【外国語教育研究所】 第9回公開講演会を開催しました
外国語教育研究所は、5月31日(金)にお茶の水女子大学のダイアン?ナガトモ教授をお招きして、「Professional Identity Development among Foreign Female English Teachers in Japan(日本における外国籍女性英語教員の成長とアイデンティティ形成)」というテーマで第9回公開講演会をアルカディア市ヶ谷にて開催しました。
講演の冒頭では、日本の英語教育史を振り返り、どのようにして現在の英語教育の形にたどり着いたのか、政策や教授法の観点から概観しました。また、その変遷の中で、外国籍女性教員がどのようにして来日し、彼女たちが英語教育においてどのような役割を果たしてきたのかについて述べました。その後、講演のメインテーマでもある「外国籍女性教員のアイデンティティ形成」について、インタビューを中心としたご研究を発表していただきました。日本人男性と結婚して日本に定住し、英語教師となった女性たちが私生活や職場でどのような困難を抱え、それらをどのような方法で乗り越えて教師としての専門性を高めていったのか、アイデンティティに関する理論的枠組みに基づく考察を述べました。講演後の質疑応答では、ナガトモ教授と親交のある本学外国語学部英語学科のエレン本橋准教授がモデレーターを務め、活発なディスカッションが行われました。
当日は約90名もの研究者、教員、学生の皆様にご来場いただきました。参加者の専門や関心は外国語教育にとどまらず、ジェンダー、アイデンティティなど多岐にわたっていましたが、ナガトモ教授はユーモアを交えながら明快にお話しくださり、様々な研究分野への示唆に富む充実した講演会となりました。
文:木村 雪乃(外国語教育研究所研究員)