指定箇所を読み,それに対する自分なりの見解をまとめてくることが,事前に要求される。おおよそ各回2時間程度を見積もられたい。また輪番で指定される担当者には,当該箇所の問題点を整理するとともに,レジュメを用意することが事前学習として含まれる。もし各学期に3回の担当となったとすると,各回ごとに7時間程度を見積もられたい。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
|
||||||||||
テキスト2 /Textbooks2 |
|
||||||||||
テキスト3 /Textbooks3 |
|
||||||||||
参考文献等1 /References1 |
|
||||||||||
参考文献等2 /References2 |
|
||||||||||
参考文献等3 /References3 |
|
||||||||||
評価方法 /Evaluation |
授業への積極的な参加度,すなわち議論における発言(50%)と輪番で担当する問題整理の的確さ(50%)によって評価する。 | ||||||||||
備考 /Notes |
|||||||||||
関連科目 /Related Subjects |
|||||||||||
到達目標 /Learning Goal |
言語?文化の学際的領域における基礎文献を理解できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
---|---|---|---|
1 | 1. 文献読解という方法について |
概説とイントロダクション | 事前には,シラバスを読み,授業の概要についての質問を準備すること(2時間)。 事後には,使用テキストについて入手法も含めて調査すること(2時間)。 |
2 | 2. 南『現代日本語の輪郭』(1) 第1部Ⅱ「述語文の輪郭」まで |
日本語を対象として,述語とはそもそも何かを考える。 | 「詳細情報」の「事前事後学修の内容」に書いてある通りなので省略。以下同様。 |
3 | 3. 南『現代日本語の輪郭』(2) 第1部Ⅴ「名詞句の構造と種類」まで |
日本語を対象として,名詞句の機能とあり様を考える | |
4 | 4. 南『現代日本語の輪郭』(3) 第2部Ⅶ「判断段階を中心として」 |
日本語を対象として,述語が形成されたあとの発話を考える | |
5 | 5. 南『現代日本語の輪郭』(4) 第2部Ⅸ「終章」まで |
日本語の文法的な構造から,言語とは何か,日本語とは何かをまとめる | |
6 | 6. 松本『言語をめぐる諸問題』(1) 第1部「言語と民族」 |
言語という視点から民族という概念と,その多様性を考える | |
7 | 7. 松本『言語をめぐる諸問題』(2) 第2部「言語の類型と歴史」 |
世界の言語について,類型論という視点からの把握を考える | |
8 | 8. 松本『言語をめぐる諸問題』(3) 第3部「言語の構造と認知」 |
世界の言語における日本語の位置づけを言語学的な視点から行う | |
9 | 9. 松本『言語をめぐる諸問題』(4) 第4部「日本語?日本人のルーツを探る」 |
言語の多様性という視点から,日本語のルーツについての議論を考える | |
10 | 10. 本居『うひ山ふみ/鈴野屋問答録』(1) 『うひ山ふみ』前半(イ~リ) |
日本語について,日本内部の問題は何であったかを把握する | |
11 | 11. 本居『うひ山ふみ/鈴野屋問答録』(2) 『うひ山ふみ』後半(ヌ~ヤ) |
日本文化について,日本内部の問題は何であったかを把握する | |
12 | 12. 本居『うひ山ふみ/鈴野屋問答録』(3) 『鈴野屋問答録』 |
国学という方法論を視点に,日本の特性をどう把握するかを批判的に考える | |
13 | 13.日本語について | 日本語について,独自の問題点を析出することを目的に,3冊のまとめの議論をおこなう | 事前に,3冊の読解から自分なりの問題点を抽出し議論の準備をすること(4時間)。 |
14 | 14.日本について | 日本文化について,独自の問題点を析出することを目的に,3冊のまとめの議論をおこなう | 事後に,他の受講者の問題点について反省的に把握すること(4時間)。 |
15 | 15. 外からの視点という方法について |
概説とイントロダクション | 事前には,日本を考えるための視点という問題について考察しておくこと(2時間)。 事後には,使用テキストについて入手法も含めて調査すること(2時間)。 |
16 | 16. サール『言語行為』(1) 第三章「発話内行為の構造」まで |
発話行為という分析の視点を理解し,その射程を考える | 「詳細情報」の「事前事後学修の内容」に書いてある通りなので省略。以下同様。 |
17 | 17. サール『言語行為』(2) 第五章「述定」まで |
発話行為論の具体的な議論を理解する | |
18 | 18. サール『言語行為』(3) 第六章「現代哲学における三つの誤謬」 |
言語とはそもそも何か,言語学と哲学?心理学の接点を考える | |
19 | 19. サール『言語行為』(4) 第八章「事実から当為を導く議論について」まで |
発話行為論をまとめるとともに,できれば日本語に応用する | |
20 | 20. ピンカー『思考する言語』(1) 第2章「動詞構文から見える人間本性」まで |
動詞構文という視点から人間の認知のあり様をかんがえる | |
21 | 21. ピンカー『思考する言語』(2) 第3章「こころは意味をどう表象するか」 |
言語における意味の特性から人間の認知のあり様をかんがえる | |
22 | 22. ピンカー『思考する言語』(3) 第4章「世界認識の四つの方法」 |
言語と認知の関係をまとめることができるかを考える | |
23 | 23. ピンカー『思考する言語』(4) 第6章「名前をめぐる謎」まで |
人間の社会的な言語という行為?認知のあり様を考える | |
24 | 24. トマセロ『心とことばの起源を探る』(1) 第二章「生物学的遺伝?文化的継承」まで |
トマセロの議論の出発点を理解する | |
25 | 25. トマセロ『心とことばの起源を探る』(2) 第四章「言語的コミュニケーション~」まで |
言語の進化生物論的な議論の射程を理解する | |
26 | 26. トマセロ『心とことばの起源を探る』(3) 第六章「談話と表示上の再記述」まで |
発話された実際の言語について進化生物論的な議論の射程を理解する | |
27 | 27. トマセロ『心とことばの起源を探る』(4) 第七章「文化的認知」 |
言語を越えた言語の進化生物論的な議論をまとめる | |
28 | 28. 言語と文化について |
人間にとっての言語という視点から,3冊のまとめと議論をおこなう | 事前に,3冊の読解から自分なりの問題点を抽出し議論の準備をすること(4時間)。 |