『たむら市政だより』12月号 環境にやさしい生ごみ処理のすすめ

『たむら市政だより』12月号 環境にやさしい生ごみ処理のすすめ

『市政だより』12月号の連載記事「ちょこっとエコライフ~身近な省エネを実践しよう!~」Vol.4 「環境にやさしい生ごみ処理のすすめ」で登場したコンポストのご紹介です。

食品廃棄によって発生するCO2は航空燃料由来のCO2排出量よりも多いことも分かっています。主な原因は、生ごみを焼却処分するために、ごみ焼却施設への運搬に伴うCO2の発生と、化石燃料起源の助燃剤が多く使用されていることです。今回はCO2排出量を抑える生ごみの処理方法についてご紹介します。ここでは、生ごみ処理機の紹介と非電動式のバイオ式生ごみ処理機?コンポスト「キエーロ」の詳細についてご説明したいと思います。


イラストは江東区清掃リサイクル課から許可を得て転載

生ごみ処理機の種類について
生ごみ処理機の生ごみ処理方法は、「バイオ式」「乾燥式」「ハイブリット式」の3種類に分けられます。「バイオ式」は微生物の力で生ごみを分解し、残ったカスは堆肥として活用することができます。「乾燥式」では熱や風の力で生ごみの水分を蒸発?乾燥させることでごみの重量を抑えることができます。「ハイブリッド式」は生ごみを熱や風で乾燥させてから微生物が分解します。それぞれのメリット?デメリットは以下の表の通りです。

図表1 生ごみ処理機の比較
  バイオ式 乾燥式 ハイブリッド式
処理方法 微生物分解 熱?風による乾燥 乾燥+微生物分解
設置場所 屋外が多い 屋内が多い 屋外が多い
処理速度 遅い 早い バイオ式よりは早い
電気代 手動ならかからない 温風の場合高くなる 乾燥式よりは安い

(以下を参考に筆者が作成)
「Rentio PRESS[2023年最新]生ごみ処理機の選び方とおすすめ6選!手間なく衛生的に生ごみ対策」
1.処理方式を参照

「キエーロ」とは
キエーロは、電気を使わないバイオ式生ごみ処理機?コンポストの一種で、「生ごみを投入し続けても土の量は変わらない」「虫や臭いで悩むことが少ない」ことが特徴です。キエーロ内の微生物の活動は気温に左右されるため、日当たりの良い環境に設置をすること、土が処理できる生ごみの量以上は投入しないことが必要です。

会津若松市HPによると、気温が高い時期では4日、低い時期では10日程度で、生ごみは土に還ってなくなります。キエーロは微生物の力を活用して分解を進めるため、土の中の温度が高いと、微生物の活動が活性化します。土の中の微生物は高カロリーや味が付いているものなど人間が食べるモノであればほとんど分解することが可能です。


イラストは江東区清掃リサイクル課から許可を得て転載

キエーロの作り方?使い方
作り方は、キエーロHP「つくりかた」をご覧ください。
また、使い方をまとめました(図表2)。うまく使うためのヒントもご覧ください(図表3)。

図表2 キエーロの使い方
Step1 置き場所 日当たりの良く風通しの良い所に置く。
Step2 土の準備 黒土または庭や畑の土を準備する。
Step3 道具の準備 土と空気を混ぜる作業で柄の長いシャベル?生ごみを貯めるステンレスやガラス、ホーロー製の容器を準備する。
Step4 生ごみを貯める Step3で準備した容器に4~5日間生ごみを貯めておく。野菜などは薄く小さく切り、油や水分も一緒に貯める。
Step5 ごみを埋める キエーロ内の土に、深さ20cmほどの穴を掘り、生ごみを入れる。
Step6 土とよく混ぜる 土と生ごみの見分けがつかなくなるまで、シャベルで切るようによく混ぜる。混ぜた部分だけが泥団子が握れるくらいの硬さになるよう、水または油を入れる。
Step7 土で覆う 生ごみが表面に出ないように乾いた土を5~6cm被せる。
Step8 空気を補充する 次に生ごみを埋める時に、前の場所にシャベルをザクザク突き刺すと空気が入って分解が早くなる。(表面は乾いた土で常に覆われるように心掛ける)
Step9   毎日生ごみを貯め、4~5日ごとに生ごみを投入する(Step4)。埋める場所を変えながら、Step5~Step8を繰り返す。

(以下を参考に筆者が作成)
キエーロHP「つかいかた」

図表3 分解しやすいもの?分解しにくいもの

図表3 分解しやすいもの?分解しにくいもの


(出典)2024欧洲杯投注官网_沙巴博彩公司-官网平台3年度四日市市エコパートナー事業
「生ごみが消えちゃう?キエーロの上手な使い方 ラクして続けるためのガイドブック」

生ごみの処理方法を工夫することで期待される効果
ごみの処理方法を工夫することで、焼却時の助燃剤の使用量?運搬時にかかるガソリンの量を減らすことができ、さらに生ごみから作った堆肥を使い野菜を育てることができれば、食に関して循環経済(サーキュラーエコノミー)に貢献できます。さらに、市指定のごみ袋の購入頻度を抑えることも可能です。
キエーロの詳しいつくり方はこちらをご参照ください。

国際環境経済学科3年 日野原