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科目一覧へ戻る/Return to the Course List | 2024/03/22 現在/As of 2024/03/22 |
開講科目名 /Course |
経済理論特殊研究(理論経済学Ⅰ)(D)/ECONOMIC THEORY(THEORETICAL ECONOMICS I) |
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開講所属 /Course Offered by |
大学院/ |
ターム?学期 /Term?Semester |
2024年度/2024 Academic Year 春学期/SPRING SEMESTER |
曜限 /Day, Period |
木1/Thu 1 |
開講区分 /semester offered |
通年/Yearlong |
単位数 /Credits |
4.0 |
主担当教員 /Main Instructor |
藤山 英樹 |
科目区分 /Course Group |
大学院科目 講義科目 |
遠隔授業科目 /Online Course |
- |
教員名 /Instructor |
教員所属名 /Affiliation |
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藤山 英樹 | 国際環境経済学科/ECONOMICS ON SUSTAINABILITY |
授業の目的?内容 /Course Objectives |
授業全体を把握できる内容は以下の通りである。すなわち、経済理論の応用として発展が著しい社会ネットワーク分析について、代表的な理論研究と実証研究の双方について学ぶ。理論的には、中心性概念とナッシュ均衡の関係、ネットワーク上での公共財供給問題、プロジェクト参加問題、そして、部門間調整モデルにおけるネットワーク形成問題を取り上げる。ネットワーク上における実証分析としては、Social interaction models, Stochastic Actor-Oriented Models, そして、Exponential Random Graph Modelsを取り上げる。 学生が、社会ネットワーク分析の理論を理解し、実証分析まで可能になることを目的とする。 学位授与方針(DP)とカリキュラム?ポリシー(CP)との関係は以下のとおりである。つまり、ディプロマ?ポリシー(DP)の1-b「.社会や組織の現状や収集した情報から高度に抽象化、特定化された研究課題を設定する能力」および、1-a「専門分野にとどまらず、周辺の分野まで含めて、国内外の文献やデータその他の情報を網羅的に参照し、評価できる能力」を身に着けることができる。カリキュラム?ポリシー(CP)については、経済分野における「研究者として自立して研究活動」ができ、「公務、教育、税務、会計業務等に従事するのに必要」な「豊かな学識を養う」ことができる。 |
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授業の形式?方法と履修上の注意 /Teaching method and Attention the course |
授業の形式は科目の性質に合わせて、受講生による輪読形式とする。受講者が授業内で事前に指定された文献の内容を報告し、その際に教員からは適宜コメントを行う。さらに、ディスカッションを通じて内容の理解を深める。 必要となるツールやソフトとしては、フリーソフトであるRとRStudioとなる。無料でインストールすることが可能である。 事前?事後学修に対するフィードバックは授業内でおこなう。 学生の主体的な学修を促す工夫としても、輪読のメリットが挙げられる。というのも、事前に文献から自分で情報を取得し、授業内で説明するということはまさに主体的な学習に他ならないからである。 |
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事前?事後学修の内容 /Before After Study |
事前の学修としては,指示された文献について報告の準備をし、ハンドアウトを作成する。また、質問があればここで準備をする(2時間)。 事後の学修としては,報告した内容について整理をし、自分の研究に活かせないかを検討し、質問があればここで準備をする(2時間)。 |
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テキスト1 /Textbooks1 |
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テキスト2 /Textbooks2 |
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テキスト3 /Textbooks3 |
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参考文献等1 /References1 |
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参考文献等2 /References2 |
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参考文献等3 /References3 |
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評価方法 /Evaluation |
評価項目とは、(1) 各授業で示される概念の正確な理解ができているか、(2) 社会現象への応用とその含意を理解ができているか、(3) 自分が分かっているところと分かっていないところの境界を把握し、質問をすることができるか、(4) 相手に、自分の理解した内容を正確に伝えられるかとなる。 成績の評価方法は、次の2点である。つまり、 授業内の貢献(70%):指定された文献にしたがい、社会ネットワーク分析の標準的な理論分析、実証分析を理解しているかについて評価する。 学期末のレポート(30%):標準的な社会ネットワーク分析の応用ができるかについて評価する。 |
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備考 /Notes |
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関連科目 /Related Subjects |
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到達目標 /Learning Goal |
経済理論についての博士レベルの知識を修得し,経済現象を精密に分析できるようにする. |
回 /Time |
授業計画(主題の設定) /Class schedule |
授業の内容 /Contents of class |
事前?事後学修の内容 /Before After Study |
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1 | イントロダクション | 社会ネットワーク分析、経済理論、実証分析の関係について概観する。 | |
2 | ナッシュ均衡と中心性概念の関係:記号表現と主張の確認 | Ballester et al. (2006)の主張を確認する。 | |
3 | ナッシュ均衡と中心性概念の関係:主張の導出 | Ballester et al. (2006)の主要な主張の証明について学ぶ。 | |
4 | ナッシュ均衡と中心性概念の関係:発展 | Ballester et al. (2006)からの発展したモデルを確認する。 | |
5 | ネットワーク上での公共財供給モデル:記号表現と主張の確認 | Bramoulle and Kranton (2007)の主張を確認する。 | |
6 | ネットワーク上での公共財供給モデル:主張の導出 | Bramoulle and Kranton (2007)の主張の証明について学ぶ。 | |
7 | ネットワーク上でのプロジェクト参加モデル:記号表現と主張の確認 | Bloch and Querou (2013)の主張を確認する。 | |
8 | ネットワーク上でのプロジェクト参加モデル:主張の導出 | Bloch and Querou (2013)の主張の証明について学ぶ。また、その応用となるIto and Nakajima (2021)についても学ぶ。 | |
9 | 部門間の調整モデル:記号表現と主張の確認 | Cremer (1990)の部門間調整モデルを確認する。 | |
10 | 部門間の調整モデル:ネットワーク分析への発展 | Cremer (1990)の部門間調整モデルの応用としてのネットワーク分析を学ぶ。 | |
11 | 学校内の生徒のネットワーク分析 | Add-Healthデータは、中高生の友人関係を含んでおり、ネットワーク分析に多く用いられている。いくつかの応用例について概観する。 | |
12 | 企業間ネットワーク分析 | 役員兼任を通じた企業間ネットワークを中心に、いくつかの分析事例を確認する。 | |
13 | 中心性概念についての実証分析 | 中心性概念に対する実証分析について概観する。 | |
14 | 春学期のまとめ | 春学期に学んだ理論モデルと実証研究のそれぞれの関係に注目しながら、全体を復習する。 | |
15 | Reflection 問題について | ネットワークの実証分析に伴う困難としてのReflection問題を学ぶ。 | |
16 | Linear in Means Model | Reflection問題でも取り上げられるLinear in Means Modelの経済モデルについて学ぶ。 |
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17 | Social interaction models: 基礎 | Liu and Lee (2010)で示されたネットワークの計量モデルについて、どのような定式化がなされ、何が主張されているかを学ぶ。 | |
18 | Social interaction models: いくつかの主張の導出 | Liu and Lee (2010)で示されたネットワークの計量モデルで導出された主要な結果のいくつかについて証明を含めて、より深く学ぶ。 | |
19 | Social interaction models: 応用 | Spatial interaction modelを応用した実証分析として、Patacchini et al. (2017)を取り上げる。 | |
20 | Stochastic Actor-Oriented Models: 基礎 | ネットワークの進化的な形成を扱うStochastic Actor-Oriented Modelsの基本的な内容を学ぶ。 | |
21 | Stochastic Actor-Oriented Models: 発展 | ネットワークと行動の共進化を含めた発展モデルを学ぶ。 | |
22 | Stochastic Actor-Oriented Models: 応用 | Stochastic Actor-Oriented Modelsを応用した実証分析を学ぶ。 | |
23 | Exponential Random Graph Models: 基礎 |
ネットワークそれ自身の生成確率に注目するExponential Random Graph Models の基本的な内容を学ぶ。 | |
24 | Exponential Random Graph Models: 発展 | Exponential Random Graph Models の発展と、このモデルへの批判を学ぶ。 | |
25 | Exponential Random Graph Models: 応用 | Exponential Random Graph Modelsを応用した実証分析を学ぶ。 | |
26 | 二つのモデルの比較 | Exponential Random Graph ModelsとStochastic Actor-Oriented Modelsの違いを学ぶ。 | |
27 | ソフトウェアについて | Spatial interaction models、Exponential Random Graph ModelsとStochastic Actor-Oriented Models のソフトを学ぶ | |
28 | 秋学期のまとめ | 秋学期に学んだ3つの実証モデルの関係に注目しながら、全体を復習する。 |