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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2024/08/29 現在/As of 2024/08/29 |
開講科目名 /Course |
ことばと思想1(日本語文法形態論)/LANGUAGE AND THOUGHT1(MORPHOLOGY OF JAPANESE GRAMMAR) |
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開講所属 /Course Offered by |
大学全カリ総合科目/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2024年度/2024 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
木1/Thu 1 |
開講区分 /semester offered |
春学期/Spring |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
1,2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
浅山 佳郎 |
遠隔授業科目 /Online Course |
- |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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浅山 佳郎 | 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
[学部の学位授与方針および課程編成方針との関連] 本授業は日本語の記述的な文法を講ずる。学位授与方針(ディプロマポリシー?DP)との関連で言えば,日本語に関する「知」に基づき、言語の獲得と使用という課題について主体的に考えることによる問題解決能力を養成することを目標とする。また教育課程の編成?実施方針(カリキュラムポリシー?CP)との関連は,学部の言語教育研究科目群における日本語教育研究科目群分野を形成する日本語学と言語教育学の主要2分野のうちの前者の中心である日本語文法について,それを言語教育へ応用するという方向で,基礎的な知識と能力を養成することにある。 [授業の具体的な内容と目的] 文法とは発話を構成するそれぞれの単位を決定する過程である。そこには語の認定からそれらを単文に結合する命題の構成,さらにはそこに加えられる文法的諸処理がある。本授業ではそうした文法的過程を分析することができ,かつそれを日本語教育に応用することができるような能力の養成を目的とする。授業内容としては,日本語教育で使用される教科書の日本語本文を教育への有用性というフィルターを通して文法的に分析する活動を行う。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
[授業の形式?方法] 授業方法としては,まずManabaで提供される日本語文法概説のテキストを読解することが要求される。任意のペースで構わないが,授業期間中には読了しなければならない。また読解後にはテキストに関する小テストへの解答も求められる。 授業時間には,チームを作って,毎回Manabaで提供される日本語教科書の本文について,この本文を産出および受容するために必要な文法は何か,その文法的過程のうち習得にとって最も重要な要素は何か,それを獲得するために有効な語学クラスとしての授業活動はどのようなものか,の3点の課題を議論する。議論の内容は,その議論の経過中に適時Manabaのプロジェクト機能のコメント欄を使用して報告?発表することが求められる。また教員から適宜質問や反問が出されるので,それによってより有意味な議論を形成したい。 [履修上の注意点] 授業での担当教員からの講義を聴くだけですまそうとする,および予習をせずにチームの議論にその場の思いつきで加わる,この2つの姿勢で本授業に臨んではならない。本授業は,チームによる議論という活動を中心とするので,すべての活動に積極的に参加することが求められることに十分な注意を払われたい。また念のために申し添えておくが,第1回目の授業への理由のない欠席は認められない。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
毎回の授業前に各自で課題となる日本語テキストへの文法分析とその文法過程を獲得するための適切な練習方法を考えてくることが要求される。なおその際には,必ずChatGPTなどAIを使用すること。これは文法分析のためのブレーン?ストーミング相手としてAIを使用することと,日本語学習者がAIを使用して自律学習をするための具体策を考えることの2点が含まれる(毎回3時間)。 授業後には,毎回の授業を復習するとともに,明確にならなかった問題についてResponを通じて質問を提出することが求められる(毎回1時間)。 |
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テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
(1)小テスト(30%);日本語文法概説のテキストに関する小テストを Manaba の小テスト機能を利用して行う。全回分の結果を25点満点に換算する。 (2)授業活動の積極性(20%);テキスト読解および課題への議論について質問をResponで求めるが,その質問を授業への積極性として評価する。質問1回を5点とし,4回分,20点を上限として評価に繰り込む。 (3)各回のグループ議論(30%);各回の教科書本文について,Manaba のプロジェクト機能を利用して報告?発表した内容を,論理性とユニークさの2点から評価する。2点とも確認できる場合は,S(10点),未達成である場合は,A(8点)とする。なおこのレポートは,グループ構成員が複数で議論および記述することが肝要なので,複数の参加者による記述がない場合は,B(7点)とする。合計点を30点満点に換算する。 (4)貢献度(20%);グループ議論に対するチームへの貢献度を,チームメンバー相互で評価する。毎回のチーム議論への準備があったか無かったかで貢献とみなし,あった場合を1点,無かった場合を0点とし,平均点を加算して20点満点に換算する。 |
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関連科目 /Related Subjects |
この授業より前に履修していることが望ましい科目 ことばと思想1(言語学);全カリ科目 言語学概論;言語文化学科科目 この授業と同時期または後に履修することが推奨される科目 日本語音声学;言語文化学科科目(全カリ科目) 日本語文法論Ⅱ;言語文化学科科目(全カリ科目) |
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備考 /Notes |
事前事後学習が,相応量に必要となる。そういう意味では「きびしい」授業であるが,日ごろは考えない自分自身の「ことば」を,机上に置いたモノのようにあつかって,同クラスの他の履修者たちと議論するという経験は,けっこう「面白く愉快な」ものとなるはずである。多様な学生諸君の積極的な履修を期待する。 なお,参考文献は「日本語文法論2」の分も見られたい。 |
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到達目標 /Learning Goal |
ことばと思想に関する学問分野について、副題に示したテーマをもとに、21世紀型市民にふさわしい概括的な知識を習得し、今後の複雑な国内および国際情勢に対処していく方法について、論理的かつ創造的思考を持って対応できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | 文法と言語学習 | 言語学習にとって文法とはどのような位置にあるかについて講義するとともに,今後の授業の方法を理解する。 | 事前;シラバスと事前にManabaで配布されるテキストを読んでおく(3時間)。 事後;授業内容を復習するとともにResponで質問を提示する(1時間)。 |
2 | 名詞と名詞述語 | 名詞述語文の構造,および名詞の属格による修飾構造などをあつかう。文中における名詞の機能について理解するとともに,その文法分析ができるようにする。 | 事前;Manaba で配布される教科書本文について,配布テキスト,参考図書およびAIを利用して分析する(3時間)。 事後;授業内容を復習するとともにResponで質問を提示する(1時間)。 |
3 | 動詞とその活用および動詞述語文 | 動詞とその活用,および動詞述語による命題の基本構造などをあつかう。文中における動詞の機能について理解するとともに,その文法分析ができるようにする。 | 第2回の事前事後学習と同じ,以下第13回まで同様なので省略。 |
4 | 時制および存在文 | 日本語文における過去と非過去を中心とする時制と存在表現などをあつかう。文中における時制のありかたについて理解するとともに,その文法分析ができるようにする。 | |
5 | 形容詞とその活用および形容詞述語文 | 形容詞とその活用,および形容詞述語文の基本構造などをあつかう。文中における形容詞の機能について理解するとともに,その文法分析ができるようにする。 | |
6 | 動詞のテ形と並列節および制御系モダリティ | 動詞のテ形,およびそれから生産される文の形としての並列節複文および行為制御に関わるモダリティなどをあつかう。テ形の基本機能とモダリティについて理解するとともに,その文法分析ができるようにする。 | |
7 | アスペクトと主題構文 | 「~ている」に代表される動詞のアスペクトの機能および主題と主語を両方持つ文などをあつかう。アスペクトの基本機能と主題構文について理解するとともに,その文法分析ができるようにする | |
8 | 普通体と丁寧体および引用構文 | 述語の普通体と丁寧体の区別,および普通体の機能,さらにそれを利用した引用文中における補文の形成などをあつかう。普通体と補文の機能を理解するとともに,その文法分析ができるようにする。 | |
9 | 判断系モダリティおよび理由表現 | 「のだ」を中心とする判断形モダリティおよび「ので」を中心とする理由表現などをあつかう。判断系モダリティの機能と理由節複文について理解するとともに,その文法分析ができるようにする。 | |
10 | 授受動詞と恩恵表現 | 授受動詞の意味機能とそれを利用した恩恵表現などをあつかう。「てあげる」などの恩恵表現の機能について理解するとともに,その文法分析ができるようにする。 | |
11 | 意志表現および伝聞表現 | 動詞の意志形および補文による意志や伝聞の表現形式をあつかう。動詞の形態自体による形式,動詞とモダリティによる形式,補文による形式を理解し,その文法分析ができるようにする。 | |
12 | 敬語表現 | 尊敬表現と謙譲表現などをあつかう。敬語の体系的な機能を理解し,その文法分析ができるようにする。 | |
13 | 受動と使役 | 受動文,使役文,受動使役文というヴォイスをあつかう。日本語における各種のヴォイスの機能と形式を理解し,その文法分析ができるようにする。 | |
14 | 文法と言語学習ふたたび | 再度,言語学習と言語教育における文法の占める位置について考える。 | 事前;これまでの議論をふりかえり言語学習における文法の占める位置について考えておく(2時間)。 事後;全回をふりかえり不明な点についてResponで質問する(2時間)。 |