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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2024/08/29 現在/As of 2024/08/29 |
開講科目名 /Course |
ことばと思想1(宗教学概説Ⅰ)/LANGUAGE AND THOUGHT1(INTRODUCTION TO RELIGIOUS STUDIES I) |
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開講所属 /Course Offered by |
大学全カリ総合科目/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2024年度/2024 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
火2/Tue 2 |
開講区分 /semester offered |
春学期/Spring |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
木島 泰三 |
遠隔授業科目 /Online Course |
- |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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木島 泰三 | 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
本科目は宗教学とそれに関連する諸事項の知識を獲得する一方、思考力、判断力、表現力の向上も目指す。なお、秋学期の同一教員による「言葉と思想1( 宗教学概説II)」の受講は必須ではないが、より深い理解のために両方を受講することを推奨する。 著名な無神論者である生物学者R?ドーキンスは、ジョン?レノンの曲'Imagine'の中の、"no religion"が"one religion"に改変されて演奏されたという事例を憤りを持って報告している。「国家がなくなれば殺す理由も死ぬ理由も宗教もなくなる」が「殺す理由も死ぬ理由もなくなり宗教はただ1つになる」に変えられたわけだ。世の中には「宗教のない世界」を、素敵な、解放された世界だと思う人も、忌まわしい、あってはならない世界だと思う人もいる、ということをこれは示唆する。 人類史は宗教とともに進んできたが、その中で宗教は立派な善行も、醜悪な蛮行も、共に促してきた。この講義で学ぶ宗教学は、そんな気高さとおぞましさを同居させた不思議な現象としての宗教を虚心坦懐に検討する学問だ。宗教学の定義にも幅があるが、広く理解されている定義では、宗教学は「神学」のようにある宗教の「内部」からその正当化を試みる学問とは対照的に、宗教という現象を外から学問的に理解し説明することを目的とする学問である。 宗教を外側から理論的に理解するという試みは、西洋では近代的な宗教学に先立ち、様々な哲学者が試みてきた。それらは多くの場合「宗教批判」という形をとってきた。そこで本講義はこのような西洋における宗教批判の歴史を、古代から近代まで概観していくことを序盤から中盤までの主題とする。終盤ではこのような歴史の果てに成立した宗教学という学問の現在を見ていくことになる。 なお、秋学期の同一教員による「ことばと思想1(宗教学概説II)」の受講は必須ではないが、より深い理解のために両方を受講することを推奨する。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
1回目から対面で行う。進行は講義中心に進め、適宜資料を紹介していく。期末には講義内容を確認する小テストと、講義内容に関連する主題を論ずるレポートを課す。レポートに関してはmanabaの講評欄またはコメント欄を用いてコメントを返信する。小テストについても、必要に応じて同じ場でコメント等を行う場合がある。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
各回の講義内容を次回までに整理し、理解不足の点をなくしておくことを求める(必要があれば適宜質問を受け付ける)。また、まとまった資料や文献を配布した場合はその精読を求める(以上、事前と事後各2時間程度)。 | ||||||||||
テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
期末確認テストと期末レポートにもとづき評価する。配分割合は確認テスト30%、期末レポート70%とする。 確認テストは講義内容の理解と参加態度(平常点)の目安とする。レポートは講義内容の理解(これも平常点の目安にする)と、内容の論理性を評価の対象とする。これにより、到達目標としての、本講義内容に関連する「21世紀型市民にふさわしい概括的な知識」および「今後の複雑な国内および国際情勢に対処しうる」ものとしての「論理的かつ創造的思考」の基盤となる、自分の思考を論理的に表現できる能力の習得度の評価につなげる。 |
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関連科目 /Related Subjects |
ことばと思想1(宗教学概説II) | ||||||||||
備考 /Notes |
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到達目標 /Learning Goal |
ことばと思想に関する学問分野について、副題に示したテーマをもとに、21世紀型市民にふさわしい概括的な知識を習得し、今後の複雑な国内および国際情勢に対処していく方法について、論理的かつ創造的思考を持って対応できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | イントロダクション |
教員の自己紹介?授業の目的?授業スケジュール?評価方法等について | |
2 | 宗教とは何か?そのざっくりとした全体像 | 最初に「宗教」や「宗教学」、および主要な宗教の紹介など、全体像に関わる基礎的な知識を学ぶ | a |
3 | 古代ギリシャ?ローマ時代の宗教批判 | 古代ギリシャにおける「哲学」は「神話的思考」に対立するものとして生じ、その後クセノパネスや原子論者による伝統的宗教信仰への合理的吟味の試みがなされた。この回ではそれを概観する | |
4 | ホッブズとスピノザの自然主義的宗教論(1) | 近代科学が成立した17世紀に、人間を機械論的自然の一部として位置づけた上で、そのような人間において発生する一種の自然現象として宗教を位置づける視点を提起したホッブズとスピノザの宗教論を見ていく | |
5 | ホッブズとスピノザの自然主義的宗教論(2) | 前回に引き続き、スピノザの宗教論を中心にその諸相を見ていく | |
6 | 啓蒙期の宗教批判と比較宗教学 | 18世紀に活発になり始めた宗教批判、および、この時期から本格的に試みが始まる、後の比較宗教学を準備する諸思想を見ていく | |
7 | ヒュームの宗教論 | 様々な点で現代の宗教学的研究へのの先駆的洞察を与えている18世紀イギリスの哲学者ヒュームの宗教論を見ていく | |
8 | カントの道徳神学とその影響 | 西ヨーロッパ思想史全体における大きな転換点であったカント哲学の中の宗教に関する思想を概観し、続いてその余波を見ていく | |
9 | 19世紀における宗教批判 | フォイエルバッハやマルクス、あるいはニーチェを典型とする明確な無神論に依拠する宗教批判を概観する | |
10 | 近代的宗教研究の誕生(1) | 19世紀は従来哲学者が個人的に取り組んできた主題を扱う、人文?社会諸科学としての人類学、心理学、社会学などが確立した時期であり、宗教研究においても従来なかった観点や方法が登場する。それを見ていく | |
11 | 近代的宗教研究の誕生(2) | 前回に引き続き、19世紀末から20世紀前半までの主要な宗教研究を概観する | |
12 | 近代的宗教研究の誕生(3)/専門分野としての「宗教学」の成立と発展(1) | 引き続き近代的宗教研究の主要な成果を概観し、続いて本講義が掲げている「宗教学」という学問そのものの成立史をを学んでいく | |
13 | 専門分野としての「宗教学」の成立と発展(2) | この回では前回に引き続き、特に20世紀終盤に起きた論争を中心に見ていく | |
14 | 現代宗教学の諸問題 | 前回までで見てきた「宗教学」という学問分野が最新の状況で何にどう取り組んでいるかを見ていく |