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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2024/08/29 現在/As of 2024/08/29 |
開講科目名 /Course |
外国経済史b(環経学科用)(23以前)/FOREIGN ECONOMIC HISTORY(B) |
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開講所属 /Course Offered by |
経済学部国際環境経済学科/ECONOMICS ECONOMICS ON SUSTAINABILITY |
ターム?学期 /Term?Semester |
2024年度/2024 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
水2/Wed 2 |
開講区分 /semester offered |
秋学期/Fall |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
西牟田 祐二 |
遠隔授業科目 /Online Course |
- |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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西牟田 祐二 | 経済学科/ECONOMICS |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
本講義のテーマは、外国経済史aを引き継いで、国際金融史から見た世界経済史である。特にその主体と歴史的行動に着目する。焦点は、とりわけ国際的な投資銀行業務である。一般に銀行業務は、商業銀行業務(預金銀行業務)と投資銀行業務に分かれるが、この両者は国によって関係のあり方が異なっていた。しかし、20世紀が進展するにしたがって、投資銀行業務と商業銀行業務の連携や兼営(「ユニバーサル?バンキング」)の事例が目立ってきた。世界大恐慌や第二次世界大戦の激動の渦中にも、国際金融は制度的にもプレーヤーにおいても進化を見せた。そうした中で「ニクソン?ショック」後に進展した金融自由化は、世界経済のグローバル化を完成するかに見えた。にもかかわらず、われわれの目の前には不透明感を増す現状がある。本講義は、国際的な諸投資銀行の歴史的活動の追跡を通じて、世界経済のグローバルなパワーシフト(重心移動)が起こるメカニズムを解明し、以って現状を分析する視点を獲得することをめざす。これを通じて、経済学部のDPで言うところの「豊かな歴史観、多文化の理解、現実に発生する多種多様な諸問題の解決を図り、社会に貢献する能力の育成」に資することをめざす。また本科目は経済学部のCPの上で専門科目として位置づけられている。 | ||||||||||
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
本講義は対面で毎回水曜日第2限(10:55~12:35)に指定教室で行なう。毎回のパワーポイントスライドはmanabaコースコンテンツ欄に保存するが、録画配信は行わないので注意されたい。下記した事後毎回小レポートで提出された疑問点?質問点については原則として次の回の講義でフィードバックを行なう。 | ||||||||||
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
事後毎回、授業の感想と疑問点?質問点をワープロ文書(A4一枚1000字以内)で書いた小レポートを作成し、manabaレポート提出欄にファイルで提出する(期限は金曜17:00)。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
毎回の小レポート提出を前提として、期末筆記試験によって評価する。評価の内容の基準は、外国経済の歴史について専門知識を習得し、外国経済の展開過程やその要因等について事実を分析の上、自己の見解を提示できるようになることである。 | ||||||||||
関連科目 /Related Subjects |
外国経済史a、外国経営史a、外国経営史b | ||||||||||
備考 /Notes |
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到達目標 /Learning Goal |
外国経済の歴史について専門知識を習得し、外国経済の成長過程やその要因等について分析のうえ、見解を提示できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | はじめに | 投資銀行業務、商業銀行業務の概念と両者の関係の多様性について。 現在における金融システムの激変のポイントについても論じる。 | |
2 | 国際金融センター?ニューヨークの勃興 | ニューヨークの新興投資銀行とその特色 | |
3 | 世界大恐慌(1929年~1933年)と米グラス=スティーガル法 | 投資銀行業務と商業銀行業務の連携、結合が対外投資の急拡大と急縮小をもたらしたこと、それゆえに1933年銀行法(グラス=スティーガル法)で両者の分離が定められたことを論じる。 | |
4 | 1930年代の債務再交渉 | 1920年代にアメリカ?ニューヨーク市場から巨大な規模の対外証券投資が行なわれた。その多くが1930年代にデフォルト(債務不履行)に陥った。従って1930年代を通じて多数の債務再交渉が行なわれた。 | |
5 | 第二次世界大戦期の国際決済銀行Bank for International Settlements | 1930年に各国の中央銀行によって設立された国際決済銀行(BIS)は、第二次世界大戦期にも連合国?枢軸国の両陣営を跨いで活動を継続した。いかにしてそれが可能であったかを論じる。 | |
6 | 1944年ブレトンウッズ会議のめざしたもの | アメリカ側のホワイト案、イギリス側のケインズ案の対抗と本来BISに代わるべき存在として期待された国際通貨基金(IMF)の目的について論じる。 | |
7 | 1947年「マーシャル?プラン」とヨーロッパ統合の出発 | IMFの枠外で打ち出されたヨーロッパ復興計画の性格について論じる。 | |
8 | 1953年「ドイツ対外債務に関するロンドン協定」の意義 | 「マーシャル?プラン」によって復興軌道を定置されたドイツによる戦前期の対外債務の支払い再開が「ドイツ再統一まで非公開の協定」によって決められたことを論じる。 | |
9 | ユーロ?ダラー、ユーロ?ボンドとロンドン?シティの復活 | 「ロンドンではあらゆる通貨建ての証券を発行できる」という特別の選択によって国際金融センターとして復活したロンドン?シティについて論じる。 | |
10 | 1971年「ニクソン?ショック」(金ドル交換停止)と1980年代の「ビッグ?バン」(金融自由化) | 自由な外国為替市場の形成によるグローバリゼーションの「完成化」について論じる。 | |
11 | 1999年グラス=スティーガル法廃止とユニバーサル?バンキングの一般化 | 投資銀行業務と商業銀行業務の結合によるメガ金融機関の形成の意義と問題点について論じる。 | |
12 | 2000年中国のWTO加盟の意義 | 冷戦終結による真のグローバリゼーションの始まりと見なされた過程を振り返る。 | |
13 | 2008年「リーマン?ショック」とその後 | 「リーマン?ショック」後の調整過程の不十分性について論じ、「1929年世界大恐慌の教訓は果たして学ばれたのか?」についても論じる。 | |
14 | 米中関係の考察:関与政策か対立か?デジタル?キャッシュと国際決済制度のゆくえ~まとめ | 不透明さを増す米中関係に関して、これまでの考察で得られた視点をもって分析する。 |