2017 学生懸賞論文入賞作品(4編)
最優秀賞
「地域交流における大学の役割~駅名変更をきっかけとして~」
経済学部経済学科4年 松澤 知也
経済学部経済学科4年 大藤 美沙
経済学部国際環境経済学科4年 深澤 なつは
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優秀賞
「負の遺産に関する日独比較と日本のインバウンド運用」
外国語学部ドイツ語学科4年 須貝 健太 要旨はこちら
「西欧諸国における移民問題についての考察 --「文明の衝突」論をめぐって--」
法学部国際関係法学科3年 鶴岡 大輔 要旨はこちら
審査員奨励賞
「「草食男子」?「草食系男子」の言説的変容」
国際教養学部言語文化学科4年 近藤 巧 要旨はこちら
<最優秀賞>
「地域交流における大学の役割~駅名変更をきっかけとして~」
経済学部経済学科4年 松澤 知也
経済学部経済学科4年 大藤 美沙
経済学部国際環境経済学科4年 深澤 なつは
経済学部経済学科4年 大藤 美沙
経済学部国際環境経済学科4年 深澤 なつは
2017年4月1日に「松原団地駅」から「獨協大学前<草加松原>駅」へ駅名変更が行われた。獨協大学の名称が新駅名に採用されたが、まだ獨協大学はこの地域にとって中心的な役割を果たし、地域の拠点となっているとは言い難い。現在、草加商工会議所?獨協大学?草加市が連携して行っている活動は多岐にわたっているにもかかわらず、インタビューと意識調査から、大学と地域住民の交流不足が課題であることが明らかとなった。駅名に採用されたことで獨協大学が地域の中心として、地域における社会的責任はますます大きくなるだろう。
そこで、本稿では、本学が今後より一層、地域の中心として貢献していくためには地域交流の推進が重要であり、何よりも私たちが、獨協大学が地域においてどのような存在であるべきなのかを自覚しなければならないということを述べた。
また、本学が地域連携を一層進めていくために、学内に「地域の窓口」を開設することを提案した。これにより、大学としても公式に学生と地域住民の交流を推進していく体制を整えることができ、交流の促進につながると期待される。地域住民が大学に集まるような環境を整えることで、地域コミュニティの拠点としての意義を存分に発揮してくことが期待されていると言ってよいだろう。
<優秀賞>
「負の遺産に関する日独比較と日本のインバウンド運用」
外国語学部ドイツ語学科4年 須貝 健太
世界がグローバル化していく中、各国はインバウンド事業を通じて多くの観光客を呼び、経済効果を得ようとしている。日本も同じだ。アニメ、漫画文化や国が持つ魅力を世界へ発信し、世界中の観光客を集めている。しかし、ドイツは日本とは全く違った視点からインバウンド事業を行っているのではないかと推測する。すなわち、「負の遺産」を用いたダークツーリズムである。
ドイツ国内の負の遺産はどれも経済的効果をもたらす。さらに、同国にはソフトパワーという目に見えない力によって他国を魅了し、観光客の誘致、外交的なアドバンテージを得ている。
日本がそこから学べることはないだろうか。日本の負の遺産である原爆ドームや平和祈念公園では、運営費用などがすべて地方公共団体によって賄われている。政府が積極的に予算を投じてこのような負の遺産の保存、観光資源への利用をしていくべきではないだろうか。様々な面で、メリットが期待できる。
<優秀賞>
「西欧諸国における移民問題についての考察 --「文明の衝突」論をめぐって--」
法学部国際関係法学科3年 鶴岡 大輔
西欧における移民問題は、昨今その深刻さを増し、「文明の衝突」と揶揄されるほどになった。本稿は、まず移民政策失敗の原因は移民受け入れ国に帰するとし、西欧の主要な移民受け入れ国の事例を確認し、次に移民問題を「文明の衝突」論と対比させながら、その発生原因を歴史や国民心理から探求するものである。また、最後に移民問題の発生可能性を下げる改善策について言及する。
<審査員奨励賞>
「「草食男子」?「草食系男子」の言説的変容」」
国際教養学部言語文化学科4年 近藤 巧
2000年代後半に「草食男子」もしくは「草食系男子」という言葉が流行した。「草食男子」に限れば、2009年に株式会社ユーキャンが主催する「新語?流行語大賞」のトップ10として選ばれており、様々なメディアでセンセーショナルに取り上げられたことは記憶に新しいだろう。
さらに、これらの言葉が新しい世代の男性性を象徴する言葉であることから、セクシュアリティ研究の分野からも注目されており、世俗的のみならず、学術的な意味合いも持ち合わせている。しかし、現代男性の代名詞でもあるかのようなこの言葉の定義は意外にも曖昧であり、その意味や定義は「草食男子」?「草食系男子」について語る論者によって異なっている。
よって本論では、現代の男性を語る上でのキーワードである「草食男子」?「草食系男子」に関する言説を分析することで、それらの言葉を通して語られる現代日本の男性性をあぶり出していく。