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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2024/08/29 現在/As of 2024/08/29 |
開講科目名 /Course |
国際NPO論b/INTERNATIONAL NPO(B) |
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開講所属 /Course Offered by |
経済学部国際環境経済学科/ECONOMICS ECONOMICS ON SUSTAINABILITY |
ターム?学期 /Term?Semester |
2024年度/2024 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
金5/Fri 5 |
開講区分 /semester offered |
秋学期/Fall |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
長瀬 理英 |
遠隔授業科目 /Online Course |
- |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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長瀬 理英 | 国際環境経済学科/ECONOMICS ON SUSTAINABILITY |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
学位授与方針(DP)に関する能力として、持続可能な発展のための国際社会システムの構築を探り、国際的な政治社会?経済社会?市民社会の相互依存関係において問題を捉える能力を身につける。教育課程の編成?実施方針(CP)にしたがって、環境に対する責任と正しい認識に基づき、持続可能な社会の実現を目指して、地域社会や国際社会に貢献できる実践的な人材を育成する。特に、国際NPOの取り組みについて具体的事例を踏まえながらも理論的背景について考察していく。「貧困」をテーマに取り上げ、まず、「貧困」とは何か、様々な定義があること、定義の違いによって取り組み方にも違いがあることが理解できる。 主なアプローチには、主流にある経済成長アプローチ、新しい枠組みを提供しているケイパビリティ?アプローチおよびこれに基づく「人間開発」や具体的実践として国際NPOを中心に取り組まれている「持続可能な生計」や「権利に基づくアプローチ」がある。「ドーナツ経済」など持続可能な開発についての新しいパラダイムも視野に入れる。 また、直接的な支援のほかに、アドボカシーとして政府や企業の政策に影響を与えていくアプローチも検討する。「持続可能な開発目標」(SDGs)や「企業の社会的責任」(CSR)に対し国際NPOがどのような取り組みをしているか、理解できる。 概念的な把握だけでなく、具体的な事例を踏まえ、各々のアプローチが実際に生じている問題を解決するうえでどのように有効か、または有効でないかについて考え、自分が国際NPOであればどのようなアプローチをとるか、どのような効果が期待できるかについて考えることができる。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
対面形式とオンデマンド形式とを交互に組み合わせたブレンド形式とする。オンデマンド形式では講義を通じ資料について理解し、動画を視聴し課題に回答する。オンデマンド形式の授業にはオンライン参加も可能で、録画配信する。対面形式では課題回答に加え、講義を通じて提供される追加的知識を踏まえ、グループ討論を行う。今年度の対面授業ではハイフレックス型はとらない。 オンデマンド形式の授業で課題を出し、manabaのレポート機能を通じて各受講生が提出する。実際に現場で起きている事実を紹介するとともに、その事実を評価するためにいくつかの原則/原理および理論を紹介する。受講生ひとりひとりが、映像を含めた教材を踏まえて自分の頭で考え、自分だったらどうするか、それはなぜかについて明確に、論理的に考えることを促す。講師は同レポート機能を通じて各回答にフィードバック(コメント)する。 対面形式の授業では、課題回答に関する全体的なコメントを行い、回答を基礎として、これに新たな知識を加え発展させる形でグループ討論に導く。グループ討論では、正解のない課題について討論することで、考える力を鍛え、議論する力を養う。 教室に居ながらにして「貧困」の実相を知る手段としてドキュメンタリー映画『ダーウィンの悪夢』を視聴し、その他の調査?研究の結果を紹介しながら、「貧困とは何か」について考える。また、2016年に日本国内で論議を呼んだ「貧困女子高生」をとりあげ、映像資料などを通じて、絶対的貧困、相対的貧困、自由(潜在能力)の貧困の概念と違いを理解する。 そのうえで、最近の「人間開発」など新しい取り組みの理論的根拠となっている「ケイパビリティ?アプローチ」について事例や演習を通じて理解するとともに、応用としての「人間開発」、「持続可能な生計アプローチ」などについて事例を踏まえて理解する。 「国際NPO論a」と関連はするが、特に受講の前提とはしない。したがって、「国際NPO論a」をとっていなくても受講可能。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
上記「授業の形式?方法」に沿って、資料を読み動画を視聴し課題に回答する(約2.5時間)。資料を読み動画を視聴し、討論に参加できるよう予習しておくこと(約2時間)。復習や課題への取り組みを通じて理解できないことがあれば、質問できるようにしておくこと(約1時間)。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
平常点:70% (課題回答35%、授業参加35%)、期末レポート:30% 課題回答は、5点×7回=35点満点とする。コピーアンドペーストや他人回答の利用は盗用とし不可とする(引用/参考文献を明示すること) 授業参加は、5点×7回=35点満点とする。出席だけでなく、討論での発言を重視する。 期末レポートは、論文形式、論理、設問応答、自分の考えから評価する。コピーアンドペーストや他人回答の利用は盗用とし不可とする(引用/参考文献を明示すること) |
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関連科目 /Related Subjects |
国際NPO論a | ||||||||||
備考 /Notes |
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到達目標 /Learning Goal |
国際NPO(非営利組織)に関する専門知識を習得し、国際的なNPOの事業や活動等について分析のうえ、見解を提示できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | イントロダクション/オリエンテーション:対面授業(講義と演習) | 授業の概要。NPOとは何かについて理解する。国際開発協力のパラダイムの変遷:市場中心→人間中心/人権→持続可能性(環境?社会を基盤とする「ドーナツ経済」)演習テーマ:SDGsからみるパラダイムシフト | 「非/Non」について積極的な意味?意義があることを振り返ること。 |
2 | 「貧困とは何か」(1)ヴィクトリア湖周辺住民の生活ー生態系と生計の変化:オンライン/オンデマンド講義 | ドキュメンタリー映画『ダーウィンの悪夢』の前説、私たちとの関係、前半部の視聴。 | ドキュメンタリー映画の内容について「あってはならない状態とは何か」、「そうした事態はなぜ生じたのか」について振り返ること。 課題:「貧困」とはどういう状態か |
3 | 「貧困とは何か」ヴィクトリア湖周辺住民の生活―漁民および妻子への影響(2):対面演習 | 『ダーウィンの悪夢』後半部の視聴。事実の補足?深掘り。 テーマ: ヴィクトリア湖で暮らす人々の暮らしに、ナイルパーチとその加工産業はどのような影響を及ぼしたか、主な登場人物ごとに考えてみよう |
「あってはならない状態とは何か」、「そうした事態はなぜ生じたのか」について振り返ること。特に、補足された事実を踏まえて深掘りすること。 |
4 | 「貧困とは何か」(3)貧困のとらえ方とはかり方:オンライン/オンデマンド講義 | 『ダーウィンの悪夢』から「貧困とは何か」について考える。「絶対的貧困」、「相対的貧困」からはとらえれれないあ「あってはならない状態」としての「貧困」。 | さまざまな「貧困」の定義と、違いについて理解すること。 課題:映画『ダーウィンの悪夢』の漁師の妻をめぐる問題 |
5 | ケイパビリティ?アプローチの視点と取り組み(1)絶対的/相対的/ケイパビリティの貧困:対面演習 | 日本国内における「貧困女子高生」をめぐる論議について、「絶対的貧困」、「相対的貧困」、「ケイパビリティからみた貧困」について考える。 テーマ:「夢を持てない子ども」と「夢を追えない子ども」 |
「貧困女子高生」をめぐる論議について、『NHKニュース』、NHK『見えない貧困』、フジドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』の視聴を通じ、自分なりに「貧困」の違いを振り返ること。 |
6 | ケイパビリティ?アプローチの視点と取り組み(2)ケイパビリティ?アプローチとは何か:講義 | ケイパビリティ?アプローチとは何か。定義、所得アプローチとの比較。フランスなどにおける実際の適用事例。 | ケイパビリティ?アプローチという複雑な考え方の基本について理解すること。 課題:ストリートチルドレンの福祉とエイジェンシー |
7 | ケイパビリティ?アプローチの視点と取り組み(3)演習①:対面演習 | さまざまな事例を用いてケイパビリティ?アプローチについての理解を深める。 テーマ:「本を読むことができる」について自分でケイパビリティ?アプローチを適用してみる。 |
事例や演習を通じて、ケイパビリティ?アプローチをどこまで理解しているか確認すること。できていない場合、積極的に質問すること。 |
8 | ケイパビリティ?アプローチの視点と取り組み(4)演習②:オンライン/オンデマンド講義 | 韓国子どもコミュニティセンターの事例などを通じて「夢を見ることができる」について考える | 事例や演習を通じて、ケイパビリティ?アプローチをどこまで理解しているか確認すること。できていない場合、積極的に質問すること。 課題:韓国NPOと「将来の夢を描くことができる」「達成感が得られる」こと |
9 | ケイパビリティ?アプローチの視点と取り組み(5)ケイパビリティ?アプローチによる支援:対面演習 | 『ダーウィンの悪夢』に出てきた、所得アプローチでは解決できない「貧困」に対するケイパビリティ?アプローチを用いた取り組みの成功例 テーマ:『ダーウィンの悪夢』の漁師の妻への支援 |
所得アプローチでは解決できなかった問題にケイパビリティ?アプローチが有効であることを理解すること。 |
10 | ケイパビリティ?アプローチに基づく人間開発:オンライン/オンデマンド講義 | 「人間開発」の定義とケイパビリティ?アプローチおよび持続可能な開発。国際開発協力への寄与。 | 人間開発の理論的根拠にケイパビリティ?アプローチがあることを理解し、日本語訳の定義の間違いに気づくこと。 課題:人間開発アプローチの長所と短所 |
11 | 開発協力型国際NPOの取り組み(1)持続可能な生計:対面演習 | ケイパビリティ?アプローチを実践的に応用したアプローチの紹介。第8回で紹介した成功事例への適用。 テーマ:持続可能な生計からSDG2飢餓の問題を分析する |
複雑なケイパビリティ?アプローチを実践用に簡易化したアプローチについて理解すること。 |
12 | 開発協力型国際NPOの取り組み(2)権利に基づくアプローチ:オンライン/オンデマンド講義 | 近年国際NPOに注目されてきたアプローチの紹介。ニーズ?アプローチとの比較。ネパールの債務奴隷廃止への適用事例。 | 権利に基づくアプローチの有効性と課題/限界、ディレンマについて理解すること。 課題:シャプラニールとアクション?エイドの活動のそれぞれ長所と短所 |
13 | アドボカシー型国際NPOの取り組み(1)持続可能な開発目標(SDGs):対面演習 | 持続可能な開発目標とは何か。「ドーナツ経済」とは何か。ミレニアム開発目標MDGs)との関連。日本政府に対する日本の国際NPOのアドボカシー事例。 テーマ:日本政府の子どもの貧困対策へのアドボカシー |
SDGsへの日本の市民社会の取り組みを通じ、自分自身の事柄としてとらえなおしてみること。 |
14 | アドボカシー型国際NPOの取り組み(2)企業の社会的責任(CSR):オンライン/オンデマンド講義 | 企業の社会的責任とは何か。オリンピックと関連した国際NPO取り組み事例:関連動画『クローズアップ現代』視聴 | 企業の社会的責任の促進には、国際NPOが重要な役割を果たす場合があることについて振り返ること。 課題:国際NPOのアシックス社へのアドボカシー |