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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2024/08/29 現在/As of 2024/08/29 |
開講科目名 /Course |
ことばと思想2(日本文学作品研究b)/LANGUAGE AND THOUGHT2(STUDY OF JAPANESE LITERARY WORKS (B)) |
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開講所属 /Course Offered by |
大学全カリ総合科目/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2024年度/2024 Academic Year 秋学期/FALL SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
水2/Wed 2 |
開講区分 /semester offered |
秋学期/Fall |
単位数 /Credits |
2.0 |
学年 /Year |
1,2,3,4 |
主担当教員 /Main Instructor |
平田 彩奈惠 |
遠隔授業科目 /Online Course |
- |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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平田 彩奈惠 | 言語文化学科/INTERDISCIPLINARY STUDIES |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
『源氏物語』における「比較される」女性たち 『源氏物語』は「紫のゆかり」とも呼ばれるように、ヒロインと言っても良い主要な登場人物ですら他の女性との繋がりが意識されながら展開する。血縁という「同一性」が提示されることにより、かえって個人の持つ気質、才能、容貌などの「違い」が強く意識されることもまた古くから研究され、「形代」の論として豊富な研究史がある。 そういった研究史をふまえつつも、もう少し幅広く問題を設定し、「比較される」女性たちをそれぞれ読み解きながら、現代の『源氏物語』関連作品でそれらの問題がどのように扱われているかを考えてゆく。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
※本講義は原則として対面での実施を予定しているが、状況によっては授業を録画した映像を配信する、オンラインで実施する回を設ける場合がある。詳細は都度、manabaの「お知らせ」にて連絡する。 1、毎回の講義後に、responを利用してリアクションペーパーの回収を行い、翌週の授業前半でフィードバックを行う。 受講者はあらかじめresponのアプリケーションをインストールし、設定を済ませておくこと。 (設定方法はPorTaⅡのダウンロードセンターに詳細が示されているので、各自確認すること) 2、古典の読解能力について 受講にあたり、品詞分解や単語などの詳細な文法知識を問うことはないが、古典作品を主体的に読み解こうとする姿勢が求められる。なお、Japan Knowledge Libで現代語訳つきの『源氏物語』注釈書が閲覧可能なので、適宜利用してよい。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
事前に指示する教科書の該当部分を読み、内容を理解し疑問点を整理しておくこと。授業後は、もう一度本文を読み返し、注釈部分にも目を通して理解を深めること。 また、教科書は全文を掲載していないので、必要に応じ『源氏物語』の他の箇所を読むよう、資料を掲載するので読んでくること。 現代作品を扱う際はあらかじめ資料を提示するので読んで授業に臨むこと。 『源氏物語』は長大な物語で、授業内で扱うのはその一部である。 「履修上の注意」で述べたように古文の高度な読解能力は必要としないが、授業後には現代語でかまわないので人物関係や授業に関連する部分の物語内容について自身で知識を深め、授業時にわからなかった点を明らかにすること。 |
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テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
リアクションペーパー の内容(提出の有無ではなく内容を評価の基準とする)70% グループでの調査報告30% 上記を基にAA、A、B、Cの4段階で評価する。 |
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関連科目 /Related Subjects |
日本特殊研究(日本文学作品研究a)、日本文学論?中世Ⅰなどは関連する内容を扱うので併せて履修するとより多角的に平安時代の物語文学を理解できる。 | ||||||||||
備考 /Notes |
テキスト掲載箇所以外にも扱う場面が多い。授業時は資料にて本文を提示するが、『源氏物語』の読破に挑戦したい場合は、全文が掲載されている注釈書等を教科書代わりに購入してもかまわない。(何を選ぶと良いかは初回授業時に説明する) | ||||||||||
到達目標 /Learning Goal |
ことばと思想に関する学問分野について、副題に示したテーマをもとに、21世紀型市民としてふさわしい実践的な知識を習得し、今後の複雑な国内および国際情勢に対処していく方法について、論理的かつ創造的思考を持って対応できるようにする。 |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | ガイダンス | 『源氏物語』の基礎知識と日本文学の調べ物をする際の手法等を理解する。 | |
2 | 六条院と二条院の女たちー住まいについて | 『源氏物語』中盤で建設される六条院の植栽にかかわる記述を中心に、光源氏とかかわった女性たちについて理解する。また、野分巻を通して、夕霧からみた女性たちについても理解する。 | |
3 | 一風変わった女性たちと夕顔ー雨夜の品定め | 『源氏物語』帚木巻前半の、いわゆる「雨夜の品定め」部分を読み、女性論を分析する。 | |
4 | 中の品の女たちー空蝉?軒端荻 | 「中の品」の女性空蝉と比較される軒端荻に注目しながら、青年光源氏の心を惹きつける空蝉の特徴を考える。あわせて、同時期に通っていた上流の女性、六条御息所についても考える。 | |
5 | 「色こき」女君たちー紫の上と末摘花 | 紫と紅はいずれも「こき色」と表現されることがある。それぞれの色をイメージとして持つ二人の女性が比較される末摘花巻を読む。 | |
6 | 紫のゆかりー藤壺?紫の上?女三宮 | 「紫のゆかり」の研究史をおさえた上で、それぞれの人物に対する光源氏の評価を読む。また、三人の女性たちの病気と出家にかかわるエピソードを読みながら、光源氏とのかかわり方の違いを読み、その理由を考える。 | |
7 | 紫のゆかりの物語ー宝塚歌劇『新源氏物語』 | 紫の上を実質的なヒロインとするエンタメ作品が多い中、藤壺中宮をヒロインに据えている宝塚歌劇版『新源氏物語』を鑑賞し、物語における比重を考える。 | |
8 | 別の「ゆかり」の物語ー女三宮と落葉宮 | 「紫のゆかり」においては一段劣る女性と評価されていた女三宮と比較される落葉宮について、柏木と夕霧双方の視点を読みながら考える。 | |
9 | 別の「ゆかり」の物語—玉鬘と近江の君 | 「紫のゆかり」として描かれているわけではないが、じつは「紫のゆかり」が暗示的に示される玉鬘と近江の君について取り上げ、別の「ゆかり」の物語を和歌的表現から捉える。 | |
10 | 形代の物語ー宇治の姫君と浮舟(1) | 宇治十帖のストーリーについて、基本を理解し、正編からのつながり、反復される構造を捉える。 | |
11 | 形代の物語ー宇治の姫君と浮舟(2) | 浮舟にかかわる場面を読みながら、匂宮と薫それぞれの視点から見た浮舟像を考える。 | |
12 | 形代の物語ー宝塚歌劇『源氏物語千年紀頌 夢の浮橋』 | 宇治十帖を題材としながら、「形代」-「傀儡」を結び付けて新たなテーマを提示した宝塚歌劇『夢の浮橋』を鑑賞し、浮舟像について考える。 | |
13 | 『源氏物語』における「比較される」女性たち | 受講者から『源氏物語』内でほかに「比較されている」女性たちについて考えたことを発表する。 | |
14 | まとめ | 玉鬘巻後半の内容のあらすじを確認した上で、秋学期に読んだ内容をまとめる。 |