情報倫理
1情報倫理
これからコンピューターのさまざまな使い勝手について学んでいく。コンピューターのめまぐるしい発展が、一台のPCを前にすることで、かくもいろいろな事をこなしてくれることは理解してもらえると思う。いかに活用できるかは利用者が、各自のそれぞれの事情や環境の違いの中で、独自の利用の場を発見し、いかに創造的に利活用していくかにかかっている。 しかしながら現代の情報社会では、各自がコンピューターを介して作成し加工した情報が、自身の所属する限られた社会だけではなく、日本中はもちろんのこと、大袈裟でもなく世界中に伝達され、読まれ、かつ利用される時代になってきている。逆に言うと、世界中から発信されるおびただしい数の、さまざまな形の情報を、いとも安易に得ることができる時代でもあるということである。
ところで、個人の付き合い、組織どうしの付き合いには互いに守られている約束ごとや礼儀作法があり、これらの暗黙の了解のもとでの巧い付き合い関係が出来ている。したがって了解が破られれば付き合い関係は断絶してしまう。また個人の所属する社会にも法律やルールがあり、これを守ることで、社会の秩序が守られている。守らなければ"罰則"という制裁を受けることになる。
さきほど述べた現今の情報化社会の形態も、まさにコンピューターを介した、実に広範囲な人間社会を構成しているわけであるから、一人一人の構成員が、守るべきルールは守り、コンピューター社会の秩序を乱さないように心がけなければならない。 特殊な分野の人間だけがコンピューターを使用していた永い年月のコンピューターの歴史から見れば、あらゆる分野や階層の人間の使用に広がったネットワーク中心の高度情報化社会は、まだ始まったばかりである。そのため本章のタイトルである"情報倫理"という概念も定義もその範囲が定かでないのが現状であり、情報倫理教育についても、現場に携わる担当者の個人的解釈で実践されていると思う。
本学においても、大学構成員が互いに守るべき倫理条項の制定へ向けて目下検討の段階であり、近々提示されるであろう。ここではコンピューターの利用にあたっては、利用技術の習得だけにとどまらず、少なくともこれだけのことは守っておいて欲しいいくつかのルールについて、箇条書きの形でまとめておきたい。
2. コンピューターの破損を防ぐために
Windowsを立ち上げたまま電源を切らない
プログラムやハードディスクが破損する原因になるので、 必ずWindowsの終了を行う。
パソコン教室へ飲食物を持込まない
ジュースや食べ滓がキーボードなどに入ると故障の原因になる。
コンピューターウィルスに注意する
コンピューターウィルスはプログラムやデータファイルを破壊したり、コンピューターに異常な動作をさせたりする。感染を予防するには
- 身元不明のフロッピィディスクは使用を避ける。
- 見知らぬ人からのメールの添付ファイルは開かない
- 市販ソフトウェアは必ず使用許諾に従って使用する。
- フリーソフトウェアは入手経路を確認して使用する。
- オリジナルプログラムにはライトプロテクトを施し安全な場所に保管する。
- 外部から持ち込んだハードウェアは初期化してから使用する。
- 不特定多数の人とのハードウェアやフロッピィディスクの共用を避ける。
- ワクチンは信頼できるものを使用する。
壊れていると思ったら直ぐ連絡する
故障していることを発見したら、東棟4階ヘルプデスクに直ぐ連絡する。
3. 他人に迷惑をかけないために
パスワードを決める際の注意点
パスワードを決める際には、次の点に注意する。
- 少なくとも6文字以上使う
- 大文字、小文字、そして数字を混在させる
- 辞書にあるような単語は禁物
- キーボードーの隣接したキーは使わない(例:QWERTY)
パソコンを個人用にカスタマイズしない
教室のパソコンは共用のものです。次に使う人が使い勝手がわからなくなるので、個人的な都合で設定を変更しない。
長時間占有しない
時間帯によっては満席になり、他の人が利用できない場合があるので、長時間占有しない。
個人情報の取扱いは慎重にする
特定の個人が識別することができる住所や電話番号、学籍番号等のデータや写真等の個人情報の取扱いは慎重にすること。 インターネット上で、本人の承諾なしに個人情報を流したり、名簿や住所録を印刷して放置したままにして、個人情報が漏洩して、本人に迷惑が及ぶ場合がある。 個人情報の保護に注意する。
印刷用紙を無駄にしない
印刷プレビューを活用し、試し印刷を減らして用紙の節約をする。 印刷を失敗した用紙は丸めずに、反故用紙入に入れる。
4. 著作権を守るために
著作権とは
著作物の創作者等の経済的および人格的利益を確保することにより、著作物の創作活動にインセンティブを与えようとするための権利である。創作者の許諾なしに、著作物の複製や内容の変更をすることはできない。
著作物とは
言語(小説、詩、論文等)音楽、舞踏、美術、建築、地図、図形、映画、写真等の作品やコンピュータープログラム等のソフトウェアも著作物であり、著作権で保護されている。
ソフトウェアの著作権
ソフトウェアの複製が認められるのは、自分が購入したものを自分のコンピューターにインストールしたり、破損に備えたバックアップをつくる場合だけである。 著作権者の承諾なしに、バックアップコピーしたものを他人に貸したり譲ったりすることや、教室のコンピューターにインストールすることは著作権を侵害することになる。
ホームページ作成には著作権の侵害に注意する
ホームページを作成する際に、雑誌等の画像をスキャンーで読み込んだり、既存の著作物を複製して利用できるのは、著作権がフリーの場合である。フリーでない場合は作者や出版社の許諾が必要である。
5. インターネットの作法
インターネットには匿名性はない。所属しているネットワーク(獨協大学で利用していること)は通信している相手側には明白になっている。 そのことを留意して、他人に迷惑を掛けたり、不愉快な思いをさせないように、各自の責任で利用すること。
6. 電子メールの作法
電子メールは葉書のようなもの
インターネット上のメールは安全ではないと考えておく必要がある。あなたが葉書には書かないようなメッセージ(クレジットカード番号、パスワードなど他人に知られたくない個人情報や非公開情報)は決してメールに含めてはいけない。
チェーンメール、電子ネズミ講は厳禁
チェーンメールはインターネットでは禁止されている。チェーンメールとは、幸福の手紙(不幸の手紙)のように別の人に同じ内容を転送することを要請する内容の手紙である。慈善が目的と称しても理由の如何を問わず禁止されている。 電子ネズミ講はネズミ講の勧誘をメールを使って行うもので、処罰される恐れがある。 あなたがチェーンメールや電子ネズミ講メールを出すと、インターネット利用を停止にする場合がある。もし、チェーンメールやネズミ講メールを受け取ったら、情報センターまで連絡すること。
アドレスはよく確認する
アドレスには個人のアドレスのように見えても、実はあるグループに送られるというアドレスもある。誰に送ろうとしているのかを確認すること。返事をするときには、cc:の宛先に気をつけること。関係のない他人を巻き込まないように。
フレームに気を付ける
感情的なメールの応酬をフレーム(Flame)という。 メッセージに対して、感情的な応答をしない。 送信する前に一晩待って感情を静めること。
一行の長さは、半角で60文字程度にする
一行があまり長いと、画面からはみ出したり、表示されないことがある。半角で60文字(漢字、かなで30文字)程度にすること。行の最後に改行を入れること。
題名(サブジェクト)を付ける
メッセージの内容を的確にあらわす題名(サブジェクト)を付けると、受け取った人はメールが読みやすく、整理しやすくなる。題名には日本語使わないこと。 受け取る相手で、文字化けを起こすことがある。
メッセージに半角カタカナは使わない
メッセージに半角カタカナを使うと、そのカタカナのところで、一部メールが壊れることがある。
大きなメールは送らない
画像などを添付して、メッセージを大きくしすぎると、配送できなくなったり、ネットワークに負荷がかかりすぎて、他の人に迷惑をかける場合がある。メールは大きくても50K程度までにすること。
7. ホームページの利用
混雑している時
インターネットは午後2時~5時頃の利用が多く、ページの読み込みに時間がかかるので、比較的利用の少ない午前中に利用する。
掲示板、チャットへの投稿書き込み
掲示板やチャットへ書込む場合は、他人を中傷誹謗したり、掲示板やチャットの交換を妨害するようなことをしない。
アンケート、通信販売
アンケートへの住所、電話番号等の個人情報の書込みは、他に流出したり、悪用された事例もあるので、十分慎重に行うこと。 教室内のパソコンから通信販売等の商業行為の利用は認めない。もし、商業行為によるトラブルがあっても大学は一切関与しないので、全て個人で責任を負うこと。