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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2024/08/29 現在/As of 2024/08/29 |
開講科目名 /Course |
言語?教育特殊講義a/SPECIAL LECTURE ON LINGUISTICS AND LANGUAGE TEACHING (A) |
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開講所属 /Course Offered by |
外国語学部英語学科/FOREIGN LANGUAGES ENGLISH |
ターム?学期 /Term?Semester |
2024年度/2024 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
火2/Tue 2 |
開講区分 /semester offered |
春学期/Spring |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
安井 美代子 |
遠隔授業科目 /Online Course |
- |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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安井 美代子 | 英語学科/ENGLISH |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
本講義は、英語学科の教育課程の編成?実施の方針(CP)や学位授与方針(DP2)が示す「英語の運用能力を養成し、英語圏の言語?文学?文化?社会?国際関係などを理解するための専門知識を身につけた、国際的視野に立つ教養人を育成する」、とりわけ日英語比較統語論分野での分析能力を身につけることを目的にします。 具体的には、2021年2月10日現在、Google翻訳で(1)を入力すると(2)が返ってきました。 (1) John saw a man with a binocular/gun. (2) ジョンは望遠鏡?銃を持った男を見た 望遠鏡も銃も男が持っているという解釈ですが、望遠鏡に関してはジョンが持っていてそれを使って男を見たという解釈の方が自然だと思います。更に悪いことに、2024年1月30日現在、Google翻訳は、(3)に対しては(4)を返してきます。 (3) John ate a cake in the cabinet/kitchen. (4)ジョンは戸棚?台所でケーキを食べました。 「戸棚で」は明らかな誤訳です。英語をスペイン語、フランス語などに翻訳する際、この種の困難は生じません。単語の置き換えだけでほぼ正解の翻訳が得られます。しかし、Google翻訳が(1)や(3)の構造の曖昧性、意味的妥当性について理解していることにはならないでしょう。逆に(5)は袋小路文と呼ばれ、barnまでの解釈がfellで覆され、人間にとって理解困難ですが、Google翻訳は難なく途中までの解析を修正します。 (5) The horse raced past the barn fell. 人間が(5)の理解に困難を感じるということは、通常はうまく働く無意識の戦略をもっていることを示しています。この授業ではこのような人間の言語能力の本質について考察していきます。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
教室での対面授業を基本とします。 ハンドアウト配布、レポートの出題と回収はManabaで行います。指定のテキストはありません。 講義の後半にはレポート課題を出します。授業内に討議後、各自でレポートとしてまとめ、Manabaに提出します。フィードバックはManaba及び講義で行います。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
事前にManabaからハンドアウトをダウンロードして予習してください。Manabaのビデオ講義を視聴、もしくは教室での講義後に、レポート課題に各自で取り組み、Manabaに提出してください。(事前学習1時間、事後学習2時間が目安) | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
毎回の授業後にManabaに提出するレポート課題(40%)、学期末試験(60%) | ||||||||||
関連科目 /Related Subjects |
シンタクスa,bの既修もしくは併修が望ましい。 | ||||||||||
備考 /Notes |
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到達目標 /Learning Goal |
英語学の特定分野(統語論,音声学,音韻論,意味論,コーパス言語学,機能主義言語学,母語獲得,第二言語獲得,日本語との比較など)に関して専門知識を習得し、分析?論証できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | 連用修飾と連体修飾 |
動詞句内の前置詞句が動詞にかかる場合と目的語にかかる場合について学ぶ | |
2 | 英語の袋小路文 |
The horse raced past the barn fellなどの解析困難性について学ぶ | |
3 | 英語の多義文 |
John saw a man with a binocular/gunなどの構造的曖昧性について学ぶ | |
4 | 日本語の多義文 | 日本語に袋小路文が少ないことを学ぶ | |
5 | 日英語の局所的?全体的曖昧性 |
具体的な日本語、英語の文を使って、文の最初から統語解析をした場合どのような曖昧性が途中で生じるか分析する | |
6 | 袋小路文と多義文の違いについて | 1−4週の講義内容の確認をする | |
7 | 意味(theta)役割よる分析 |
英語の袋小路文の解析困難性を意味役割で分析するPritchettの理論の基礎を学ぶ | |
8 | 局所的曖昧性:目的語と主語 |
目的語と主語の局所的曖昧性を意味役割の観点から分析する | |
9 | 局所的曖昧性:補文節と関係節および主節と従属節 | 補文節と関係節の局所的曖昧性を意味役割の観点から分析する | |
10 | Prichettの理論による袋小路文の分析 | 6−9週の講義内容の確認をする | |
11 | 語順と統語解析 | 語順が統語解析に与える影響についてHawkinsの理論に沿って学ぶ | |
12 | 日英語の関係節と統語解析:空範疇と残留代名詞 | 2種類の関係節と統語解析の関係について学ぶ | |
13 | 他言語の関係節と統語解析 |
語順と関係節の種類の相関関係を統語解析の観点から考察する | |
14 | 復習と学期末試験 | 講義内容を復習し、試験で理解度を示す |