2021 学生懸賞論文入賞作品(1編)

2021 学生懸賞論文入賞作品(1編)

応募

20編

最優秀賞

該当作なし

優秀賞 1篇

「サードカルチャーキッズの「移動本能」に関する批判的考察―居場所への安心感に着目して―」
言語文化学科3年 参田 沙良 要旨はこちら

審査員奨励賞

該当作なし

<優秀賞>
「サードカルチャーキッズの「移動本能」に関する批判的考察―居場所への安心感に着目して―」

言語文化学科3年 参田 沙良

 現代、移動社会の到来と共に海外に移住する人々が増加している。幼少期に両親の文化圏の外で過ごす子供たちを「サードカルチャーキッズ(TCK)」と呼ぶ。『サードカルチャーキッズ 多文化の間で生きる子どもたち』の著者であるポロックら(2010)は、TCKはいくつかの特徴を有していると示しており、その一つに「移動本能」というものを挙げている。「移動本能」とはTCKを一か所に住み続けさせることを難しくさせ、別の場所へと移動を繰り返させる衝動を意味する。これは、「どこかに自分にとっての居場所が存在する」と探し求める内的な落ち着きのなさが原因であると考えられている。
 しかし、本稿ではTCKには「すでに自分にとっての居場所を見つけているという安心感」から移動本能が生じるのではないかという仮説を立てた。本稿ではTCKが誕生する背景や「居場所」の定義を整理したうえで、インタビュー調査を用いてTCKの移動本能が形成される理由を考察した。

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