『たむら市政だより』2月号 電子レンジを上手に活用しよう

『たむら市政だより』2月号 電子レンジを上手に活用しよう

『たむら市政だより』2月号の連載記事「ちょこっとエコライフ~身近な省エネを実践しよう!~」Vol.6「電子レンジを上手に活用しよう」で取りあげた、電子レンジを使った省エネ?節約の効果について詳しく説明します。

野菜の下ごしらえ時の電子レンジの利用

「家庭用省エネ性能カタログ2023年版」によると、野菜の上手な下ごしらえのポイントは、①洗った後の水気を残しておく ②厚みや大きさをそろえる ③加熱の途中で裏返したり、かき混ぜたりする ④アクの強い野菜は、加熱後水にさらしてアクを抜くことです。

野菜の仕上げには、煮込み野菜の場合はチンをしてから鍋に入れることで煮崩れが減ります。また、焦げ目をつけてから電子レンジで加熱をすることで中までしっかりと火を通すことができ、ガス代も大幅に節約できます(図表1参照)。

図表1にんじんの下ごしらえ方法の比較のイラスト
省エネ にんじんの下ごしらえ方法の比較
[出典]省エネ型製品情報サイト「家庭用省エネ性能カタログ2023年版」(164ぺージから引用)

野菜の下ごしらえのガスコンロと電子レンジの比較

資源エネルギー庁「省エネポータルサイト*」には、野菜の下ごしらえの際にガスコンロを使用して「ゆでる」場合と電子レンジを使用する場合を比較して、電子レンジの節電?節約効果を掲載しています。

以下では葉菜、果菜、根菜の3つのケースについて、ガスコンロ?電子レンジの比較を紹介します。

なお、資源エネルギー庁に問い合わせたところ、ガス使用量は一般財団法人省エネルギーセンターによる実測値であり、ガスコンロを使ってゆでる場合は100gの食材を、1Lの水(27度程度)に入れ、沸騰させて煮たときのガス使用量を測定し、それを1日1回、365日行うとして年間ガス使用量を算出しているということです。

省エネ効果の算出方法

ガスコンロから電子レンジに変えることによって削減できたエネルギー量は、ガスの使用量と電気の使用量それぞれに、原油換算係数を掛けることで原油換算して比較しています。資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」でのガスコンロには都市ガスを使用して試算しているのですが、田村市ではプロパンガスが一般的ですので、ここではプロパンガスを使用したガスコンロで「ゆでる」場合も試算しました。

ガスコンロに都市ガスではなく、プロパンガスを使用した場合の換算は、都市ガスを使って「ゆでる」ときに必要な熱量(MJ)を計算し、その熱量をプロパンガスを使って生み出すために必要なプロパンガスの使用量を計算して試算しています。

ガスコンロから電子レンジに変えることによる節約効果は、都市ガス、LPガス、電気、それぞれの年間使用エネルギー量に、それぞれの単価を掛けてガス料金?電気料金を計算し、比較することで算出しています。また、ガスコンロから電子レンジに変えることによる節約効果は、都市ガス、LPガス、電気、それぞれの年間使用エネルギー量に、それぞれのCO2排出係数を掛けてCO2排出量を計算し、比較することで算出しています。

1.葉菜(ほうれん草、キャベツなど)の場合

ガスコンロ(都市ガス)を使ってゆでる場合、年間ガス使用量は8.32m³となり、約1,610円かかります。また、ガスコンロ(プロパンガス)を使ってゆでる場合、年間ガス使用量は3.00m³となり、約2,130円かかります。

一方、電子レンジを使用すると年間電気使用量は13.21kWhとなり、約350円かかります。「ガスコンロ(都市ガス)」から「電子レンジ」に調理器具を変えることで、原油換算で6.24L、CO2削減量は13.0㎏となり、年間1,260円の節約となります。「ガスコンロ(プロパンガス)」から「電子レンジ」に調理器具を変えることで、原油換算で0.49L、CO2削減量は13.6㎏となり、年間1,780円の節約となります。

電子レンジを使った省エネ?節約の効果

2.果菜(ブロッコリー、カボチャなど)

ガスコンロ(都市ガス)を使ってゆでる場合、年間ガス使用量は9.10m³となり、約1,760円かかります。また、ガスコンロ(プロパンガス)を使ってゆでる場合、年間ガス使用量は3.28m³となり、約2,320円かかります。

一方、電子レンジを使用すると年間電気使用量は15.13kWhとなり、約400円かかります。ガスコンロ(都市ガス)から電子レンジに変えることで、原油換算で6.65L、CO2削減量は13.9kgとなり、年間1,360円の節約となります。また、ガスコンロ(プロパンガス)から電子レンジに変えることで、原油換算で0.36L、CO2削減量は14.5kgとなり、年間1,920円の節約となります。

電子レンジを使った省エネ?節約の効果

3.根菜(ジャガイモ、里芋など)

ガスコンロ(都市ガス)を使ってゆでる場合、年間ガス使用量は9.48m³となり、約1,830円かかります。また、ガスコンロ(プロパンガス)を使ってゆでる場合、年間ガス使用量は3.42m³となり、約2,420円かかります。

一方、電子レンジを使用すると年間電気使用量は22.01kWhとなり、約580円かかります。ガスコンロ(都市ガス)から電子レンジに変えることで、原油換算で5.32L、CO2削減量は11.7kgとなり、年間1,250円の節約となります。また、ガスコンロ(プロパンガス)から電子レンジに変えることで、原油換算で1.24L増加してしまいますが、CO2削減量は12.3kgとなり、年間1,840円の節約となります。

電子レンジを使った省エネ?節約の効果

①葉菜(ほうれん草、キャベツなど)の場合

横にスクロールできます→
  単位 年間使用量(各単位)*1 原油換算係数 (単位当たりL)*2 原油換算量(L) 金額換算係数 (単位当たり円)*3 年間料金(円) CO2排出係数 (kg-CO2/単位)*4 年間CO2排出量(㎏)
都市ガス 8.32 1.16 9.65 193 1,610 2.29 19.1
LPガス 3.00 1.30 3.90 709 2,130 6.538 19.6
電気 kWh 13.21 0.258 3.41 26.22 350 0.457 6.0
省エネ効果
(都市ガス?電気)
      6.24   1,260   13.0
省エネ効果
(LPガス?電気)
      0.49   1,780   13.6

②果菜(ブロッコリー、カボチャなど)

横にスクロールできます→
  単位 年間使用量(各単位)*1 原油換算係数 (単位当たりL)*2 原油換算量(L) 金額換算係数 (単位当たり円)*3 年間料金(円) CO2排出係数 (kg-CO2/単位)*4 年間CO2排出量(㎏)
都市ガス m³ 9.1 1.16 10.56 193 1,760 2.29 20.84
LPガス m³ 3.28 1.30 4.26 709 2,320 6.538 21.44
電気 kWh 15.13 0.258 3.90 26.22 400 0.457 6.91
省エネ効果
(都市ガス?電気)
      6.65   1,360   13.9
省エネ効果
(LPガス?電気)
      0.36   1,920   14.5

③根菜(ジャガイモ、里芋など)

横にスクロールできます→
  単位 年間使用量(各単位)*1 原油換算係数 (単位当たりL)*2 原油換算量(L) 金額換算係数 (単位当たり円)*3 年間料金(円) CO2排出係数 (kg-CO2/単位)*4 年間CO2排出量(㎏)
都市ガス 9.48 1.16 11.00 193 1,830 2.29 21.71
LPガス m³ 3.42 1.30 4.44 709 2,420 6.538 22.33
電気 kWh 22.01 0.258 5.68 26.22 580 0.457 10.06
省エネ効果
(都市ガス?電気)
      5.32   1,250   11.7
省エネ効果
(LPガス?電気)
      -1.24   1,840   12.3
  • *1 年間使用量は、資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」
  • *2 原油換算係数
    ?都市ガスは、「ヒートテック」原油換算表より参照
    ?LPガスは、「ヒートテック」原油換算表より参照
    ?電気は、エネルギーの使用の合理化等に関する法律施行規則(第4条)より参照
  • *3 金額換算係数
    ?都市ガスは、東部ガス?般契約B表(24m³をこえ102m³まで)2023年2月検針分より参照
    ?LPガスは、?油情報センター「?般?売価格 液化?油(LP)ガス」福島(20m³価格-10m³価格)より算出
    ?電気は、東北電力従量電灯Bの電力量料金120kWhをこえ300kWhまで36.46円-燃料費調整単価10.24円より算出
  • *4 CO2排出係数
    ?都市ガスは、エネルギーの使用の合理化等に関する法律施行規則(第4条)、ガス事業便覧(東京ガス等の13Aガス発熱量)より参照
    ?LPガスは、地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)に基づく「算定?報告?公表制度における算定方法?排出係数一覧」の「別表1 燃料種別の発熱量」「別表2 燃料の使用に関する排出係数」「(参考1) 燃料の使用に関する排出係数(別表1×別表2×(44/12))」、および「電気事業者別排出係数一覧」(2024欧洲杯投注官网_沙巴博彩公司-官网平台6年提出用)
    ?電気は、環境省「電気事業者別排出係数一覧2024欧洲杯投注官网_沙巴博彩公司-官网平台6年提出用」の「(株)東北電力」の数値を参照

炊飯器の保温機能と電子レンジの使用効果の比較

ご飯を炊飯器で保温するのは4時間までが目安となり、4時間以上保温する場合は、電子レンジで温め直す方がエネルギー消費は少なくなります。例えば、4時間保温した場合には66Wh、10時間保温した場合には165Whの電力が消費されます。しかし、保温をせずに700Wの電子レンジで3分加熱をすると35Whの電力で温かいご飯を食べることができます。

その他にも、まとめて炊いて冷凍保存をしたり、タイマーを使って食べる時間に合わせて炊飯するなど保温時間は少しの工夫で短くすることが可能です。

炊飯器での保温機能と電子レンジの違い
省エネ 炊飯器での保温機能と電子レンジの違い
[出典]省エネ型製品情報サイト「家庭用省エネ性能カタログ2023年版」(153ぺージから引用)

2024年2月29日改訂

国際環境経済学科3年 丹野