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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2024/08/29 現在/As of 2024/08/29 |
開講科目名 /Course |
財政学b/PUBLIC FINANCE b |
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開講所属 /Course Offered by |
法学部総合政策学科/LAW POLICY STUDIES |
ターム?学期 /Term?Semester |
2024年度/2024 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
木2/Thu 2 |
開講区分 /semester offered |
秋学期/Fall |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
野村 容康 |
遠隔授業科目 /Online Course |
- |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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野村 容康 | 経済学科/ECONOMICS |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
本講義では、財政赤字、税制改革、年金改革、公共事業といったわが国の財政問題を考えていく際の手掛かりとなるように財政学の基礎的事項について概説する。財政の果たすべき機能と日本における基礎的な制度について理解を深め、現実に日本や他の諸外国が直面する財政問題について考える力を養う。 当学期は、政府収入の中で最も重要な租税に関する議論に焦点を絞り、課税の根拠、租税原則、規範的な租税理論、日本における基幹税の仕組み、改革の方向性等について検討する。 この授業は、経済学部経済学科の学位授与方針(DP)および教育課程の編成?実施方針(CP)が示す「問題解決を図ることを通じて自己を発展させ、社会に貢献する能力」を身につけるために、専門教育の一環として、現代財政に関する諸問題を分析するために必要な専門知識を習得することを目指すものである。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
対面授業を原則とするが、学内講義支援システムmanabaを通じて、音声付きパワーポイントなどの資料を配信する場合がある。授業は、配布資料等に基づき講義を中心として進める。一定のテーマが終了した段階で、学習内容に関する理解度を確認し、多角的?発展的な思考を促すために、レポート課題を問いてもらう。レポート課題の提出、解答ポイントの公表などのフィードバック、授業に関するアナウンスはmanabaを利用する。質疑応答と議論については、授業時以外にもmanabaの掲示板を通じて行う。 | ||||||||||
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
前回の講義で解説した専門用語について復習し、理解しておくこと。 予めテキストの該当箇所を読み、自らの問題意識をもって講義に臨むこと。 音声付き資料を配信する場合には、ビデオの終わりに例題が課せられるので、原則として1週間後に公表される解答例と照らし合わせることにより復習する。 14週の授業期間のうち、事前学習に1時間、中間レポート作成を含む事後学習に3時間、期末レポートの準備のための4時間、合計60時間の授業外学習を基本とする。 |
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テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
原則として、期末筆記試験(70%)とレポート課題(30%)に基づき評価する。 期末レポートの評価ポイントは、①授業内容に基づいていること、②基本的な用語?定義を習得していること、③論述については論理が明確であること、などを基本とする。中間レポートについては、①資料に基づく場合は、当該資料の内容を正確に把握し、論点を的確に記述しているか、②テキストに基づく場合は、テキストの内容を正しく要約するとともに、最新の状況に関する知見を的確に加えているか、といった点を重視して評価する。 |
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関連科目 /Related Subjects |
近接科目として「公共経済学」、「地方財政論」があるほか、財政?租税政策については「経済政策論」、租税と金融経済の関わりについては「金融論」「金融システム論」がそれぞれ参考になる。 | ||||||||||
備考 /Notes |
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到達目標 /Learning Goal |
国家財政の現状?動向、ならびに、国家財政に関する近時の政策を正確に解釈し、個別の事象について見解を示すことができるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | 租税とは-オリエンテーション | 租税とは何か、どのように定義すべきかについて考察し、当学期授業の到達目標を確認する。 | 「租税」が備える条件とその概念について再度テキストで確認すること。 |
2 | 租税の根拠と負担配分 | 代表的な財政学説に依りながら、租税負担の根拠と公平な負担配分に関する考え方について考察する。 | 「利益説」「能力説」の違いについて再度テキストで確認すること。 |
3 | 租税の基礎的概念 | 租税分析を行うにあたって必要となる、租税の分類方法と基本的な税率構造の違いについて解説する。 | 租税の種類と累進課税の意味について再度テキストで確認すること。 |
4 | 課税の水平的公平 | 水平的公平の意味内容を明らかにしたうえで、個人所得税を例にとり、水平的公平を追求するにあたっての解決すべき課題について考察する。 | 水平的公平を達成することの難しさについて、テキストを読んで理解を深めること。 |
5 | 課税の垂直的公平 | 垂直的公平の意味内容を明らかにしたうえで、税制の累進性が何によって決められるべきか考察する。 | 垂直的公平の多義性についてテキストを読んで理解を深めること。 |
6 | 課税の中立性 | 課税の中立性の意味内容について明らかにし、超過負担の発生原因などについて考察する。 | 「超過負担」の概念について再度テキストを読んで確認すること。 |
7 | 公平と中立のトレードオフ | 個別消費税の設計問題を例にとり、垂直的公平性と中立性のトレードオフが生じる理由について検討する。 | 授業で取り上げられた事例以外に、公平と中立のトレードオフが生じる具体例について考えてみる。 |
8 | 租税の転嫁と帰着 | 「転嫁」と「帰着」の概念を明らかにし、税負担の帰着を決定する要因は何か考察する。 | 授業で行った練習問題について見直したうえで、次回の授業時に提出する。 |
9 | 包括的所得税論 | 所得税は本来どのような仕組みでなければならないのか、サイモンズの所説に従って検討する。 | 「包括的所得概念」の特徴について整理し、テキストの記述と照合する。 |
10 | 支出税と最近の税制改革論 | 支出税の理論と最近の租税政策の潮流である二元的所得税の考え方について検討する。 | 日本の所得税制が純粋な二元的所得税とどのように異なるか考えてみる。 |
11 | 日本の租税体系 | 財務省の資料を利用して、日本の税収構造と租税体系について考察する。 | 諸外国と比較したときの日本の税収構造、負担率の特徴について整理する。 |
12 | 個人所得税と法人課税 | 個人所得税の全体像を把握し、給与所得税の計算方法について解説する。 | 授業で行った練習問題について見直したうえで、次回の授業時に提出する。 |
13 | 間接消費課税と資産課税 | 日本の消費税制度とそれを補完する資産課税の仕組みについて概説する。 | 消費税における複数税率の問題点について、公平と中立の観点から整理する。 |
14 | まとめ | 講義内容の全体を総括し、発展的学習への示唆を与える。併せて受講生からの質問に回答する。 |