シラバス参照/View Syllabus |
科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2024/08/29 現在/As of 2024/08/29 |
開講科目名 /Course |
交流文化論(エスニック?ツーリズム論)/STUDIES IN TOURISM AND TRANSNATIONAL |
---|---|
開講所属 /Course Offered by |
外国語学部/FOREIGN LANGUAGES |
ターム?学期 /Term?Semester |
2024年度/2024 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
水2/Wed 2 |
開講区分 /semester offered |
秋学期/Fall |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
須永 和博 |
遠隔授業科目 /Online Course |
- |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
---|---|
須永 和博 | 交流文化学科/TOURISM AND TRANSNATIONAL STUDIES |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
※他学科生の履修も歓迎ですが、交流文化学科の専門科目であることを十分理解した上で履修してください。また演習形式で行われるため、グループワーク等に積極的に参加することが履修の条件となります。 本講義は、野外民族博物館「リトルワールド」(愛知県犬山市)への研修旅行を通じて、世界各地の幅広い地誌学的?民族誌的知識を習得するとともに、異文化展示や表象の問題点や可能性について考えることを目的としています。 リトルワールドには、世界30以上の地域?民族の家屋や生活道具が移築?復元されています。受講生は、そのなかから1つの地域?民族を選び、その生活文化全般について文献研究を行ないます。その上で、博物館にて(展示制作に関わった人類学者/学芸員へのインタビューを含む)フィールドワークを実施し、学期末にはその成果をミニ?エスノグラフィにまとめます。 たとえば、ミクロネシアのヤップ島では、現在でも石貨が使われています。リトルワールドでは、持ち運びできないほどの巨大石貨が展示されていますが、これらはどういう場面でどうやって使用するのでしょうか。また、サモアの伝統家屋には壁がなく、中の様子が筒抜けです。では、プライバシーはどのように確保されているのでしょうか。そもそもプライバシーという概念は、普遍的なものなのでしょうか。あるいは、西アフリカのカッセーナにみられるような一夫多妻制の家族は、どのような家屋に暮らし、どのように家族関係が維持?再生産されているのでしょうか。これらは、いずれも人類学者自身が問うてきたことでもあり、リトルワールドの博物館展示や資料を読み解くことで、人類学的な研究の一端を知ることができます。 本講義では、こうしたリトルワールドの展示を題材に、人類学者が行ってきたフィールドワーク─人類文化の多様性と普遍性について自らの身体を使って考察していくこと─を、擬似的に体験してもらうことで、異文化理解に必要なリテラシーや想像力を磨いていきます。 民族文化を展示する博物館(民族学博物館)は、植民地主義を背景に19世紀後半に誕生しました。それゆえ民族博物館には、西洋社会が一方的に植民地の人々や文化を展示するという権力関係が内包されていましたし、他者理解を促すよりもステレオタイプの強化につながってしまうという問題もありました。こうした博物館展示に対しては、1990年代後半から展示される側の人々から異議申し立てがなされ、現在では博物館と展示される側の人々が協働で展示を制作していくような動きが主流になりつつあります。 リトルワールドの展示もまた、展示される側の人々との協働を強く意識しており、文化発信や文化継承の場としても機能しているものもあります。研修旅行では、リトルワールドの人類学者/学芸員へのインタビューや収蔵庫見学などを通じて、博物館展示が制作される具体的なプロセスについて考えるとともに、異文化表象のポリティクスについて自覚的になるとともに、文化発信や文化継承という視点から、博物館という制度がもっている可能性についても考えていきたいと思います。 |
||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
本講義は、リトルワールドへの研修旅行を中心とした科目のため、研修旅行への参加が、履修の条件となります。現在のところ、現地での研修は12月7日(土)、8日(日)を予定しています。7日朝から研修活動を行えるよう、往路は12月6日(金)発の夜行バスを利用します(帰路は新幹線利用)。 授業はグループワークやプレゼンテーションなど演習形式で行われるため、原則として対面で実施します。録画配信等はしません。 資料の共有や授業関係の連絡は、manabaを通じて行います。 |
||||||||||
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
毎週1時間程度、リトルワールドに展示されている諸地域?民族集団の民族誌を読むこと。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
|
||||||||||
テキスト2 /Textbooks2 |
|
||||||||||
テキスト3 /Textbooks3 |
|
||||||||||
参考文献等1 /References1 |
|
||||||||||
参考文献等2 /References2 |
|
||||||||||
参考文献等3 /References3 |
|
||||||||||
評価方法 /Evaluation |
平常点(70%)、期末レポート(30%)。 ただし、4回以上の欠席で単位認定の条件を失う。 |
||||||||||
関連科目 /Related Subjects |
ツーリズム人類学 | ||||||||||
備考 /Notes |
|||||||||||
到達目標 /Learning Goal |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
---|---|---|---|
1 | 趣旨説明?グループ分け | 研修旅行の趣旨説明、グループ分け等を行う。 | |
2 | 講義1:文化人類学の歴史 | 他者表象という視点から、文化人類学の歴史を振り返り、その現状と課題について理解を深める。 | |
3 | 講義2:民族誌展示の歴史 | 他者表象という視点から、ミュージアムの歴史を振り返り、その現状と課題について理解を深める。 | |
4 | 映像資料:国立民族学博物館の取り組み | 国立民族学博物館を紹介する映像資料を題材に、現代人類学や民族学博物館の課題について議論する。 | |
5 | 文献輪読1:第1章 | 『文化人類学キーワード』の輪読を通じて、文化人類学の基礎的な概念?視点を習得する。 | |
6 | 文献輪読2:第2章 | 『文化人類学キーワード』の輪読を通じて、文化人類学の基礎的な概念?視点を習得する。 | |
7 | 文献輪読3:第3章 | 『文化人類学キーワード』の輪読を通じて、文化人類学の基礎的な概念?視点を習得する。 | |
8 | 文献輪読4:第4章 | 『文化人類学キーワード』の輪読を通じて、文化人類学の基礎的な概念?視点を習得する。 | |
9 | 研究発表1:グループ1 | リトルワールドの展示の中から、各自が選んだ地域?民族集団に関する文献研究の成果を報告する。 | |
10 | 研究発表2:グループ2 | リトルワールドの展示の中から、各自が選んだ地域?民族集団に関する文献研究の成果を報告する。 | |
11 | 研究発表3:グループ3 | リトルワールドの展示の中から、各自が選んだ地域?民族集団に関する文献研究の成果を報告する。 | |
12 | 研究発表4:グループ4 | リトルワールドの展示の中から、各自が選んだ地域?民族集団に関する文献研究の成果を報告する。 | |
13 | リトルワールド研修旅行 | リトルワールドにて、学芸員の方へのインタビューや収蔵庫見学を踏まえ、展示が作られるプロセスについて理解を深める。さらに、各自が選んだ展示について、その内容や制作プロセス等について発表する。 | |
14 | まとめ:他者を語ることの詩学と政治学 | リトルワールド研修旅行を踏まえ、民族誌展示の課題や可能性について改めて確認する。 |