『たむら市政だより』10月号 省エネ?省CO?効果試算の算出根拠
『市政だより』10月号の連載記事「ちょこっとエコライフ~身近な省エネを実践しよう!~」Vol.2 入浴スタイルを見直そう!における省エネ?省CO2効果試算の算出根拠は以下の通りです。
シャワーについての省エネ?省CO2効果の算出根拠
シャワーを毎日1分間余計に流したときに、ガス使用量と水道使用量は次のように計算されます。
[試算前提]
?シャワーを1分間使うと約12Lのお湯が流れる。
?水温15℃の水道水を41℃まで沸かしてシャワーをする。
?熱効率を0.8、LPガスの換算係数を26,492kcal/m3(*)とする。
[ガス使用量の算出式]
水量(12L)×温度差(設定温度41℃-水温15℃)÷熱効率(0.8)÷発熱量26,492(kcal/m³)×1回×日数(365日)=5.37m³
[水道の使用量の算出式]
水量(12L)×日数(365日)=4.38m³
お風呂の追い焚きについての省エネ?省CO2効果の算出根拠
お風呂に入る間隔が空いて、4.5℃低下した湯(200L)を毎日1回追い焚きすると、ガス使用量は次のように計算されます。
[試算前提]
?200Lのお風呂が4.5℃冷めたお湯を追い焚きする。
?熱効率を0.8、LPガスの換算係数を26,492kcal/m³*とする。
[ガス使用量の算出式]
水量(200L)×温度差(4.5℃)÷熱効率(0.8)÷発熱量26,492(kcal/m³)×日数(365日)=15.50m³
(なお、お風呂の「追い焚き」と「保温」の省エネ効果は、同じ条件の場合ほぼ変わりません。ただし、浴室の条件や保温時間によっては、「追い焚き」の方が省エネになる可能性があるとされています。)
ガス?水道の従量料金
ガスの従量料金には、標準家庭におけるガスの使用量はおよそ30m³と想定し、田村市内でLPガスを供給する業者のLPガスの従量料金(25.1m³~)の620円/m³(注)を適用して試算しています。
水道の従量料金に、標準家庭における水道の使用量をおよそ20m³と想定し、11~20m³の区分の従量料金219円/m³、下水道料金は同じ区分の従量料金209円/m³を適用して計算しています。(注)
田村市ホームページ「上下水道料金のご案内」(以下のURL)の「上下水道料金表」を参照。
https://www.city.tamura.lg.jp/soshiki/25/suidouryoukinn.html
(注) LPガスの料金は業者によって異なります。また、井戸水をご使用の場合は料金は掛かりません。これらの条件変更は計算式で料金を変更すれば計算できます。
CO2排出量の算出根拠
地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)に基づいて、CO2排出量は、LPガスのCO2排出係数6.550㎏-CO2/m³を適用して計算しています。温対法では、上下水道のCO2排出係数については定めておりませんので、ここでもLPガスのみの排出係数を用いて計算しています*。
たとえばシャワーの場合、5.37m³ガスを使うので、CO2排出量は、
ガス使用量(5.37m³)×LPガスのCO2排出係数6.550㎏-CO2/m³=35.195㎏
杉の木が1年間に吸収するCO2量
林野庁のホームページには、次のように書かれています。
「森林は二酸化炭素を吸収し、地上部および地中に貯蔵して地球温暖化防止の役割を果たします。その吸収量は樹種や林齢により異なりますが、例えば50年生スギの人工林面積1ヘクタール当たりの炭素貯蔵量は170トン、1本当たりでは約190㎏に達すると試算されています。これを50年で割れば1年間平均で1本当たり約3.8㎏の炭素(約14㎏の二酸化炭素)を吸収したことになります。」
(出典:林野庁関東森林管理局ホームページ「森林の二酸化炭素吸収力」
https://www.rinya.maff.go.jp/kanto/hukusima/office/forest/knowledge/breathing.html
少し説明を加えます。
杉1本が1年間に吸収する二酸化炭素CO2を計算するには、炭素貯蔵量約3.8㎏に、排出されるCO2の中に含まれる炭素の重量3.67(=CO2分子量44/Cの原子量12)を掛けます。約14㎏-CO2となります。
炭素量のCO2換算については、一般財団法人環境イノベーション情報機構ホームページ「炭素換算量」(以下のURL)を参照。https://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=569
実際には樹齢や1ヘクタール当たりの本数をはじめ、さまざまな条件によって影響を受けますので、省CO2効果をイメージしやすくするためのあくまでも計算上のものであり、厳密なものではありません。
たとえばシャワーの場合、CO2排出量は35.195㎏なので、
CO2排出量(35.195㎏)÷杉の木1本が1年間に吸収するCO2量(約14㎏)=2.52本です。
*LPガスの換算係数は、地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)に基づく「算定?報告?公表制度における算定方法?排出係数一覧」の「別表1 燃料種別の発熱量」より液化石油ガス(LPG)50.8GJ/tを、また「(参考1)燃料の使用に関する排出係数」より液化石油ガス(LPG)3.00tCO2/tを用いて計算している。
環境省「温室効果ガス排出量 算定?報告?公表制度」(以下のURL)を参照。
https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/files/calc/itiran_2020_rev.pdf
経営学科2年 宮沢?国際環境経済学科3年 日野原